【高校受験2022】千葉県公立高校入試<社会>講評…基本を重視した出題、難易度は低下か

 令和4年2月24日(木)と25日(金)、令和4年度(2022年度)千葉県公立高等学校入学者選抜が実施された。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2022】千葉県公立高校入試<社会>講評
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 令和4年度(2022年度)2月24日(木)、千葉県公立高等学校入学者選抜において、国語、数学、英語の学力検査が実施され、2月25日(金)には理科と社会の学力検査が実施された。千葉県教育委員会が2022年2月21日(月)に発表した一般入学者選抜等の確定志願状況によると、全日制が募集人員3万1,320人に対し3万4,637人が志願し、志願倍率は1.11倍。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<社会>講評
(京葉学院 提供)



 昨年、コロナ禍の影響で出題範囲から除外された「国際社会」の単元が復活し、例年通りの8つの大問にもどりました。大問1が3分野融合、大問2・3が地理、大問4・5が歴史、大問6~8が公民です。

 地理、歴史、公民のあらゆる単元からまんべんなく出題されています。教科書に書かれている基本的なことがらを、きちんと学んできたかが問われる内容となっています。難易度は昨年度よりも下がったと思われます。

 差が付きやすいのは、「記述」の問題、地理・公民の「資料読み取り」の問題、歴史の「年代整序」の問題です。記述の問題(大問3 (4)、大問5 (5)、大問7 (3))は12点、資料読み取りの問題(大問1 (4)、大問3 (5)、大問6 (3))は10点、時代順並べ替えの問題(大問1 (3)、大問4 (1)、大問5 (4))は9点の配点でした。これらの問題への対策が有効にできていたかどうかが、合否を分ける大きな鍵となったことでしょう。

1.総合問題


 「豊かさ」をテーマとした、3分野の融合問題です。
 (2)では、選択肢に「USMCA」(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)や「MERCOSUR」(南米南部共同市場)といった、あまり聞いたことがないであろうものが並びましたが、正答の「APEC」(アジア太平洋経済協力会議)をきちんと覚えていれば、難しくはありませんでした。
 (3)の年代整序は、いずれも世界史のできごとでしたので、難しいと感じた人も多かったかもしれません。中学社会でも、近年は世界史を重視するようになってきました。世界史への対策は必須といえるでしょう。

2.日本地理


 例年と同じく、日本全図を使って出題されました。7地方区分、都道府県庁所在地に関する問題が出たのも、いつも通りです。地形図の読み取り問題が出たのも、いつも通りです。地形図の読み取りは、方位、縮尺、地図記号、等高線など、問われる内容は決まっています。全問正解をめざしたいところです。

3.世界地理


 例年と同じく、世界全図を使って出題されました。
 (1)では、地図に引かれた緯線・経線に関して、正しい知識が身についているかが問われました。
 (2)は時差の計算をする問題でしたが、特にひねりのない素直なもので、難しくはありませんでした。
 (3)で出てきたアンデス山脈は、高校入試では非常によく出題されます。必ず覚えておくべき知識です。

4.前近代史


 寺社をテーマとして出題されました。
 (1)は、645年~672年という短い期間についての年代整序で、やや難しい問題でした。
 (3)では、後鳥羽上皇と後醍醐天皇、足利尊氏と足利義満という、取り違えやすい人物を正しく区別できているかが問われました。
 (4)で問われた「武家諸法度」と「京都所司代」も、「御成敗式目」や「六波羅探題」と間違えてしまう人が多いことがらです。

5.近・現代史


 日本と世界の関わりをまとめた年表をもとに出題されました。
 (3)で出てきた「連合国」「同盟国」「枢軸国」は、正しく理解しておきたいことばです。
 (4)は、1921年~1940年という短い期間についての年代整序で、やや難しい問題といえました。

6.国民生活と経済・社会


 「家計」「企業」「政府」の3つの経済主体の関係を示した図をもとに出題されました。よく使われる図ですので、何を意味した図であるのかをきちんと理解しておく必要があります。
 (3)で出てきた「CSR」は、「Corporate Social Responsibility」の略で、「企業の社会的責任」と訳されます。このようなアルファベットを用いた略語も、よく出題される題材ですので、漏らさず覚えてしまいたい知識です。

7.日本の政治制度


 「公共」をテーマとして出題されました。
 (2)の、比例代表選挙における当選者数の計算は、たびたび出題されています。正しく計算できるように練習しておかなければなりません。

8.国際社会


 「SDGs」をテーマとして出題されました。
 「SDGs」(「Sustainable Development Goals」)を訳すと「持続的な開発目標」となりますが、(1)は、この「持続可能」ということばを答えるという、基本の中の基本ともいえる問題でした。
 (2)では「パリ協定」が出題されました。これも基本の中の基本というべき知識を問うものでした。

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 このレポートは2022年2月25日(金)に速報として京葉学院により作成されたもの。

協力:京葉学院
《編集部》

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