都心にあるラグジュアリーホテルはとかく子連れでは入りにくいと思われがちだが、実はほとんどのホテルでファミリーでの滞在を歓迎している。
皇居にもほど近く、大手町駅と直結しているというビジネス街に位置するフォーシーズンズホテル東京大手町もそうしたホテルの1つ。18歳以下の子供が保護者と同室に宿泊する場合は宿泊料無料、キッズの朝食無料等、ファミリー向け宿泊プランはもちろん、さまざまなキッズ向けサービスがあるのをご存じだろうか。そしてまた、宿泊者向け無料体験アクティビティとして、2022年10月より新たに加わったのが「キッズアカデミー」。さっそく小学生2人に体験してもらった。
プログラムには3つのアクティビティがあり、本物そっくりなユニフォームの貸し出し、ホテリエの仕事に関するクイズ、そして目玉となるのが実際に仕事内容を教えてもらえる「お仕事体験」（毎週日曜日のみ開催）だ。アクティビティは事前申込制で、一度の滞在中にそれぞれ1回ずつ体験することができる（今回は取材のため、ドアマンとハウスキーピングの両方を体験）。
まずはドアマンの体験から。立ち方やお辞儀の仕方を実際のスタッフから教えてもらう。男性と女性では手の置き方が違うこと、美しく見える角度等は万国共通のスタイルとのことで、ちょっとした豆知識を得る機会でもある。ひとつひとつの仕事について、手順だけでなく、なぜそれをするのかという背景を丁寧に教えてもらうことで、頭で仕事を覚えるというより、自然に動作ができている印象だ。細やかな気配り等できることが増えるにしたがい、背筋が伸びてプロ意識さえも学んでいるよう。裏手で練習を重ね、実際にエントランスに出て、いざ実践。ゲストにあいさつができたときには、すっかり格好良いドアマンの姿になっていた。
次は、実際の仕事のようすをなかなか見ることができないハウスキーピング体験。ほれぼれするようなラグジュアリーホテルの客室内は、ゲストがもっとも長く時間を過ごすプライベート空間。地味に見えるハウスキーピングの仕事だが、かなりの責任感と細心の注意をもって行われている。フォーシーズンズホテルでは1部屋につき1時間半もかけてじっくりときれいに整えるという話を聞き、子供も大人も驚き。確かに室内のアメニティも多く、それだけの時間がかかるのも納得だ。
体験では、まずベッドメイキングのコツを教えてもらう。シーツをピンと引っ張ってしわをとったり、立てて置いた枕の上部をゆるやかな曲線が出るようにへこませたりすることで、よりリラックス感のあるやわらかいイメージを演出できるとのこと。こうしたちょっとした工夫に、思わず大人が感心してしまう場面も。居心地の良い客室を作るために、細かな曲線まで計算していると知ることができ、非常に興味深い体験だった。
それぞれ30分ほどの短い「お仕事体験」だが、ふだん見られないホテルサービスの裏側に触れることができ、かつホテルのスタッフとの距離がぐんと縮まり笑顔と学びの充実した時間となった。未就学児等の小さい子ならホテルの中を歩き回ってみるだけでも楽しいだろうし、年齢に合わせた対応をしてくれるので、ホテル業界やサービス業などホスピタリティワークに興味のある子ならさらに大きな学びになるだろう。旅行だけでなく、ふだんの生活の息抜きステイケーションとして家族で滞在するのもお勧めだ。
◆フォーシーズンズホテル東京大手町「キッズアカデミー」概要
場所：フォーシーズンズホテル東京大手町
料金：無料（宿泊料金は別）
※フォーシーズンズホテル東京大手町に直接ご宿泊のご予約いただいた方のみ
※宿泊予約日の5日前までに要予約
※ユニフォームの有無により予約できない場合あり
※それぞれのアクティビティは1滞在につき1回まで参加可能
