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専門学校人気分野、女子の看護離れ・男子のIT志向が進む…高校生調査

 さんぽうは2024年10月11日、全国の高校生を対象に行っている独自の進路希望調査による専門学校志望者データの分析結果を発表した。コロナ禍を経て女子の「看護」「保育」「介護福祉」は志望者が減少傾向が続いており、IT分野に関しては男女ともに上昇傾向であることがわかった。

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高校3年生のランキングトップ10
  • 高校3年生のランキングトップ10
  • 高校3年生<男子>のランキングトップ20の推移
  • 高校3年生<女子>のランキングトップ20の推移
  • 文部科学省「学校基本調査」関係学科別 大学入学状況より
  • 文部科学省「学校基本調査」専修学校専門課程 学科別入学状況より
  • 独自企画調査用紙の専門学校分野項目

 さんぽうは2024年10月11日、全国の高校生を対象に行っている独自の進路希望調査による専門学校志望者データの分析結果を発表した。コロナ禍を経て女子の「看護」「保育」「介護福祉」は志望者が減少傾向が続いており、IT分野に関しては男女ともに上昇傾向であることがわかった。

 調査は、近年のコロナ禍、産業構造の変化、ジェンダー観の変容といったものが進行しつつある社会情勢の下で、高校3年生の進路選択傾向や職業観がいかに変化しているかを明らかにすることを目的に実施したもの。調査期間は2019年~2024年、各年の4月1日~8月31日。全国の高校3年生(全日制・定時制・通信制・サポート校など)を対象に実施した。有効回答者数は7万5,229人。専門学校の分野について計103分野に分け、「その他」を加えた104の選択肢を設けた。専門学校志望者はそのいずれかから必ず1つを選択しマークする形式のアンケートで、第2志望までマークする形式だが、今回のレポートでは第一志望分野のみの集計結果を分析対象とした。

 男子のトップ3は2019、2020年は1位「ゲーム」、2位「自動車整備」、3位「情報処理・コンピュータ」の順であったが、2021年から「情報処理・コンピュータ」が1位に上がり、その後3年間2024年までトップを維持している。コロナ禍の中でリモートワーク、オンラインミーティング等の業務形態の認知が一気に広がったこと、AIやデータサイエンス、DX、情報セキュリティなどの新分野の産業の興隆、専門人材の不足が叫ばれるようになったことなどを反映した動きと考えられる。

 女子のトップ3は、同社の調査において長年不動の1位であった「看護」が2023年から2位に順位を下げている。「美容」は同様に長年2位であったが1位に上がり、その後志望者数実数、全体に占める志望率でも2位の「看護」と大きく差を広げつつある。3位であった「保育」は4位の「メイク」と順序を入れ替える結果となった。さらに、「介護福祉」も低下しており、とくに女子は2019年から2022年まで15位であったものが2023年17位、2024年18位と下がり続けている。

 専門学校の看護分野志望者の減少については、高校生の大学志向や大学看護学部の増加という一面もあるが、文部科学省が公表している「学校基本調査」を確認すると大学看護学部入学者は決して増加していないことがわかる。

 また、コロナ禍により大きなダメージを受け、近年回復傾向にある観光・旅行産業では、「観光・旅行」の男子は2020年の41位から2022年66位まで下がり、その後2年で47位まで回復している。一方で女子は緩やかながら下降が止まっていない。「ホテル」「外国語・通訳・翻訳」については、男女とも回復傾向にある。

 女性比率が極めて高い業種に繋がる分野について、男子の志望順位の上昇傾向がみられたとして、「動物看護」が2019年の69位から2024年は41位にまで上昇した。同じく動物系分野である「トリマー」も49位から40位にまで上昇している。

◆高校3年生専門学校志望者人気分野ランキングトップ10
<2024年男子>
1位 情報処理・コンピュータ
2位 ゲーム
3位 自動車整備
4位 調理
5位 美容
6位 スポーツ(インストラクター・トレーナー)
7位 公務員(警察官・消防官)
8位 スポーツ(プレーヤー・競技)
9位 建築
10位 理学療法

<2024年女子>
1位 美容
2位 看護
3位 メイク
4位 保育
5位 製菓・製パン
6位 ブライダル
7位 イラスト
8位 動物飼育・トレーナー
9位 歯科衛生
10位 トリマー

《中川和佳》

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