【医学部受験】小論文の対策が合否を分ける!合格へと導く "プロ講師" の指導術 

 医学部入試で多くの受験生が対策に悩む小論文。文章力に加えて医師としての資質や倫理観も問われるため、独学では非効率になりやすい。小論文指導の第一線で活躍する代々木ゼミナール木村勧氏が明かす、医学部合格へと導く指導術とは。

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小論文指導の第一人者である代々木ゼミナールの木村勧講師
  • 小論文指導の第一人者である代々木ゼミナールの木村勧講師
  • 取材に応じてくれた、小論文指導の第一人者である代々木ゼミナールの木村勧講師
  • 合否を決める小論文対策とは
  • 【医学部受験】小論文の対策が合否を分ける!合格へと導く
  • 「医学部入試は、勉強+人間力」と語る代々木ゼミナール木村先生

 医学部入試への準備は多岐にわたるが、中でも「どう手を付ければ良いかわからない」と受験生が手をこまねくのが小論文だ。単なる文章作成能力ではなく、医師としての資質や倫理観を問われる医学部特有の難しさがあるため、独学では非効率に陥りがちだ。

 合格できる答案を作成するには、どのような対策を行えば良いのか。小論文指導の第一線で活躍する代々木ゼミナールの木村勧講師に、高得点を取るための具体的な答案作成のコツなど、医学部合格へ直結するアドバイスを伺った。

医学部は小論文で何を測るのか

--今、医学部入試において小論文が重視される背景と、学科試験では測れないポイントをどのように見ているか教えてください。

 医師というのは「人」に向き合う仕事です。患者さんの悩みや不安を汲み取り、真摯に向きあえるか。1人の個人として、相手を尊重する意識があるかどうか。これが医師として問われる資質です。医学部入試の小論文では、この資質を測ろうとしています。

 ですから、医学の専門知識をたくさん知っているかどうかを問われるわけではありません。それは医学部に入ってから十分に学べます。

 大学としては、その受験生が自分の頭で何を考えようとしているかを見たいのです。小論文では満点と0点くらいに差がつきますから、ここで合否が逆転するということも十分ありえます

取材に応じてくれた、小論文指導の第一線で活躍する代々木ゼミナールの木村勧講師

--小論文を見れば、医師としての資質が見えてくるものなのでしょうか。

 見えてきますね。これまで数多くの小論文を指導してきましたが、小論文を読むとその人が誠実な人かどうかはわかります。医師として一生懸命やっていきたいという覚悟は、文章を通じて伝わってくるものです。

--小論文対策でもっとも重要なポイントはどこにありますか。

 まず、医学部であってもその他の学部であっても、小論文を書く時の核心になるのは、物事の本質を捉える「そもそも」という思考です。多くの受験生は具体例を書こうとするのですが、小論文の文字数は原稿用紙3枚程度、1,200文字くらいが相場ですから、具体例を並べて帰納的に結論を導こうとするには文字数が足りず、説得力がありません。結局それは主観的な作文で終わってしまうことが多く、小論文とは言えないのです。

 では、どうすれば作文ではなく小論文が書けるのか。この問いへの私の答えが、課題に対して「そもそも」という大前提からスタートする演繹的な思考です。

--なるほど。では医学部の小論文だからこそ、書くうえで意識すべきことはありますか。

 「そもそも、医療の本質とは何か」から考えることです。医療の本質とは、「近代科学の成果を用いて、患者の生命および自己実現を医療面から支えるための手段である」ということ。ここから思考がスタートします。

 チーム医療を例にとってみましょう。「何のためにチーム医療を行うのか?」とたずねると、多くの生徒からは、コストや時間の観点から効率的な治療が行えるといった答えが返ってきます。しかし、それは医療を提供する側からの視点です。患者さんからしたらどうでしょう。病気になった時に複数の人がチームとなって自分のことを診てくれていたら安心しますよね。医療の本質である「患者の生命および自己実現を支える」という視点からスタートしていれば、おのずと「チーム医療にあたっては、患者の意思をもっとも尊重し~」という思考になるはずなのです。これが評価される小論文です。

 しかし、多くの受験生は知っている知識だけで解答欄を埋めてしまいがちです。患者の立場を経験していない、あるいは経験していても、その出来事を小論文に結びつけることが難しい。だからこそ、物事を俯瞰し、本質から捉える力を鍛えていく必要があります。

 このように、特に医学部の小論文では、そもそも「医療とは何か」「患者とはどういう存在か」といった本質からのアプローチができるかどうかが、非常に重要なカギとなると言えます。

高得点か0点か、小論文の明暗を分けるのは…?

--小論文の試験はどこで差がつくのでしょうか。点数がつかない小論文に共通するところがあれば教えてください。

 大きく2つあります。まず1つ目は出題者の心、つまり出題者が問いかけようと意識している点を無視していることです。

 小論文は「問いに答えられているか」で9割が決まると言っても過言ではありません。「出題者の言葉には一切の無駄はない」ので、何を問うているのかを注意深く読み取る必要があります。

 たとえば、「本文を踏まえて考えなさい」という問いがあったとき、「考えなさい」と言われているのであり、「説明しなさい」ではありません。この問題に出された文章をもとに自分の頭で思考することが求められているのに、多くの受験生は書いてある本文に引きずられて、その内容をなぞっただけの答案を書いてしまいます。また逆に、「本文を踏まえて」とあるので、本文の内容に触れていなければ問いに答えたことにはなりませんが、本文を踏まえないで自分の意見だけを書いてしまう受験生も多いのです。

 出題者の意図は問いの言葉に凝縮されていますから、私は授業でいつも、「問いの言葉に突っ込め」と言っています。問いに書かれている言葉に1つずつ「突っ込み」を入れながら、それに答えようとしていくことで点数が積みあがっていくのです。

 もう1つは下書きを推敲していないことです。試験時間が90分だとすると、大体40分あれば1,000字程度は書けるので、最初の50分は下書きを推敲することに時間を使うべきです。何をどう組み立てて書くかが決まらないと、枝葉末節ばかりで説得力のない文章に陥りがちなので、与えられた時間の枠でいかに効率良く時間配分し、完成度の高いアウトプットができるかを意識することが重要です。

小論文の試験で差がつくポイントとは?

--医学部受験生の中には、文章を書くことに苦手意識が強い人も少なくありません。小論文が「書けない」と悩む受験生が陥りがちな課題やその克服法を教えてください。

 そうですね。実際のところ、まったく書けない生徒は毎年います。そういう生徒には、信頼できる答案の書き写しから始めることを勧めています。素地が全然ない状態から書くというのはやはり難しいので、まずは「真似る」ところから始める。そこから始めても、1年あれば大抵間に合います。

 次に、まったく書けないわけではないが、長い文章になると書けないという壁に直面する生徒もいます。このような場合は、メインの記述に、反対の立場を踏まえて対比させたり、観点を追加させたりすると、一気に文字量が増えていきます。

 こういったコツは鍼の治療に似ていて、書けるようになる“ツボ”のようなものです。小論文の指導は、そのツボを確実に押さえていくことにあります。

 ここまでの指摘を踏まえることで、ある程度の答案は書けるようになりますが、高得点が取れるかどうかの勝負どころは、やはり「本質から考えることができるか」です。これには、指導を受けることがもっとも効果的です。指導者と答案のキャッチボールを通じて磨いていくことが最短ルートです。仮に指導を受ける機会に恵まれなくても、本や新聞なども、指導者からレクチャーを受けているような感覚で読んでいけば、ブラッシュアップにつながります。

小論文に求められる独自性とは「他人と違う特別な経験」ではない

--良い小論文を書く際の心構えのようなものはあるのでしょうか。

 小論文を書く際に意識すべきことを、私は次のとおり“5ヶ条”としてまとめています。

1.先入観を捨てる:問いに向きあい、正しく答える。これで実際の答案評価の9割が決まります。
2.「である」(分析)と「べき」(評価)を分ける:考えるというのは、分析と評価の2種類があります。論文の構成は、分析から評価という流れで書いていきます。「分析」が求められているときに「評価」を行ってはいけません。
3.勝手に書く順を決めない:書く順番は書き手が決めるわけではなく、問いを見れば自ずと決まるということを忘れてはいけません。
4.問いの本質から考える:「そもそも」がいちばんの頂点です。そこからどう下ろしていくのかの組み立てにエネルギーを使うことが大事です。
<ここまでの4つで、小論文のほとんどの問題には対応できます>
5.「○○について述べよ」というタイプの問いには、起承転結のフォーマットで書くこのタイプの問いに対しては、(1)現状と定義(起)/(2)問題提起(承)/(3)具体的検討(転)/(4)結論(結)の順で書いていくと良いでしょう。

--小論文や面接の対策として色々な経験を積んでおく必要があるとも聞きます。どんな経験をすれば独自性が伝わるのでしょうか。

 確かに、小論文でも面接でも、これまでの人生での人格形成に関わるような経験や、その経験をどのように捉えているのかはよく聞かれます。ただし、だからといって稀少な経験が必要というわけではありません。

 誤解が多いのは、独自性を「他人とは違う経験をすること」と捉えることです。しかし、稀少な経験が必要だとしたら、入試はそのような機会に恵まれた人だけを採用する試験になってしまいます。入試で問われている独自性とは、「自」分「独」りで、つまり「独」「自」に考えているかどうかです。自身を良く理解し、身近で起きる些細な出来事であっても、自分にとっての本質的な価値を汲み取る力が問われます。自分の経験が、その後の意思や行動につながったということが伝えられれば良いのです。

 そして、ここがいちばん大事なポイントなのですが、アウトプットすべきものはすでに皆さんの中にあるということです。つまり小論文でもっとも重要なのは、自分の中にある経験や考えに光を当て、それを取り出すというトレーニングなのです。

--そのトレーニングはどうやって行えば良いですか。

 繰り返しになりますが、この部分もプロによる指導を受けることがいちばんだと思います。たとえば、泳ぎ方をプロのコーチから教われば、無駄のないフォームで楽に上手に泳げるようになる。スポーツでも楽器でも、良い指導者に出会えれば上達しますよね。これは小論文でも同じです。

 私の授業でも生徒たちは、「自分のもっているものを引き出し、それを武器に文章が書けるようになった」と言ってくれます。授業を通じて自分自身をメタ認知できるようになり、自分では価値がないと思っていたことが実は特別だったと気付いたり、意識していなかった考えや感情などが呼び覚まされたりします。これによって、先ほど言った「自分の中にある経験に光を当て、取り出す」力を鍛えていくのです。我々のような小論文の指導者はこのような指導に長けていますから、プロの力を借りれば、新たな自分を引き出し、これまでとは質の違う答案が書けるようになります。

医学部小論文の頻出テーマは遺伝子とAI、合格につながる対策とは

--近年の医学部入試小論文で、よく扱われるテーマは何ですか。

 まずは、遺伝子ですね。現代の課題がいちばん集約されているのが、物質でいうと原子核、生命体でいうとDNAです。この両要素はまだ人間が制御できていない領域ですが、このミクロの世界を人間が操作することで不可逆的な変化を引き起こし、最悪の場合には人類を脅かすようなリスクをもたらします。そしてもう1つは、やはりAIです。生成AIの目覚ましい進化からわかるように、発展のスピードは指数関数的で、スマホのような性能をもつツールがどんどん極小化していき、人間の血管内に入って病巣を発見できるようになるといった未来が現実になるかもしれません。こうしたテーマについてはすでに小論文のテーマとして出題されているので、過去問を通じて触れておくと良いでしょう。

小論文の頻出テーマは「遺伝子」「AI」

--医学部小論文対策として、読んでおくべき必読書やニュースはありますか。

 やはりいちばんのお勧めは過去問です。どんなことがテーマになっているのか、どのような問われ方をしているのかがわかるので、知識として覚えるのではなく、そういった問題を自分の頭で考えるきっかけにしてみてください。ただし、先ほどもお話ししたように、医学部の小論文だからといって扱われるテーマは医療系とは限らず、幅広くアンテナを広げておく必要があります。その際、参考になるのは小学生向けに時事問題を解説した本です。社会の重要問題が取り上げられ、極めてわかりやすく解説がなされています。  

 また、中学校の公民の教科書にも目を通しておくと良いでしょう。社会保障や保険制度、生存権など、義務教育の中で社会常識として知っておくべきことが網羅されているので、医学部の小論文や面接対策に役立ちます。

--学科試験と両立させるうえで、医学部小論文対策はいつから、どのようなスケジュールで進めるのが理想的ですか。

 入試に出る教科は入試当日から逆算的に計画を立てますが、小論文に関しては時期は問いません。小論文対策にそこまで時間を取れない人が多いと思いますので、頻度の目安としては、隔週で1通の答案を作るくらいのペースで良いでしょう。ただし、必ずやってほしいのは、答案を書く際に時間を測ること。時間をかけすぎるのも、短く終えすぎるのも良くありません。60分の試験であれば60分をしっかりと使い切る練習をしましょう。

 医学部に合格した生徒に聞くと、小論文対策が息抜きになったという声も多いです。「こういう世界にもうすぐ触れられるんだ」というモチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。

--小論文対策において、医学部受験生の保護者はどのようなサポートができますか。

 全人的な教育を心がけるということが何よりも大事です。「医師を目指す理由は“建前”だけで十分、入試を突破さえできれば良い」などといった浅い考えは、小論文や面接ですぐに見抜かれます。保護者は本人に「勉強は大変だけれど、医師は人の役に立てる、感謝される尊い仕事なのだ」ということを伝え、モチベーションを高めるようなコミュニケーションを意識されると良いのではないでしょうか。

 保護者が非医療者であっても、お子さまとアドミッションポリシーや建学の理念を読み、その大学が目指す医療について一緒に考えるなど、次世代を支える良い医療者を育てていくという目線でお子さまと伴走していただけたらと思います。

-- 最後に、医師の夢を掴もうとする受験生に向けて、メッセージをお願いします。

 小論文は、医学には一見関係なさそうに見えるかもしれませんが、医学部に入学してから、あるいは医師になってから振り返ると、「今いちばん役に立っている」と言ってくれる教え子が多いです。また、小論文を学んだことで、患者さんの立場に立って考えられるようになり、医師になるための準備ができたと言われることも少なくありません。医学部入試は「勉強+人間力」です。この「人間力」を育んでいくために、小論文に向き合ってください。そして、私たち指導者と二人三脚で、その力により磨きをかけ、医師への扉を開いていってもらえたらと思っています。

「医学部入試は、勉強+人間力」と語る木村先生

--ありがとうございました。


 どう対策したら良いかわからないという声が多い小論文。第一線で活躍する木村先生から、はずしてはいけない考え方から書き方のコツ、勉強の仕方などを聞くことができた。中でも、スポーツや楽器と同様、良い指導者との出会いがカギを握るというアドバイスが印象的だった。プロ講師の指導のもと、満点と0点の差がつくという小論文が得点源になれば、医学部合格に近付く大きなアドバンテージになるはずだ。

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《中村真帆》

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