独立行政法人海洋研究開発機構が有人潜水調査船「しんかい6500」による東日本大震災震源域の海底調査の写真を公開。地震によって起こされた海底の亀裂や段差が見て取れる。 同機構は、7月30日から8月14日にかけて東日本大震災震源海域の日本海溝陸側斜面の地震による深海生態系への影響、海水中の化学変化、海底の変動を調べるために有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査を実施した。 調査の結果、三陸海岸東方の日本海溝海域の水深約3200mから5350mにおいて、海底の亀裂や段差、海底下からの湧水現象に伴うバクテリアマット・海底変色・ナギナタシロウリガイの生息、ウシナマコ類の高密度生息が確認されたという。湧水現象はプレート沈み込み域で断層が発達し、断層に沿ってメタンが湧き出す現象のこと。バクテリアマットはバクテリアが多量に繁殖しマット状になること。ここではメタンや硫化水素といった還元物質をエネルギー源にして多量に繁殖したと思われる。