東京大学、秋入学のメリット等をまとめた報告書

 東京大学は3月29日、「将来の入学時期の在り方について(報告書)」および「中間まとめ」学内意見募集概要をホームページに掲載した。同報告書は、「入学時期の在り方に関する懇談会」が取りまとめたもの。

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学部の秋入学のメリット・デメリット(一般入試の時期を現行どおりとする場合)
  • 学部の秋入学のメリット・デメリット(一般入試の時期を現行どおりとする場合)
  • 教育改革における秋季入学の位置づけについて
  • 新たな学事暦のシミュレーションと外国大学との比較(イメージ)
  • 国際交流等の学習体験を豊にする柔軟な教育システムへ
  • 学社連携による体験活動推進構想の枠組み
  • 学内意見募集回答数
  • 教育の国際化について(アンケート)
 東京大学は3月29日、「将来の入学時期の在り方について(報告書)」および「中間まとめ」学内意見募集概要をホームページに掲載した。同報告書は、「入学時期の在り方に関する懇談会」が取りまとめたもの。

 報告書では、「入学時期をめぐる問題点」として、現行システムの概要を述べた上で、国際動向との不整合について触れている。また、現在の日本の大学は、人材育成に関する社会的な要請に十分応えきれておらず、国際的な大学間競争に対応するため、大学の国際化を進めることが急務とし、現行の教育システムの点検を行い、「グローバル・キャンパス」の実現が必須としている。さらに、大学改革には、産業界との幅広い連携が必要だとしている。

 次に「秋季入学をめぐる得失」として、国際基準となっている秋入学について、大学の一般入試を現行どおりに行う場合のメリットとデメリットを挙げている。最大の利点は、学生・教員の国際流動性が高まる土台を作れるということ。留学生受入れも拡大が期待される。ITの活用による遠隔共同授業等の交流の可能生も増えるという。デメリットとして、大学卒業までの期間が少なくとも半年延びることは、公的資格試験との関係も重要で、これにともなうコストも社会全体に影響するとしている。また、ギャップタームの在り方も留意すべき点であるとしている。

 「今後の教育システムの在り方」としては、入学時期を変更するのみに留まらず、秋季入学の実施にともなって導入する同学のさまざまな教育改革が、他大学や産業界などに波及する影響が相乗効果を発揮することによって、日本の教育・社会全般のシステムや意識の改革につなげていくことを目指したいとしている。また、秋季入学への移行の構想の試案を掲載している。海外留学に関連する既存の達成目標は、「2015年までに全ての学生に海外留学・派遣を含む国際的な学習・研究体験を提供する」ことで、これをより具体化した達成目標として、懇談会として、学部卒業までの国際的な学習体験の将来イメージを描いている。さらに、新たな教育システムやギャップタームと大学の役割等についても提案している。

 最後に、学内における検討と学外(他大学・社会・政府)との関係についても検討課題を挙げている。

 また、「将来の入学時期の在り方(中間まとめ)」に対する学内からの意見として、1月20日〜2月15日に同大学の各キャンパスでWebによるアンケートを行った結果を取りまとめて公開している。
《前田 有香》

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