かるたも、そんな遊びのうちの一つでしょう。今回は、NHK・Eテレの人気番組「にほんごであそぼ」から飛び出したかるたアプリ、「にほんごであそぼ 絵あわせかるた」を紹介します。iPhone/iPad対応、350円。旺文社より2012年12月配信開始。
番組内では「きょうの名文」として毎回1組、印象的な日本語文を取りあげます。放送を心待ちにするファンも多い(何を隠そう、筆者もです)ので、「ああ、あれね」とピンときた方もたくさんいらっしゃることでしょう。アプリではそこから48組を抽出し、かるたとして楽しめるように作られています。
「一を聞いて十を知る」「石の上にも三年」などのことわざや、「富士には月見草がよく似合う」(太宰治『富嶽百景』より)など名著の引用はもちろん、「玉屋鍵屋」(花火のかけ声)、「でんでらりゅうばでてくるばってん」(長崎のわらべ歌)……と、生活感漂うものも取り上げられているのが面白いところ。広い視野で選ばれた“遊べる日本語”に接するうちに、この国の言葉が持つリズム感や文法の面白さが、自然と身体にしみてくるのではないでしょうか。各札の文については、解説も見られるようになっています。
もうひとつ画期的なのが、複数人で同時にできるということ。「かるたなんだから当たり前」と言えばそれまでですが、ひとつのiPadを最大4人が囲んでウンウン考える図というのも、なかなか見ない光景ではあります。特別な感じがして、子どもたちも一層わくわくするのでは。
そのほか、ひらがななぞり書きのコーナーや過去テレビ放映分が見られるコーナーも。お値段のわりにめいっぱい楽しめ、お財布にも充実感があります。