陰山教授が提案「子どもの将来のために親ができる3つのこと」

 立命館大学の陰山英男教授が監修した「就学目前&小学校低学年の子を持つ母親の『教育』に関する調査」によると、受験に向けた学力向上よりも「社会を生き抜く力」を重視する母親が9割にのぼることが明らかになった。

教育・受験 学習
教育における重視点
  • 教育における重視点
  • 教育方針に関する重視点
  • 自分の行っている教育に自信があるか
  • 「社会を生き抜く力」重視派の「重視」と「不安」について
 「早寝早起き朝ご飯」「百ます計算」などを提唱する、立命館大学の陰山英男教授が監修した「就学目前&小学校低学年の子を持つ母親の『教育』に関する調査」によると、受験に向けた学力向上よりも「社会を生き抜く力」を重視する母親が9割にのぼることが明らかになった。

 同調査は、親たちの考え方を調べるため、マーケティング&リサーチ会社のシタシオンジャパンが1月19日と20日に関東の1都3県と名古屋、大阪の幼稚園年長~小学校4年生の子を持つ母親1,500名を対象としたインターネット調査を実施した。

 子どもの教育において重視している点は、「社会を生き抜く力」(93.7%)が最多となり、「勉強ができる・受験に勝ち抜く力」はわずか6.3%であった。さらに教育方針に関する重視点では、「面倒くさいことや難しいことでもあきらめない姿勢」(96.8%)や、「特定せず幅広い知識を身に付けさせること」(92.0%)といった社会を生き抜く力に関する項目が多く選ばれた。

 教育について自信を持っているか尋ねたところ、64.8%の母親が「自信がない」と回答。教育志向別で見ると、「勉強ができる、受験に勝ち抜く力」を重視する母親よりも、「社会を生き抜く力」を重視する母親ほど自分の行っている教育に自信がない傾向にあることがわかった。重視すべきことがはっきりしているものの、うまく教えられずに自信が持てないようだ。

 これらの調査結果を受け、陰山教授は「社会で生き抜く力」につながる3つのポイントを提案。1つ目は「目標設定力」。社会に出てから絶え間ない努力をするために目標設定をする力が重要とし、この力を養うためには子どもの頃から夢やあこがれを抱くことを習慣にすべきという。

 2つ目は「本質を見抜く理解力」。一定時間の中で多くのタスクをこなすためには、本質に特化して取組み、限られた時間の中で高いパフォーマンスを出す必要がある。そのために、低学年のうちの情報分析力、問題解決力づくりが重要という。

 3つ目は「学び続ける姿勢」。社会を生き抜くためには、次の時代の環境に対応できる力を身に付けなければならない。学び続ける姿勢を身につけるためには、規則正しい生活習慣が大切。その生活習慣の中で、毎日の短時間での集中した勉強が、学び続ける下地をつくるという。

 これら3つのポイントを育むための具体的な方法として、陰山教授は、「リビングの取り出しやすいところに百科事典や図鑑を用意すること」「図書館の有効活用と屋外学習」「リビングで行う連動&短時間集中学習」の3つを提案する。特に家庭学習は、親が子どもの勉強している姿を見守り、時に手助けしてあげることや、子どもが楽しんで取組める教材を使用することが大切としている。
《工藤めぐみ》

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