米国の大学図書館が教科書レンタルサービスを開始、学生の負担を軽減

 米国ペンシルベニア州にあるロバート・モリス大学は、同大学の図書館が大学の授業に必要な教科書をレンタルするサービスを開始したと発表。毎年約10万円にも上る学生の教科書購入費を削減することが目的だという。

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 米国ペンシルベニア州にあるロバート・モリス大学図書館は、大学の授業に必要な教科書をレンタルするサービスを開始したと発表。1人当たり毎年約10万円にも上る学生の教科書購入費を削減することが目的だという。

 同大学で数学を学ぶジェフ・シウィック氏は、数学の教科書を購入するため毎学期約500ドル(約48,000円)支払っているという。シウィック氏が同大学内で行った調査によると、学生1人当たりの教科書費は平均約1,000ドル(約9,5000円)。また、調査に参加した学生の14%が経済的理由で教科書を購入することができず大学を中途退学した友人をもっているということが明らかになった。

 これらの結果を踏まえロバート・モリス大学の図書館は、約10,500ドル(約100万円)で170冊の教科書を購入。すでに850名の学生がこれらの教科書を活用してるという。

 同様のサービスは、テキサス大学サンアントニオ校や、パトリック・ヘンリー大学でも実施されているようだ。大学図書館の書籍検索ページには、学部・科目・教員別に教科書を検索することが可能になっており、希望する教科書を事前予約し、数時間単位で利用することができる。

 ロバート・モリス大学によると、教科書のレンタルサービスを開始したことで、同大学の学生1人当たり年間約6万円の出費を抑えることに成功したという。教科書購入の負担を減らすことで、経済的理由による中途退学者を削減することに力を入れるという。

 海外の多くの大学では、複数の授業で重複して推薦されている書籍に関し、数時間単位に限定して貸し出している図書館が多い。ニーズの高い書籍を、できるだけ多くの学生や教員が利用できるよう配慮した対策だ。

 ロバート・モリス大学などで導入された今回の教科書レンタルサービスは、推薦図書で実施されている対策を授業に必須とされる教科書に適応したモデル。少ない教科書を多くの学生が利用することで、学生の出費は減るだろう。その一方で、期末試験時期など、学期を通した復習が必要な場合など、図書館側がどのように対応しているのか、気になるところだ。
《湯浅大資》

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