自転車保険に手軽さと充実度を…「あったらいいな」を商品に反映、au損保

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au損保の柳保幸専務取締役
  • au損保の柳保幸専務取締役
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 自転車事故の増加、子どもの事故に伴う親の賠償責任、運転に関する道路交通法の改正など、子どもや保護者が日常的に活用する自転車を巡る法的環境が変化している。環境の変化とユーザーのニーズを考慮し、これまで携帯電話を活用することで手軽な自転車保険を提供してきたau損害保険も商品の見直しに踏み切った。今求められている自転車保険とは何か、au損保の柳保幸専務取締役に聞いた。

 自転車保険の先駆者として「100円自転車プラン」を提供してきたau損保が新しい商品ブランド「あ・う・て」をスタートさせた。「あんしん」、「うれしい」、「ていねい」を掲げる新ブランドは、「安心できる保険をていねいにお届けし、お客さまに嬉しいと感じていただきたい」と柳氏は語る。

 新ブランドの立ち上げと、自転車事故重視の保険販売に踏み切った背景には、同社が以前から抱いていた問題意識があったと柳氏はいう。そのひとつは、現状にマッチした自転車保険が提供されていなかったという懸念。交通事故発生件数を見ると、全体の件数は減っているのに、自転車関連事故の割合は増えており、中でも自転車対歩行者の事故が増えてきているという。このような状況にあるにも関わらず、自転車は歩行者の延長線上であるという認識が高く、自転車保険は傷害保険のオプションのように扱われていたと柳氏は話す。

 もうひとつの理由は、比較的高価で高性能の自転車や、子どもを乗せる母親層の評価が高い電動アシスト付き自転車が人気を高め、歩行者にとって危険性の高い自転車が増えていることだという。健康やエコといった観点から自転車ユーザーが増える中、社会的なルールやマナーが浸透していないという問題が大きいようだ。

 こうした自転車を取り巻く状況の変化に対し、これまでau損保が提供してきた「100円自転車プラン」で補償は十分なのだろうかという疑問があったと柳氏はいう。携帯電話の通話料とあわせて代金を決済する「キャリア決済」を導入したのは画期的だったものの、当初auのみしか対応していなかった面も懸念材料であったようだ。

 そこで、日常的に自転車に乗っている人、自転車に乗る子どもを持つ保護者、自転車を趣味としている人、自転車で通勤をしている人、自転車販売店、自転車事故をなくすために尽力している自治体や警察などにヒヤリングを重ね、半年以上かけて商品化したのが新商品あ・う・て「じてんしゃ Bycle(バイクル)」だという。ヒヤリングで集めたさまざまな声は、自転車事故の場合は保険金2倍、示談代行、自転車ロードサービス、賠償責任最大1億円、子どもから74歳までの同居の家族も対象となる家族タイプの用意といった補償内容に反映したと柳氏は語る。

 「あ・う・て」の自転車保険商品「じてんしゃ Bycle(バイクル)」は、特に充実した補償内容の自転車保険となっているという。交通事故や日常生活での事故を対象とするスタンダードな傷害保険ながら、自転車事故の場合は保険金を2倍に、万が一、事故の加害者となった場合は示談代行サービスの提供、年2回まで無料で受けることが可能な自転車ロードサービスもセットされている。柳氏は、自転車ユーザーの「こういう保険があったらいいな」、「こんなサービスがついていたらいいな」を実現したプランになるよう心がけたと話す。

 それでもやはり事故は起こらないほうがよい。そのため同社では、自転車利用のルール・マナーの浸透を図り、自転車事故撲滅にも積極的に取り組んでいるという。2013年7月、自転車で走行中に女性にぶつかり、意識不明とさせる事故を起こした加害児童の母親に対し、9,500万円以上の賠償命令が出された判決は記憶に新しいと危機感を促す。子どもに自転車ルールの教育を怠ったという裁判所の判断は、特に子どもを持つ親にとって大きな不安となっただろうと柳氏はいう。

 そこで同社では、京都府をはじめとする4府都県が制定した自転車に関する条例やマナーの周知を支援、公立学校を中心に、自治体と協力してチラシを作成し配布していく。また、ルールやマナーの浸透を、スマートフォンを通じてサポートする無料のアプリの提供もしているという。自転車のルールやマナーが読めるだけではなく、家族全員の自転車の防犯登録情報を写真付きで保存する機能や、ロードサービスとGPSの連動といった機能など、日々の自転車との生活を総合的にサポートする内容となっている。ルールやマナーを子どもに教えるために、人気のキャラクターを使って楽しく学べるような工夫もされているという。

 保険商品の充実化、自転車ルールやマナーの浸透両方に注力するau損保は、保険の支払い方法も従来のauの枠組みを超え、au以外のスマートフォンやパソコンからでも申し込みできるよう展開する。示談代行サービスや自転車のロードサービスなど、これまでの自転車保険にはなかったサービスが、どのようにユーザーに活用されるのか、注目が集まる。
《鈴木良子》

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