大学改革の効果が反映、私立志向やや向上…進学ブランド力調査2014

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リクルート進学総研 所長 小林浩氏
  • リクルート進学総研 所長 小林浩氏
  • リクルート進学総研 研究員 牧田綾子氏
  • 関東・東海・関西エリアの「志願したい大学ランキング」
  • 関東・東海・関西エリアの「知っている大学ランキング」
  • 関東・東海・関西エリアの「大学のイメージランキング」
 リクルート進学総研は7月17日、全国の高校3年生が志願したい大学のランキング、および認知度、イメージに関するアンケート調査「進学ブランド力調査2014」を発表した。アンケートは、関東エリア、東海エリア、関西エリアと3エリアごとに集計が行われた。

 志願したい大学のランキングは以下のとおり(かっこ内は昨年順位)。

◆関東エリア:
1位:明治大学(1)
2位:早稲田大学(2)
3位:青山学院大学(3)

◆東海エリア
1位:名城大学(2)
2位:名古屋大学(1)
3位:中京大学(4)

◆関西エリア:
1位:関西大学(1)
2位:近畿大学(2)
3位:関西学院大学(3)

 どのエリアも上位に昨年から大きな変動はないが、従来から国公立志向が高かった東海エリアで私学の名城大学が1位になったのはリーマンショックの2009年以降では初めてとなる。国公立・私立志向の調査では、関東エリアが国公立志向が34.4%、私立志向が53.9%、東海エリアで同前53.8%と34.7%、関西エリアで同前43.1%、44.9%という結果になっている。

 集計は、各エリアについて、全体・男女別・文理別でも行われている。関東エリアで、それぞれトップ20にランクインしている国公立大学は女子3校、男子7校、文系4校、理系9校と、男子、理系に国公立志向が強い。関東エリアで5ランク以上順位を上げてトップ20に入った大学は、全体で東京農業大学(27位から20位)、男子で首都大学東京(21位から13位)、女子で成蹊大学(25位から16位)、文系で國學院大學(32位から15位)、理系で首都大学東京(14位から7位)、東京農業大学(16位から11位)となっている。

 東海エリアでは、昨年同様に国公立が9校トップ20にランクインしている。これは3エリア中最多のランクインである。また、男子(11校)、理系(13校)と国公立校が強いのは関東エリアと同じ傾向である。5ランク以上上がった大学は、男子で京都大学(24位から19位)、女子で岐阜大学(10位から5位)、三重大学(15位から7位)、文系で岐阜大学(20位から15位)、理系は愛知教育大学(18位から9位)、京都大学(22位から13位)、千葉大学(33位から17位)、浜松医科大学(22位から17位)、鈴鹿医療科学大学(33位から19位)と多い。

 関西エリアでランクインしている国公立大学は、昨年より1校増えて8校となった。5ランク以上順位を上げた大学をみていくと、全体では和歌山大学(22位から14位)、男子で和歌山大学(20位から14位)、関西外国語大学(25位から18位)、女子で立命館大学(10位から5位)、神戸市外国語大学(26位から19位)、文系では和歌山大学(22位から16位)、追手門学院大学(27位から19位)、四天王寺大学(42位から20位)、理系では関西学院大学(17位から11位)、龍谷大学(22位から13位)、和歌山大学(25位から13位)となっている。和歌山大学がどの分野でもランクアップしているのは、新しい駅ができ、大阪からの通学が便利になったことが影響しているとみられる。

 発表を行ったリクルート進学総研 所長 小林浩氏は、今回の結果について「ランキングを上げてきた大学の多くは、キャンパス移転、学部・学科の新設など大学改革がよい影響を与えたものと思われる。東海エリアで1位になった名城大学はナゴヤドーム前キャンパスや外国語学部の新設を検討している。2015年に農学部を新設予定の龍谷大学もランクアップしている。」と分析した。また、イメージ項目の調査で関東エリアで「国際的なセンスが身につく」大学として1位になった上智大学も総合グローバル学科を新設している。

 そのほか、景気の回復基調を反映して、昨年より私立志向がやや高まっているという。ランキング入りしている国公立校数に大きな変動はないが、順位を下げた国公立大学が目立つからだ。2008年と2014年の志願傾向を比較すると、法律、政治、経済といった従来人気だった学部はあまり人気がなくなり、理工系の人気が高まっている(理高文低)。特に資格に直結する看護、教育・保育の人気も高いとする。

 東京農大のランクアップや龍谷大学の例のように、農業もひとつキーポイントとなっている。これは、バイオ、生命工学、環境工学への関心の高まりのほかTPPによる農業自由化の動きも関係しているのではないか(小林氏)とのことだ。研究員の牧田綾子氏は、「もやしもん、銀の匙など、マンガや出版物(媒体)の影響も考えらえる。」と補足した。

 小林氏は、「大学の認知度や高校生の評価は、校舎の改装、新築、移転、学部や学科の新設など、10年、15年と長期的な戦略によってもたらされるものだが、同時にそれを適切に学生に伝えることも重要である。」とした。一例として、6年連続で関東エリアで志願したい大学の1位に選ばれている明治大学の、リバティタワーの建設、立て看板の撤去などキャンパス改革を成功させ、中野の新校舎建設を挙げた。

 その明治大学だが、一部で騒ぎとなったサークルの不祥事の影響は今後でるのかという記者からの質問には、「影響は正直なところわからないが、それほど大きくないのではないか。」との見解を示した。

 明治大学は、イメージ項目の「おしゃれな大学」でも3位に選ばれるなど、今の世代の若者から高い支持を得ているが、今後はその人気が学校の校風や秩序に悪い影響を与えないような取組みも必要になってくるのかもしれない。

 なお、今回の調査は、リクルートが運営する進路・進学サービスの利用者、会員のうち、2015年3月に高校卒業を予定している人を対象に、郵送で調査票を送り回収する方法で行われた。有効回答数は10,866名。調査は2014年4月に行われている。
《中尾真二》

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