国連・EF主催のサマースクールに早稲田大学生が参加、世界で活躍する学生とは

 国連機関のUNAOCと語学学校EFがニューヨーク州で行ったサマースクールに早稲田大学の梅澤直人さんが参加した。次世代のリーダーとして国際的に期待されている75名の中の1人として参加している梅澤さんに、これまでの経歴や参加目的について聞いた。

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very50での活動を紹介する梅澤さん
  • very50での活動を紹介する梅澤さん
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  • 参加者の活動内容に耳を傾ける
  • サマースクールでは、ニューヨークの市内見学も行われた
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 国際連合「文明の同盟」(UNAOC)と語学学校EFがニューヨーク州で行ったサマースクールに早稲田大学の梅澤直人さんが参加した。次世代のリーダーとして国際的に期待されている75名の中の1人として参加している梅澤さんに、これまでの経歴や参加目的について聞いた。

--イスラエル、ドイツ、ミャンマーとさまざまな国で留学やインターンを経験されています。国外に目を向けたきっかけを教えてください。

梅澤さん:留学には高校生の時から行きたいと思っていましたが、両親の説得なども必要で実現しませんでした。ただ、留学したいという気持ちは変わらなかったので、1年間の海外留学が必修の早稲田大学国際教養学部に進学し、2年生の後半からイスラエルのハイファ大学に留学しました。

--留学先としてイスラエルを選んだ理由を教えてください。

梅澤さん:まず、今後行く可能性の高い国は留学先として避けたかったということと、そしてほかの学生が行っていない国に行きたかったということがありました。せっかくの留学でしたので、旅行などではなかなか行く機会のない国に行きたいと思っていました。

 また、中東の紛争に興味を持っていたので、一番興味がある勉強ができる場所と、ほかの学生が行っていないところを考えてイスラエルのハイファ大学にしました。

--イスラエル留学時からさまざまな活動に参加されるようになりましたね

梅澤さん:そうですね、イスラエルとアジアを繋ぐ次世代のリーダーを育成するためのプログラム「イスラエル・アジア リーダーフェローシップ」に日本代表として参加しました。その後、2012-13年には大学を1年間休学し、ドイツのコンサルティング会社KPMG Advisory AGでインターンとして働きました。

 そのほか、ミャンマーのProject Hub Yangonという起業支援団体や、Development SolutionsというモンゴルのNGOでも活動してきました。現在は、早稲田大学に通いながら、日本のNPO「very50」でインターンをしています。

--very50の活動について教えてください。

梅澤さん:very50は、アジア新興国が抱えているさまざまな問題の解決に挑むプロジェクトで、日本から学生や社会人からなるチームを新興国に派遣し、現地の社会事業家のコンサルティングを行っています。既に9か国で14名の社会事業家とともに22のプロジェクトを実施しています。

--海外でさまざまな活動を続けてきた梅澤さんが、今回のサマースクールに応募した理由は何ですか。

梅澤さん:世界各国の参加者と触れ合い、それぞれの活動や直面している課題に対する考えを知りたいと思ったからです。ネットワーク作りはもちろんですが、異なる場所でさまざまな社会問題に取り組んでいる人たちと一緒に時間を過ごすことで、新たな発見があるのではないかと期待しました。

 また、サマースクールのプログラム内容にも興味を持ちました。ハーバード大学の先生が教える交渉術のセミナーや、コロンビア大学の先生の「世界市民」に関するセミナーなど、新たなスキルを身につけることができるよい機会だと感じました。

--サマースクールの参加者75名は、応募者約10万人の中から選ばれました。梅澤さんが選ばれた理由はどこにあると思いますか。

梅澤さん:選ばれた理由のひとつは経験だと思います。海外でのインターンや、フェローシップなど、これまで数々のプログラムに応募してきました。こういった企画への応募経験が豊富であれば、主催者が求める参加者像を理解し、そこに合わせて自分自身を紹介することができます。言い換えれば、経験を通じて受かるためのノウハウを持っているということだと思います。

 私は、履歴書などのテンプレートを用意しており、応募先に合わせて内容を修正するようにしています。テンプレートができていれば、応募にも時間がかかりません。また、選ばれなくても失うものは何もないと、割り切ってもいます。選ばれればもちろん嬉しいのですが、大学やvery50での活動もありますし、選ばれなくても困るわけではないというメンタリティーでいられるよう心がけています。

--卒業後の予定についてお聞かせください。

梅澤さん:国内での就職を考えていなかったわけではないのですが、既に就職をした友人たちを見ていると、就職後の自分の生活が想像できてしまい少し抵抗を感じています。

 これまで留学やインターン、こういったイベントで作ってきたネットワークがあるので、仕事のことについては卒業後に考えようと思っています。インターンに行ったミャンマーの団体からは仕事の話も頂いていますし、自分が興味を持っていること、これまで力を注いできたことを活かせるところで働きたいと思います。

--ありがとうございました。

 サマースクール中の梅澤さんは、現役の大学生とは思えないほど自信に満ちた表情でほかの参加者とともに学んでいた。英語でのコミュニケーション能力はもちろんだが、インターンや留学といったこれまでの経験が梅澤さんの発言ひとつひとつに説得力を持たせているようだった。国際問題に取組む活動家の1人として卒業後の活躍が期待される。
《湯浅大資》

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