ユニセフ、紛争下の子どもたちへの教育支援も資金不足に直面

ユニセフ本部(ニューヨーク)は、世界各地で新学期が始まる9月、紛争や危機下にある地域では、何百万もの子どもたちの「教育を受ける権利」は奪われたままだと、警鐘を鳴らしている。

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ノートや学用品などの支援物資を受け取った戦闘で避難している子ども。(南スーダン)
  • ノートや学用品などの支援物資を受け取った戦闘で避難している子ども。(南スーダン)
  • シリア難民のためのテントの学校に登校する女の子(イラク)
 ユニセフ本部(ニューヨーク)は、世界各地で新学期が始まる9月、紛争や危機下にある地域では、何百万もの子どもたちの「教育を受ける権利」は奪われたままだと、警鐘を鳴らしている。

 ユニセフによると、世界で小学校に通えていない子どもは約5,700万人。現在、紛争下にある中央アフリカでは、3分の1の学校が銃撃、焼き討ち、略奪、武装集団による占拠に遭っている。またガザでは、30万人以上が避難生活を送り、100校以上が避難所として使われたため修復が必要となっている。これら、緊急事態下や紛争下の地域では、学校は攻撃の対象となるため、およそ3,000万人の子どもたちが学校に通えていない。また、エボラ出血熱の感染が続くリベリアとシエラレオネでは、少なくとも今年末まで小中学校が休校する見込みで、350万人以上の子どもたちが学校に通えないという。

 ユニセフでは、このような危機下でも、子どもたちの学習機会を維持するために、緊急下の教育支援を実施。仮設教室や避難民や難民の子どもたちのために学習スペースを設置するほか、ノートや通学かばん、その他の学用品などを何百万人もの子どもたちに提供している。

 緊急下での教育プログラムは重要であるものの、深刻な資金難に直面しているという。昨年、ユニセフが世界中で支援した緊急下での教育プログラム資金は、人道支援のために寄せられた資金のうち、わずか2%で、2億4,700万ドル(約262億円)の資金が不足したという。

 ユニセフでは、子どもたちの「教育を受ける権利」を維持するため、世界に協力を呼びかけている。
《水野こずえ》

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