太いシャープペンが流行…トメ、ハネ、ハライをきちんと表現

 小学生のために開発された0.9mmと1.3mmのシャープペンシルをきっかけに、太い芯のシャープペンシルが流行っています。子どもから大人まで、好みや用途に合わせて芯の太さを選べます。

教育・受験 学習
0.5mmから1.3mm
  • 0.5mmから1.3mm
  • キャンパスジュニアペンシル
  • 正しい持ち方のために六角軸
  • トメ、ハネ、ハライの比較
  • マークシートも素早く塗りつぶせます
  • 最新の0.7mm鉛筆シャープ
 最近、シャープペンシルがブームです。

 芯の先が丸くならないシャープペンシルや、折れにくいシャープペンシルなど、お店でも、大きな売り場を占めているのをよく見かけます。

 そんな中、あっと驚くような新しい機能があるわけでもないのに、静かに流行っているシャープペンシルがあります。

 スタートは、小学生向けのシャープペンシルでした。

◆小学校でシャープペンシル禁止の謎!?

 小学校では、シャープペンシルの使用が禁止されていることが多く、小学生の保護者の方に聞いたところ、約60%の方から「学校で禁止されている」との回答がありました(2010年5月コクヨS&T調べ)。なぜ禁止されているかについては、「子どもは筆圧が高く、シャープペンシルの芯が折れやすい」というのが一般的な理由として知られています。

 しかし、実は、もっと日本語ならではの理由があったのです。

 それは、漢字のトメ、ハネ、ハライです。日本で一般的な0.5mmのシャープペンシルだと、このトメ、ハネ、ハライがきちんと表現しにくいということも、小学校でシャープペンシルが禁止されている理由だそうです。

◆でもやっぱりシャープペンシル

 こういった理由で、学校での使用を禁じられがちなシャープペンシルですが、鉛筆削り不要、削りカスが出ない、本数をたくさん持たなくてもいいなど、シャープペンシルならではの良さがたくさんあります。

 実際、学校での使用に限らなければ、小学生のシャープペンシル使用率は、鉛筆との併用を含めると40%を軽く越えます。(2010年5月コクヨS&T調べ)

 シャープペンシルを使いたいけど使えない、そんな小学生のためのシャープペンシルとして、2011年に登場したのが、キャンパスジュニアペンシルです。

 キャンパスジュニアペンシルには、新しい技術が盛り込まれているわけではありません。最大の特徴は、「太い芯」を採用したことです。高い筆圧でも折れにくく、なおかつ、トメ、ハネ、ハライも表現できるのが、太芯シャープペンシルだったのです。

◆プロが使うには訳がある

 0.9mmや1.3mmのシャープペンシルは、製図やデザインをする方、あるいは、新聞記者など書くことのプロとして仕事をされている方たちに昔から使われています。

 製図やデザインの現場では、その線の太さ、字の濃さなどが自由になることから支持されていました。

 一方、新聞記者はというと、取材現場でがんがん書いても折れない、文字が太くてはっきり見えるということで、支持されているのだと思います。

 つまり、太い芯は、折れにくくて、濃さや太さを自由にコントロールしやすい。

 そこで、キャンパスジュニアペンシルでは、低学年用に1.3mm、高学年用に0.9mmの2種類の太さが用意されました。シャープペンシルというと、丸型の軸が一般的ですが、筆記具の正しい持ち方を身につけられるように、鉛筆と同じ六角形の軸に、エラストマー樹脂(弾力ゴム)をコーティングしたソフトグリップの仕上がりです。

 小学生が使えるシャープペンシルというコンセプトの評価は高く、小学館の小学一年生の付録としても採用されるほどでした。

 製図用のシャープペンシルが、500円以上するのが一般的なのに対して、キャンパスジュニアペンシルは150円(税抜き)という買い求めやすい価格もあり、販売は好調に推移します。

◆小学生から大人へ

 小学生用に開発されたキャンパスジュニアペンシルですが、その後、ラインアップがどんどん拡大しました。

 まずは、答え合わせをしたりするとき用に「赤芯タイプ」。太芯だからすばやく塗りつぶせるということで、消しゴムとセットになった「マークシート最適セット」。

 そして、キャンパスジュニアペンシルの人気に、社会人からの大人向けのデザインも欲しいという声に答えて、2012年2月「鉛筆シャープ」が登場します。

 ポップな色から、落ち着いた色へ変更。同時に、書くときの安定感を重視して三角軸を採用しました。

 その後、クリップ付きや、限定柄や限定カラーの鉛筆シャープが次々登場し、累計売り上げ本数は340万本になります(2015年5月現在)。

◆用途で使い分ける時代

 一方、シャープペンシルで書かれる側のノート。ノートは、A罫(7mm)、B罫(6mm)の罫線が一般的です。この罫線内に書くとなると、太すぎると字が大きくなり、罫線からはみ出してしまう可能性があります。

 そこで、ノートをたくさん書くといえば、やっぱり中高生。ということで、104名の中高生に0.7mmを試してもらったところ、折れにくくて、なめらかに書ける、そしてはみ出す心配もないということで、大変好評。これを受けて2015年7月、最新モデル0.7mmの鉛筆シャープが登場しました。

・1.3mmは、太い芯を活かして、イラストやデッサン、そしてマークシート塗りつぶしに最適。
・0.9mmは、くっきり、はっきり、さらさら書けて、アイデア出しやメモ書きに。
・0.7mmは、少し太めで折れにくく、でも字が大きくなりすぎず、罫線内にしっかりおさまるので、ノートの筆記に。

 シャープペンシルも、用途で使い分ける時代ですね。

太いシャープペンシルが流行…シャープペン禁止の小学生から大人へ

《inspi編集部》

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