試験直後の後悔感情が次の試験勉強でのやる気に…京大の研究成果

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手続きの概略
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  • 動機づけの自律性と後悔感情の時間的な関係性
 京都大学は11月28日、「後悔感情」と「自律的な動機づけ」との関連についての研究成果をホームページに掲載。高校生を対象に実施した調査から、試験直後に「もっと勉強しておけばよかった」と強く思うほど、次の試験勉強でのやる気が高いことがわかった。

 心理学における「動機づけ」とは一般に「やる気」といわれるものを示す概念。始めは統制的動機づけ(やらされているからやっている)からの活動であっても、その活動の価値を認めることで、自律的動機づけ(自ら選んでやっている)になると考えられている。同大の楠見孝教育学研究科教授と後藤崇志同博士課程学生は、このような「内在化」と呼ばれる心理プロセスに後悔感情が関与していると考え、県立高校1年生320名を対象に質問紙による調査を実施した。

 質問紙では、定期考査の1週間前に試験勉強への動機づけを、定期考査の1週間後と8週間後には「もっと勉強しておけばよかった」という勉強後悔と「もっと自分の楽しめることをしておけばよかった」という楽しみ後悔をどのくらい感じているかを尋ねた。その後は次の定期考査の1週間前に、再度試験勉強への動機づけを尋ねた。

 その結果、試験の直後の勉強後悔が強いほど、次の試験勉強での自律的な動機づけが高かったという。また、統制的な動機づけが高い人ほど試験直後の勉強後悔が強い傾向が見られた。一方で、試験から8週間後の調査の際に楽しみ後悔が強いほど、次の試験勉強での自律的な動機づけが低かった。これらのことから、自律的な動機づけの獲得に寄与するのは、出来事の直後に生じる後悔であるという結果が得られた。

 教授らは今後の研究で、「自律的な動機づけの獲得に関わる心理プロセスの理解を深め、人に備わっている成長傾向をうまくサポートできるような教育方策につなげることを目指したい」とコメントしている。
《黄金崎綾乃》

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