スマート教育の実現に向けて~DiTTビジョン発表~… DiTT6/15

 6月15日(月)に、慶應義塾大学 三田キャンパスで開催されたデジタル教科書教材協議会(以下、DiTT)シンポジウム「スマート教育の実現に向けて~DiTTビジョン発表~」には、約130名が参加した。

教育ICT その他
シンポジウムのもよう
  • シンポジウムのもよう
  • 南俊行氏(総務省 政策統括官 情報通信担当)
  • 豊嶋基暢氏(文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課長)
  • 新井健一氏(ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所 理事長)
  • 片岡靖氏(DiTT参与 一般社団法人日本教育情報化振興会)
  • 中村伊知哉氏(DiTT事務局長、慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
  • 石戸奈々子氏(DiTT理事、NPO法人CANVAS理事長)
 その後のパネルディスカッションでは、DiTTが「教育情報化推進法の制定」を提言。法制化実現のために、今後何を検討すべきか、意見交換をした。

 パネラーとして登壇したのは、新井健一氏(ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所 理事長)、豊嶋基暢氏(文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課長)、南俊行氏(総務省 政策統括官 情報通信担当)、片岡靖氏(DiTT参与 一般社団法人日本教育情報化振興会)、中村伊知哉氏(DiTT事務局長、慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)、石戸奈々子氏(DiTT理事、NPO法人CANVAS理事長)。

◆ICTの世界は、スマート化を経て脱スマート化に?

石戸氏:これまでのDiTTの取組みについて報告をお願いします。

片岡氏:DiTTでは、(1)コンテンツ(小中の全教科書をデジタル教科書に)、(2)ハード(1人1台端末)、(3)ネットワーク(無線LAN100%)を目標に、先導事例の紹介、シンポジウムや勉強会の開催、政策提言などを行ってきた。2010年の発足当初には、夢のまた夢だったが、来年、再来年の小中の教科書改訂を見据え、各社からデジタルコンテンツも出揃ってきた。ハード面でも、塾や通信教育では1人1台端末が当たり前の状況。無線LAN環境はまだ4校に1校の普及率と寂しい状況だが、国も2014年に「世界最先端IT国家創造宣言」を閣議決定し、教育のみならず、ITの利活用は広がっていくだろう。DiTTとしてもまだできることがあると考えている。

中村氏:南さん、豊嶋さんの報告を聞いて、国もここまで進めているのかと勇気づけられた。BYOD、クラウド、SNS、プラットフォーム、標準化、オープン化など、5年前には考えられなかったキーワードも出てきた。民間ももっと頑張らなければと気を引き締めている。DiTTは、「1人1台端末」「無線LAN」「全教科デジタル教科書」を掲げてきたが、この5年間で状況は激変し、「マルチデバイス」「クラウドネットワーク」「ソーシャルメディア」からなるスマート化に進化。そしてさらに「ウェアラブル」「IoT(ものの情報化)/ロボティクス/インテリジェント」など、「脱スマート」と呼ぶべき進化を見せようとしている。しかし、日本の教育現場はまだ「スマート化」にも対応できていない。これ以上の遅れは許されない。そこで、DiTTでは今回、「教育情報化推進法の制定」を提言する。今後、ワーキンググループを作って具体的にどのような法案にすべきか議論していきたい。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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