◆国内外の受賞者の想い 審査員特別賞においては、フィリピンやスロバキア、スペインなどの海外からの応募者をはじめ、国内応募者も受賞。茂木健一郎賞を受賞した東京電機大学松浦研究室の松浦氏と制作に関わった学生も登壇し、いしかわこうじ氏より表彰された。 Flying Cat賞には、一般の応募者である「SakiMurakami」氏の「sakirythm」が受賞。普段はゲームデザイナーとして働くかたわら個人でイラストレーターとして活動をしている「SakiMUrakami」さんは、自身の作品を絵本として発表してみたいという思いをツールを通して実現できたと語り、受賞への喜びを述べた。 特別賞には、戸田芳裕氏の「ZooZooZoo」、スウェーデンのアプリメーカー「TocaBoca」による「TocaLife:City」が受賞。登壇したTocaBoca日本代表の大竹氏は、全世界で8,500万ダウンロードを記録している現状を述べ、今後について「日本の子どもたちのために尽力していく」とコメントした。 準グランプリには、昨年も入賞を果たしたSagoSago(カナダ)「SagoMini RoadTrip」と、イギリスのCowlyOwl「MonsterMingle」が受賞。SagoSagoからはアプリの世界観を伝えるアニメーションを交えたビデオメッセージが放映された。◆グランプリ受賞作はクックパッド×面白法人カヤック グランプリを受賞した「ダンボッコキッチン」は、クックパッドと面白法人カヤックとのコラボレーションで制作された作品。段ボール製のフライパン、鍋、まな板のキットにスマートフォンをはめ込んで使用し、フライパンを振ると米粒が飛んだり、鍋のふたを開けると湯気が出たりと、リアルな料理の操作感が楽しめる新しい「おままごと」を体験することができる。登壇した堀口育代氏は、「子どもたちが目や身体でいっぱい感じて、楽しく親子の時間を過ごせれば」と、制作への思いを語った。 最後に、審査員それぞれが総評を語った。これまでの開催を振り返り、海外からの応募の増加や「デジタルえほん」としての新しい表現の可能性に対するコメントが多い中、香山氏は、他のコンクールなどの応募作品にくらべて、自己表現ではなく子どもたちの視点にたって制作された作品が多いと指摘し、「デジタルの可能性だけでなく、人間と人間の関わり方の可能性のひとつ」として、「デジタルえほん」と本アワードの発展を願うと語った。 受賞作品は、近日デジタルえほんアワードのオフィシャルサイトに掲載される。