「エレン先生」誕生秘話や教科書に込めた思い…東京書籍・電柱棒氏インタビュー

 東京書籍は4月13日、新しく起用されたイラストがネットで話題を呼んでいる中学校英語用教科書「NEW HORIZON English Course」のキャラクターについてコメントを発表した。

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◆幼さの残るエレン先生の秘密…電柱棒氏に聞くキャラクター誕生秘話

 電柱棒氏によると、キャラクターを作成する際には東京書籍から「生徒たちが興味を持つようなキャラクターにしたい」との話を受けていた。しかし、あくまで教材にふさわしい範囲内で、という要望があったため、電柱棒氏は「いろいろと苦労した点」もあったと語る。たとえば、例のディーパは、「バンドをやっているということで初期段階ではもっとませた感じのデザインでしたが、刺激が強過ぎるということでNGになったり(笑)」したそうだ。

 また、ネットユーザの注目を引いた「エレン先生」についても試行錯誤のあとが見え、「ちょっと幼めなのは、この方が教師然とした感じよりも親しみがわくかな」という思いが込められており、「教師というよりは友達のお姉さんみたいな感覚を意識」して描いたという。

◆学習に引き込む工夫

 肝心のストーリーにも、ひと工夫が施された。1年生から3年生までの教科書を一連のシリーズとみなし、ストーリーに一貫性を持たせ、1年生で登場したキャラクターに関連する新登場人物が2、3年生の教科書で活躍するような展開を用いた。また、各単元のテーマには東京オリンピック・パラリンピックやハリー・ポッター、Skypeなども登場し、より現代の生徒になじみ深い話題が選ばれた。過去の登場人物の縁戚にあたる十余年ほど教壇に立つ教師の中には「あのキャラの親戚ではないのか」と懐かしくなるような仕掛けもあるという。

◆ストーリーとキャラでグローバル社会に興味を

 「NEW HORIZON English Course」の利用はまだ始まったばかり。話題の教科書が現場でどのように受け入れられているかを把握するため、東京書籍は今後、採用校の教員を対象に使い勝手や意見を聞くフィードバックの場を設ける予定。生徒の反応については、「中学生の皆さんが、教科書の紙面の中で生き生きとしたキャラクターが活躍するのを見て、もっともっと英語を学びたいという気持ちになり、またグローバル社会に生きる日本人として、日本の伝統・文化を世界に発信し、異文化への理解を深めていただけることを願っております」(東京書籍)とコメント。電柱棒氏も、「まだ実際に使われ始めたばかりなので現場での反応はどうなのかわからず不安ですが、このキャラクターを通じて子どもたちが英語に親しみを持ってくれればなと願っています」と期待を述べた。

 どういった教科書なのか気になる保護者も多いことだろう。もし、子どもが「NEW HORIZON」を利用しているのなら、一度一緒に見てみてはいかがだろうか。
《佐藤亜希》

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