二度あることは三度ある? 理研が恐怖体験と記憶のメカニズムを解明

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理化学研究所(理研)
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 二度あることは三度ある、とはよく言ったもの。二度あったことは必ずもう一度起こるということわざで、物事は繰り返し起こる傾向があるため、失敗を重ねないようにせよ、との意味もある。理化学研究所(理研)は5月24日、恐怖体験と記憶のメカニズムに関する新発見を発表した。

 街で知らない犬に突然襲われるような怖い体験をした場合、人間はその体験と出来事が起こったときの状況を強く結びつけて記憶する。同じ状況に再度遭遇すると、嫌悪、恐怖、不安、喜びなどの「情動」とよばれる記憶によって起こりうる結果を予測し、対応しようとするが、「二度はあっても三度はなかった場合」など、恐怖体験と記憶の結びつきが薄まると、恐怖を感じなくなる。このとき、ある現象Aが起こるとそれに伴って現象Bが起こることを「随伴性」と呼ぶが、現象Aが起こっても必ずしも現象Bが起こらないときは、「随伴性が低下する」という。

 「随伴性の低下」はこれまで詳細なメカニズムが解明されていなかったが、理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター記憶神経回路研究チームのジョシュア・ジョハンセンチームリーダーらの国際共同研究チームは、ラットの連合学習と手がかりの競合モデルを用い、このメカニズムを解明した。

 音や箱、電気ショックを用いた研究の結果、ラットは随伴性の低下を起こしながらも電気ショックによる「嫌な体験」を記憶していることがわかったほか、大脳辺縁系の一部である「扁桃体(へんとうたい)」で情報の曖昧さが計算・蓄積されることが明らかになった。理化学研究所は、この研究は「不安障害などの精神疾患の発症メカニズムの理解につながる」としている。

 詳細な研究手法や成果、研究背景や補足説明は理化学研究所Webサイトで公開されている。
《佐藤亜希》

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