国立大学の特色ある施設、文科省が2017年版事例集を公開

 文部科学省は平成30年2月26日、「国立大学等の特色ある施設2017」をWebサイトに公開した。平成24年度から刊行されている事例集で、今年度は「サステイナブル・キャンパスの形成」をテーマに、施設整備の取組みに関する事例をまとめている。

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 文部科学省は平成30年2月26日、「国立大学等の特色ある施設2017」をWebサイトに公開した。平成24年度から刊行されている事例集で、今年度は「サステイナブル・キャンパスの形成」をテーマに、施設整備の取組みに関する事例をまとめている。

 事例集「国立大学等の特色ある施設」は、国立大学等の施設整備の状況を広く関係者や関係機関に紹介するとともに、施設の質的向上に役立てることを目的に文部科学省が刊行している。平成30年度は「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」で重点整備のひとつとして示された「サステイナブル・キャンパスの形成」をテーマに作成。さらに、「キャンパス全体での省エネルギーの取組み」と「先進技術を活用した施設整備の取組み」という2つのテーマに分けて、各大学の事例を掲載している。

 「キャンパス全体での省エネルギーの取組み」では、東北大学や東京大学、大阪大学など14大学の事例を紹介。各大学が省エネルギー対策の財源の確保方策、エネルギーの使用状況や費用対効果の分析などに取り組んでいる。

 たとえば三重大学は、平成32年度までに2年度比でCO2削減量を30%削減することが目標。キャンパス全体に創エネ・蓄エネ・省エネ設備を導入し、総合制御するスマートキャンパス事業を実施。さらなるエネルギー使用量の削減のため、省エネ改修を進める仕組みとして「省エネ積立金制度」を導入している。

 「先進技術を活用した施設整備の取組み」では、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を目指した整備、LEEDやCASBEEなどの認証取得、大学教員や企業の協力を得て技術・設備等の導入などがある。取り組む大学には、東北大学の「エコラボ」、東京大学「21 KOMCEE West」、名古屋大学の「アジア法 交流館」、京都大学の「国際科学イノベーション棟」、立命館大学の「トリシア」が紹介されている。

 ZEBを目指した東京大学の「21 KOMCEE West」は、同大が掲げる「理想の教養教育の実現」を目指し、アクティブラーニングスタジオやオープンスペースなどを擁する一体型の総合教育棟。ZEBを目指した大学建築で、年間のエネルギー消費量を学内の建物平均に対して66%削減した実績がある。

 文部科学省は、各国立大学法人において、経営層が参画した省エネルギー対策等の企画・立案から実務担当者の技術力の向上まで、さまざまな方法で事例集を活用して、取組みを進めてほしいという。事例集はWebサイトに掲載されており、各大学の詳しい取組みが掲載されている。
《黄金崎綾乃》

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