「micro:bit(マイクロビット)」は、プログラミングができる小さなコンピューター。子どものプログラミング学習向けに作られたものだが、大人でも楽しめるギミックが満載。プログラミングもウェブブラウザでとてもカンタンにできるので、子どもといっしょに楽しんでみるのもいい。micro:bitをMacでプログラミングする方法を紹介しよう。micro:bitってなんですか? micro:bitは、イギリスの公共放送局BBCが中心になって開発された、プログラミング学習用のマイコンボード。イギリスでは、11~12歳の子どもたちに100万台が無償で配布された実績がある。 4×5センチ程度の小さなボード(基板)に、25個のLED、2個のスイッチのほか、温度センサー、加速度センサー、磁力センサー(コンパス)、光センサーが組み込まれている。また、無線通信機能として、BLE(Bluetooth Low Energy)も搭載されている。 これだけ機能が盛りだくさんで、価格は2000円程度。マイコンプログラミングをちょっと楽しんでみるには、ぴったりなアイテムなのだ。表面にはAとBの2つのボタンがあり、中央に5×5(計25個)のLEDが並んでいる。下部の金属部分は、電源をつないだり、各種信号をやり取りできるコネクターになっている裏面には、チップが配置されている。ボードの上部にマイクロUSB端子、リセットボタン、電源端子が並ぶ実際にプログラムを作ってみよう micro:bitのプログラミングは、ウェブブラウザでおこなう。「どういうこと?」と思われるかもしれないが、プログラミングのためのツール(エディター)が、ウェブのサービスとして作られているからなのだ。プログラムが完成したらダウンロードして、micro:bitに転送する仕組みになっている。さっそくSafariでエディターにアクセスしてみよう。micro:bitのエディターサイト(https://makecode.microbit.org) エディターは、大きく3つのエリアに分かれている。右のエリアがプログラミングを行う場所で、中央のエリアからプログラムの部品(ブロック)をドラッグ&ドロップで配置していく。左のmicro:bitの絵が表示されているエリアは、シミュレーターになっていて、右のエリアで作ったプログラムを実行してみることができる。 さっそく簡単なプログラムを作ってみよう。ボタンAを押すと、LEDにハートマークを表示するというものだ。中央エリアの「入力」をクリックすると表示されるブロックから、「ボタンAが押されたとき」というブロックを右のエリアにドラッグ&ドロップ中央エリアの「基本」をクリックして、表示されたブロックから、「アイコンを表示」というブロックを右のエリアにドラッグ&ドロップして、「ボタンAが押されたとき」ブロックと組み合わせるプログラムの完成。シミュレーターのAボタンをクリックすると、左側のシミュレーターのLEDにハートマークが表示されることが確認できる 続いて、micro:bitに転送してみよう。エディター上でプロジェクトに名前を付けて「ダウンロード」をクリックする。Macのダウンロードフォルダーに「microbit-ハートマーク.hex」というファイルがダウンロードされるので、これをmicro:bitに転送する。 micro:bitをMacにつなぐには、スマホで使っているUSBケーブルが使える。USBケーブルは、データ通信ができるものを用意しよう。100円ショップやコンビニで入手できるケーブルには、充電だけに対応していて、データ通信ができないものがあるので要注意。USBケーブルでmicro:bitとMacとつなぐと、Finderウィンドウのサイドバーのデバイス欄に「MICROBIT」が現れる。ダウンロードしたプログラムファイルを、「MICROBIT」にドラッグ&ドロップして転送する転送が完了すると、図のようなメッセージが表示されるが問題ない。「閉じる」をクリックしよう 転送が終わったら、micro:bitのAボタンを押してみよう。LEDにハートマークが表示されるはずだ。micro:bitの楽しみ方はアイデア次第 このように、ブロックの組み合わせで簡単にプログラミングできるのがmicro:bitのいいところ。先に紹介した各種センサー類もブロックになっているので、すぐにプログラムで利用できる。ちょっと思いつくところでも、「振るとサイコロの目を表示するデジタルサイコロ」「決まった温度になると知らせてくれる温度センサー」「LEDに北の方角を表示するコンパス」など、おもしろいものが作れそうだ。 さらに、micro:bitには、コネクターにつないで機能を拡張する各種ボードが用意されている。いろいろなボードを眺めながら、作るものをあれこれイメージしてみるのも楽しいものだ。micro:bitに拡張ボードを組み合わせた例。正確な気温、湿度、気圧を測定できるセンサーを使って、天気予報センターを作った製品情報製品名:micro:bit価格:2160円販売サイト:スイッチサイエンス(https://www.switch-science.com)/秋月電子通商(http://akizukidenshi.com)参考:microbit財団(https://microbit.org/)