スポーツ選手の障害リスク、遺伝要因を解明…順天堂大

 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の研究グループは、トレーニングなどの外的要因だけでなく、遺伝子多型といった内的要因がスポーツ選手のスポーツ傷害リスクになることを明らかにした。

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順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の研究グループは、トレーニングなどの外的要因だけでなく、遺伝子多型といった内的要因がスポーツ選手のスポーツ傷害リスクになることを明らかにした。

研究により、エストロゲン受容体遺伝子の個人差の1つであるT/C遺伝子多型(SNP) が、筋スティフネス(筋硬度)を介して肉離れなどの筋損傷リスクに関連することがわかった。

まず、トップレベルの日本人アスリート1,311名を対象にした調査を実施。筋損傷の受傷歴とエストロゲン受容体遺伝子多型の関連を調べたところ、SNPのT/C多型のCの塩基を持つアスリートは筋損傷の既往歴が低く、筋損傷リスクがCの塩基を1つ持つごとに30%低下することが明らかになった。

次に、筋損傷の危険因子である筋スティフネスに着目。成人男女261名を対象にした調査を行ったところ、筋損傷のリスクが低いCの塩基を持つ対象者は、筋スティフネスが低かった。

これらの研究結果から、エストロゲン受容体遺伝子多型のCの塩基を持つ者は筋スティフネスが低く、筋損傷の受傷率が低いことが示唆される。また、ストレッチによる筋スティフネスの低下が一過性にパフォーマンスを低下させるといった知見もあるが、研究結果は日常的なストレッチが筋損傷の予防に重要であることも示唆している。

遺伝子多型といった内的要因がスポーツ傷害のリスクになることが明らかになったことから、外的要因だけでなく遺伝情報も考慮した新たなスポーツ傷害の予防プログラム確立への貢献が期待される。

スポーツ選手の肉離れなどの筋損傷リスクに関連する遺伝要因を解明…順天堂大学

《美坂柚木@CycleStyle》

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