さいたま市大宮区の鉄道博物館(鉄博)は2月1日、部品盗難やいたずらといった被害を受けていたクモハ455形急行型電車(クモハ455)、クハ481形特急型電車(クハ481)の車内公開を再開すると発表した。鉄博が1月2日に行なった発表によると、被害は2018年12月28日16時20分頃に発生。クモハ455では、施錠されている乗務員扉がこじ開けられ、前面の列車種別幕が急行から普通に変えられていたほか、封印されている乗降ドアの鍵も開けられ、1cm程度開いていたという。また、側面に掲出していた「まつしま」のレプリカ愛称板が盗まれており、別のものにすり替えられていたとしている。クハ481形では、施錠されているトイレの引戸がこじ開けられたほか、回転式の行先表示が「ひばり 仙台行き」から無地のものに変えられており、無理に回転させたせいか、皺が入った状態になっていたという。これらの被害を受けた鉄博では「このような犯罪行為や悪質ないたずらによって物的被害がもたらされれば、収蔵資料等の公開は限定的にせざるを得ず、大多数の良識あるお客さまに多大なご迷惑をおかけすることになり、当館として到底看過できるものではありません」として、警察へ被害届を出すとともに、展示車両の車内や運転室の公開、土休日に開催していた485系の屋根上機器動作実演を中止していた。その後、防犯対策や車両の整備が完了したとして、2月4日からクモハ455形とクハ481形の客室のみ公開を再開することになった。この2両の運転室や乗務員室、トイレへの立入り、ED17形・EF58形・EF66形・ED75形各電気機関車の運転室公開は引き続き中止される。また、485系の屋根上機器動作実演は2月9日15時30分からの回から再開するとしている。