特色検査・共通 講評
(湘南ゼミナール 提供)
問題の概要
7校共通の読解問題。文章読解力と要点把握ができるかどうか
今年から新たに導入された「共通問題」は、大問2題の構成となった。問1は英語長文、問2は科学的内容の短い文章が3つ出てきて、それらの文章に関する問題であった。文章自体の難易度は高くないが、全文をしっかり読まないと解答できない問題が出題されているため、高い文章読解力があることが大前提。その上で、ただ読むだけでなく、読みながら文章の要点をきちんと把握できるかどうか、という点も大きく得点を左右させるポイントだろう。
問1:「英語」という言語についての英文。英語を中心とした言語についての表をもとに、結論としては「正しい英語を話すこと」より「英語で考えやアイデアを伝えること」のほうが大切である、という要旨の文章だった。使われている単語レベルは決して高くないが、多少ややこしい文法表現が出てくるため、読むのに時間を使ってしまい、後ろの問題に影響を及ぼしてしまう可能性がある。
また、それぞれの設問はいずれもそれほど難しくなく、昨年度までの特色検査に対しての学習を進めていれば、比較的平易だといえる。
問2:科学というテーマで3つの文章が提示された。それぞれの要旨は、1つ目の文章が「常識を疑う姿勢が大切である」、2つ目が「科学の進歩・発展の過程は複雑につながっている」、3つ目が「多くの学者が様々な学説を考え出したことで学問が発展してきた」という内容。文章自体は国語で出題される論説文と同じかやや難しい程度で、特色検査を受ける生徒にとってはそれほど理解しにくいというものではないだろう。
設問は国語的、理科的、数学的、と各科目からの捉え方で出題されており、解くのは簡単だろう。
設問の特徴
読解した内容に関して「科目横断」の観点で出題
問1・問2ともに(ア)~(オ)の5問が出題された。素材文は英語と理科系だったが、設問は5科目がバランスよく散りばめられ、「科目横断」の要素が強い。問1は全体的に英語色が強い一方、数値を読み取って割合を求める問題が入っている。問2には国語色をベースに、数学の問題・理科の問題が出題されている。
課題と対策
文章読解をベースに、いろいろなパターンの問題に触れる
2020年の入試では、共通問題が実に17校で採用される見込み。それを考えると、今年の問題から大きく難しくなることは考えにくい。同様の難易度で出題されると仮定すると、まずは英語・国語の文章読解能力を鍛えることが一番の対策になるだろう。
一方で、特色検査の特徴である「科目横断」の要素から、英語が得意・国語が得意、というだけでは難しい問題が出てくるので、5科目の学力を磨いたうえで、今までの特色検査の問題をベースに様々なパターンの問題に触れ、経験値を増やすのが合格への近道といえるだろう。
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このレポートは平成31年2月15日(金)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。
協力:湘南ゼミナール