最先端・多様・自由…1期生が語るドルトン東京学園の魅力

 中高一貫校「ドルトン東京学園」は初年度にもかかわらず、募集定員を大きく上回る入学者を迎えた。同校の1期生に、学校生活について語ってもらった。

教育・受験 小学生
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ドルトン東京学園 生徒のみなさん(左からHくん、Mさん、Fさん、Iさん、T.Nくん、T.Kくん)
  • ドルトン東京学園 生徒のみなさん(左からHくん、Mさん、Fさん、Iさん、T.Nくん、T.Kくん)
  • ドルトン東京学園 Hくん
  • ドルトン東京学園T.Kくん
  • ドルトン東京学園 Mさん
  • ドルトン東京学園 Fさん
  • ドルトン東京学園 Iさん
  • ドルトン東京学園 T.Nくん
  • スポーツフェスでは、ハウスごとに異なるカラーのTシャツを着て戦う
 子どもたちの内から湧き出る意欲を原点に、ひとりひとりの知的な興味や旺盛な探究心を育て、他者とともに自らの意志で学んでいく力を授けるドルトンプラン。この「学習者中心主義」の教育メソッドは、100年前に教育者ヘレン・パーカストが提唱して以来、世界各国で実践され、高い評価を得ている。そしてこの4月からは、日本で初めてドルトンプランを実践する中高一貫校「ドルトン東京学園」が開学。初年度にもかかわらず、募集定員を大きく上回る入学者を迎えた。同校の1期生に、学校生活について語ってもらった。

--この新しいドルトン東京学園に入ろうと思ったきっかけは何でしたか。

T.Nくん:両親がこの学校を見つけ、説明会に連れてきてくれました。学校が新しく、特に理科室には普通の中学校にはないようなクリーンベンチ(生物学、生化学的な研究に用いられる、埃や環境微生物の混入を避けながら作業を行うための装置)やインキュベーター(温度を一定に保つ恒温器)など最先端の設備が揃っていて、生物教師の母も驚いていました。こんな素晴らしい環境のある学校で、自分がぜひ1期生になりたいと強く思うようになりました。

ドルトン東京学園 T.Nくん
ドルトン東京学園 T.Nくん

Iさん:学校選びの際、母は女子校を勧めてくれていたのですが、父が「面白い学校があるから見に行ってみよう」と言って連れてきてくれたのがドルトンでした。父はエンジニアをしていたこともあって、理科室が充実しているところに注目したようです。私が研究好きな性格だと知っていたので、ドルトンの教育が私に合っていると思ったそうです。私も学校説明会で、ひとりひとりの生徒の意見を尊重するという話にとても魅力を感じました。

ドルトン東京学園 Iさん
ドルトン東京学園 Iさん

Mさん:私はドルトンの、他の学校では経験できないような能動的な学びのスタイルにとても惹かれました。中学受験のために進学塾に通っていましたが、ずっと先生の言うことを聞いてノートに写したり、みんなで同じ問題を解いたり、覚えたりすることがあまり好きじゃなくて…。塾の勉強が楽しいとは思えませんでした。だからこそ、ドルトンの思考力型の入試を受けたいと思いました。

ドルトン東京学園 Mさん
ドルトン東京学園 Mさん

T.Kくん:僕は6年生の9月に急に中学受験をしたいと思い立ち、自分で調べてこの学校を見つけました。ここはまだ先輩がいなくて自分たちが1期生だから、自由に学校をつくっていける。それって絶対に面白いと思って父に相談したら、説明会に申し込んでくれました。グローバル教育にもとても魅力を感じました。

ドルトン東京学園T.Kくん
ドルトン東京学園T.Kくん

Hくん:僕は電子黒板のある教室や立派な実験室、建物の真ん中にある図書館やみんなが自由に集まれる広い空間など、ここに初めて来たときにとても感激したのを今でも覚えています。1期生として部活を新しくつくれたり、自分たちがやりたい活動を自由に決められたりできるところにも惹かれました。

ドルトン東京学園 Hくん
ドルトン東京学園 Hくん

Fさん:私はずっとバイオリンをやっていて、コンクール出場で学校を休まなければいけないこともあり、私立へ通うのは無理だと諦めていました。ただ偶然にも、新しい校舎や可愛い制服に惹かれて気軽な気持ちで学校説明会に来てみたら、本当に素敵な環境で一気に憧れが強くなってしまって…。そこで思い切って個別にバイオリンのことを相談してみると、自分でしっかり学習管理できるなら学校としても全力で応援しますと言ってくださり、受験をすることに決めました。

ドルトン東京学園 Fさん
ドルトン東京学園 Fさん

--ちょうど中学1年生の半分が終わったころですが、学校生活はいかがですか。

T.Kくん:パソコンが自由に使えるので、勉強がとても楽しいです。社会の時間に発表するものをパワーポイントでまとめたり、レポートもパソコンで書いています。

T.Nくん:僕も自分のパソコンをいろいろな授業で使えるのが新鮮です。僕はOneNoteというアプリで授業の内容をメモしています。パソコンを使ったほうが授業に集中できる気がします。

Iさん:ドルトンに入ってから、人前で発表する機会が増えました。小学生のころは、人前に立つことに抵抗があったけれど、今ではすっかり慣れたし、発表することが楽しいと思えるようになりました。ちゃんと前を見て、アイコンタクトを取って…といったプレゼンテーションに大事なスキルにも意識を向けるようにしています。

Mさん:ドルトンの授業はグループワークが多く、みんなで協力して課題をやるのがとっても楽しいです。T.Kくんが言ったように、パワーポイントをグループのメンバーで共有して一緒に資料を作ったり、教え合ったりしています。私はパソコンにはあまり馴染みがなかったのですが、パソコンの操作に詳しい友達から教わったりしながら、徐々に慣れてきました。

Hくん:まだ建物が新しくてとにかく綺麗です。お昼ご飯は学校内であればどこで食べてもいいし、休み時間にちょっとおやつを食べたりするのもOKだし、窮屈なルールがなく、自由な雰囲気です。

Fさん:制服は、式典などの公式な場以外では、リボン・ネクタイやパンツ・スカート・ハーフパンツ・キュロットなどさまざまなアイテムから1点だけ身に着けていればよく、私服と組み合わせることができるのも自由な校風で気に入っています。

--特に面白い授業はありますか。それはどんな感じで進められるのでしょうか。

Hくん:ラボラトリーという授業です。ラボラトリーの時間では、自分が決めたテーマや課題に自分のペースで取り組めます。僕は理科を選んでいて、そこで昆虫採集をしています。校舎の裏に豊かな自然があるので、虫取り網を持っていくといろんな虫が見つけられます。

T.Nくん:僕は数学の授業で、Qubena(キュビナ)というアプリをiPadを使って勉強するのが面白いです。AIが自分の理解度に合わせて問題を出してくれるので、すごい達成感があります。また、ドルトンでは最先端の設備で犬のガン細胞に触れさせてもらえるなどワクワクすることが多くて、生物にも興味をもつようになりました。

Fさん:私は英語の授業が楽しいです。ネイティブの先生方と会話を楽しみながら、英語がわからない時には日本人の先生方に聞けるので、ネイティブと日本人の両方の先生が教えてくださるのは勉強しやすいと思います。

Iさん:私は小学校のころから社会が好きだったのですが、ドルトンに入ってからますます好きになりました。中学受験の勉強のように知識を覚えて詰め込むのではなく、テーマごとに自分でまとめる機会が多いので、覚えさせられている感覚がなく、楽しいから自然に理解できる感じです。

Mさん:私も、先生が前で説明してそれをノートに書いて覚えるというよりも、自分たちでまとめたり、共有しながら一緒に考えたりする学び方のほうが面白いし、深く理解できる気がします。

T.Kくん:僕は書くのが苦手なので、小学校のときのように、先生が黒板に書いたことをノートに写すという授業ではなく、パソコンを使えたり、話し合ったりする授業が多いのが嬉しいです。

--部活動や学校行事で印象的なことはありますか。

Hくん:スポーツフェスです。ドルトンではクラスとは別に、それぞれのクラスから4人ずつが集まり、6つのグループをつくる「ハウス」があります。スポーツフェスではこのハウスごとに異なるカラーのTシャツを着て戦います。僕は特にフラッグフットボールが楽しかったです。

スポーツフェスでは、ハウスごとに異なるカラーのTシャツを着て戦う
スポーツフェスでは、ハウスごとに異なるカラーのTシャツを着て戦う

T.Kくん:STEAM(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)フェスも盛り上がりました。これもハウス単位で、発表に向けて自分たちでテーマを決め、研究をまとめて発表します。僕のハウスでは、Sphero(スフィロ)というボール状のプログラミングロボットを使い、ダンボールなどで迷路や仕掛け、罠を作って、スマホでコントロールする体験をしてもらいました。1期生の特権で、結構高いロボットを買ってもらえてラッキーでした(笑)。校外からも大勢の人が見にきてくれたので、盛り上がってよかったです。

ハウス単位でテーマを決め、研究をまとめて発表するSTEAMフェス
ハウス単位でテーマを決め、研究をまとめて発表するSTEAMフェス

Mさん:私は美術部に入っていて、STEAMフェスの看板や、Artフェスの作品も作っているところです。まだ1期生なので、道具も一から自分たちで買い揃えるところから準備しないといけなくて、とてもやり甲斐があります。

Fさん:私は得意のバイオリンを生かして、弦楽アンサンブルとともに学校行事に参加しています。今月末には近くの高齢者施設で開かれるまちびらきイベントでも演奏する予定です。

Iさん:私も図書委員としてそのまちびらきイベントに参加する予定です。図書委員がまちライブラリーと協働して、植本祭という本の交換会をやります。自分の本を持ち寄り、その本にまつわるエピソードや心に響いた言葉を書いた紙を添えて、本の表紙は見えないように包み、参加者の誰かと交換します。イベントでどんなことをするかアイデアを出し合い、自分たちで企画しました。

T.Nくん:僕は生物同好会で、学校の裏側にある自然豊かな場所にビオトープをつくろうと計画しています。井戸水が湧き出る場所があり、そこに大きなビオトープができることで、最終的には生態系をつくることが目標です。近くにある野川という川からヌマエビとかを取ってきて、繁殖させようという話をしています。色々な生き物をストックして育て、ビオトープができたらそこに放したいなと思っています。

--ドルトン東京学園の魅力はどんなところだと思いますか。

T.Nくん:すごい先生がいるところです。理科の西川先生は生物学の博士で、ドクターって呼ばれています(笑)。最先端の実験設備を使って難易度の高いことができるのでワクワクします。生物が専門の母に話すと、「えー!それ私は大学のころにやったわよ」と言われるくらいのことを実際に経験させてもらっています。

Mさん:私は、定期テストがないところが魅力だと思います。その代わりにミニテストがたくさんあるのですが、定期テスト前に忙しくなるよりも毎日少しずつ準備ができるので、探究学習にあてる時間が取りやすい気がします。

Iさん:毎日発表する機会がたくさんあるので、先生や友達に応援してもらいながら、自分が成長できるチャンスがとても多い学校だと思います。グループワークが多いうえに、ハウスを通じて他のクラスの子たちとも一緒に活動できる取組みもあって、たくさんの人と関われるのが本当に楽しいです。

Hくん:美味しいパン屋さんが来てくれることも大事な魅力のひとつだと思います(笑)。噂によると目黒の有名なパン屋さんらしく、後期からはメニューも増えて、ハロウィンだからか、おばけのメロンパンがあったりします。あと、服装が自由なところも魅力です。夏の暑い日には短パンで学校に来られるからとっても楽(笑)。

Fさん:私は、多様な個性を認め合える雰囲気が一番の魅力だと感じています。私の場合、バイオリンを続けるために音楽専門の学校に行くとしたら、周りは自分と同じような人ばかりに偏ってしまいます。ドルトンではいろいろなことに関心をもっている人たちと関わりをもてるので、自分もさまざまな価値観に触れられることが素晴らしいと思います。私が一生懸命バイオリンをやっていることを、ひとつの個性として周りの友達が認めてくれることも嬉しいです。

T.Kくん:ドルトンには、みんなで話し合って、自分たちで何をやるかを決められる自由があります。小学校の常識なんて全部忘れていいくらい、まるで幼稚園のような自由感(笑)が一番の魅力だと思います。

--みなさんは今後、どんなことを目標にしたいですか。

Hくん:将来は外国を自由に転々と旅してみたいという夢があるので、英語を頑張りたいです。授業が全然勉強っぽくなくて、ゲームをしながらスペルを覚えたりできるので、楽しく上達できたらいいなと思っています。

Fさん:私は世界を舞台に活躍できるバイオリニストを目指しています。だから私も、国際社会で貢献できるよう、英語力を身に付けたいです。今はケンブリッジ英検を受けるため、英語の先生にも協力してもらって準備を頑張っています。

Mさん:私も将来は世界と関われる仕事がしたいと思っています。日本も素晴らしいけれど、世界に出て、多様な価値観に触れてみたいからです。AIが発展している中で、ドルトンではパソコンを日常的に使いながら最先端の教育を受けられている実感があるので、この環境を生かし、将来世界で活躍できるように、いろいろなことを学んでいきたいです。

Iさん:私の父はエンジニアだったので、家にたくさん工具があるような環境で育ってきました。学校で自分も今、プログラミングやロボットを学びながら、将来はそうしたものづくりに関わることができたらいいなと思っています。そしてまずは1期生として、ドルトンをこれから有名にするために、学校のマスコットキャラクターをつくりたいです。

T.Nくん:僕はリーダーシップを取れるようになりたいです。1期生だからこそ、僕ら次第でこの学校はいろんな方向に向かえると思うので、リーダーとしてうまく舵を切れるように頑張りたいと思います。将来はドルトンで身に付けたリーダーシップを生かして、理系の職に就きたいです。

T.Kくん:僕は1期生として、みんなで素敵な校歌をつくりたいと思っています。そして将来は、ドルトンで学んだことを生かせる仕事ならなんでもよくて、他の学校ではできないことをここで学び、育った自分が、社会でユニークな存在として活躍できたらいいなと思っています。

手でDALTONサインを作るドルトン東京学園 生徒のみなさん(左からFさん、Iさん、Hくん、T.Nくん、Mさん、T.Kくん)
手でDALTONサインを作るドルトン東京学園 生徒のみなさん(左からFさん、Iさん、Hくん、T.Nくん、Mさん、T.Kくん)

--ありがとうございました。

 半年前までは小学生だったとは思えないほど、ひとりひとりがしっかりと自分の意見をもち、イキイキとしていた。ドルトンプランでは、子どもたちの力を信じ、学びのバトンを思い切って彼らに託す。子どもたちはそんな環境で、ICTを生かし、周囲の力を借りながら、自分が主体となって学ぶことの楽しさをすでに知ってしまっているようだった。

 T.Kくんの表現にあった「幼稚園のような自由感」とは、まさにMITメディアラボのミッチェル・レズニック教授が唱える“Lifelong Kindergarten(生涯幼稚園)”ーーすべての人が生涯、創造的学習者でなければならない今の時代に必要とされる学びのスタイルだ。幼稚園のように自由に、他の人と一緒につくりたいものをつくり、試し、探究し続ける学び。そんな学びが今後どんな成長に繋がっていくのか、引き続き注目していきたい。
《加藤紀子》

加藤紀子

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。現在はリセマムで編集長を務める。

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