キッザニアとは、3~15歳までの子どもたちが職業体験を通して、楽しみながら社会の仕組みを学べる“子どもが主役の街”だ。Out of KidZania(アウトオブキッザニア)は通常キッザニアで体験している仕事からさらに踏み込み、実社会の仕事を体験したりするプログラム。
東京モーターショー2019ではトヨタやホンダなど、クルマ関連の10社がメカニックやレーシングドライバーといったクルマにたずさわる職業体験プログラムを合計11種用意して子どもたちを待っている。小学1~6年生を対象としているが、3歳以上の未就学児向け体験プログラムも3社が別途用意している。
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キッザニア担当者は、「キッザニアは世界21カ国、28カ所あるのですが、各国のモーターショーでもキッザニアを行なったことはありません。東京モーターショーが世界初のコラボなんです!」と嬉しそうに教えてくれた。
東京モーターショーを主催する日本自動車工業会の「もっとファミリー層にも来てほしい」という要望から、キッザニアとのコラボが実現した。参加する10社はそれぞれが教えたい職業を提案し、キッザニアが全体の監修をしている。
プログラムは各30分。いずれもクルマに特化した職業で、東京モーターショーでしか体験できないものばかりだ。どのプログラムでも制服やレーシングスーツ、ヘルメットなどを貸し出してくれるため、見た目からその職業になりきることができる。
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参加しているクルマ関連企業と用意されたプログラムは以下の通り。
●トヨタ自動車
クルマを組み立てるメカニックの仕事:気持ちよく安全にクルマを走らせるために、大切な役割を持っているサスペンションやタイヤの取り付けをする。
月面探査車プログラミングをするエンジニアの仕事:月の資源を探しに行く月面探査車の自動運転のプログラミングをする。
●日野自動車
トラックをプロデュースする仕事:商用車について知り、お客様のオーダーに適したトラックを模型を使いながらプロデュースする。
●日産自動車
コンセプトカーデザイナーの仕事:未来のコンセプトカーをデザインする。3Dスキャンしたコンセプトカーのデザインモデルがバーチャルな街を走る様子を見ることもできる。
●三菱自動車工業
新しいクルマをデザインする仕事:乗るヒトをイメージしてクルマのコンセプトを考え、専門のデザインツールを使ってクルマのスケッチを描く。
●ジェイテクト
クルマに欠かせない部品を組み立てる仕事:スケルトンモデルでクルマの安心・安全を守るさまざまな部品の役割について学び、クルマに欠かせない差動装置(トルセン)を組み立てる。
●マツダ
金型磨き職人の仕事:クルマの綺麗なデザインを作るために大切な仕事である金型作りを学び、職人の見習いとして金属磨きのトレーニングをする。
●ダイハツ工業
クルマを組み立てる仕事:クルマの組み立て工程を知り、工具を使ってボディの組み付けを行い、本物のクルマを完成させる。
●本田技研工業
レーシングドライバーの仕事:レーシングドライバーの魅力や辛さ、必要な能力を学ぶ。レーシングシミュレーターでドライビングテクニックを磨く。
●KDDI
遠隔操作による災害復旧の仕事:新しい通信環境(5G)を想定し、ショベルカーの遠隔操作による安全・迅速な復旧作業を行う。
●スバル
クルマをメンテナンスする仕事:クルマを安心・安全に走らせるために必要な点検、整備、修理について学ぶ。工具を使ってクルマにタイヤ、ホイールの取り付けなどをする。
キッザニアによる職業体験は、プログラム参加券付き入場券の購入による事前予約もしくは当日予約で可能。3歳以上の未就学児向けプログラムは予約不要(先着順)。
また、ブース内にはトヨタ自動車の「おもちゃ病院」、特設スペースでインダストリアルクレイ(粘土)を使った「カーモデル教室」も実施される。
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「クルマに普段接している子、接していない子でも、今回の体験を通じてワクワクする仕事と感じたり、将来こういうことに役立つかもしれないという非日常の体験を持ち帰ってもらいたいです。それを将来の職業意識に結びつけてもらえたらうれしいです」(キッザニア担当者)
初めての体験に目を輝かせる子どもたちの姿を見て、東京モーターショーのキッザニアに参加した子どもたちの中から、日本の自動車界を支える人材が育つかもしれない……と思わずにはいられないのであった。