【大学受験2020】河合塾、全統模試にみる入試動向…難関私大の志願者減少

 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2019年12月3日、2020年度入試情報に「第3回全統マーク模試にみる2020年度入試の動向」を掲載した。国公立大と私立大それぞれの全体概況のほか、おもな大学の分析をまとめている。

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河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」
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  • 「第3回全統マーク模試にみる2020年度入試の動向」国公立大全体概況(一部)
 河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」は2019年12月3日、2020年度入試情報に「第3回全統マーク模試にみる2020年度入試の動向」を掲載した。国公立大と私立大それぞれの全体概況のほか、おもな大学の分析をまとめている。

 河合塾が2019年10月に実施した第3回全統マーク模試は、30万人を超える受験生が参加。「第3回全統マーク模試にみる2020年度入試の動向」では、模試時に受験生に記入してもらった志望校を集計した結果を踏まえて、2020年度入試の動向を探っている。

 国公立大の志望者について、メインとなる前期日程は前年比99%と前年並み、後期日程は募集人員縮小の動きなどがあることから前年比96%と減少した。一方、中期日程については、前年比105%と増加。公立千歳科学技術大が2020年度より新たに中期日程を実施するなど、中期日程実施大が増加しているためだという。

 大学グループ別では、旧帝大と東京工業大、一橋大、神戸大をあわせた「難関10大学」や筑波大や千葉大、広島大などの「準難関・地域拠点大」の志望者が、それぞれ前年比98%。これらを除く「その他大」が前年比99%となっており、グループ間で大きな差はみられなかった。なお、難関10大学のうち、東北大(前年比102%)、大阪大(同102%)、九州大(同108%)は志望者が増加したが、一橋大(同74%)や東京工業大(同80%)では減少が目立った。

 学部系統別の状況について、文系では「文・人文」は前年並みとなったが、「社会・国際」「経済・経営・商」といった社会科学系は志望者が減少。「教育」も教員養成課程、総合科学課程ともに志望者が減少し、不人気となっている。理系では「理」「工」は前年並み、「農」「医・歯・薬・保健」「生活科学」では志望者が減少。ただし、「工」は分野別で異なる動向があり、通信・情報分野では志願者が増加している。学部系統別でもっとも増加がみられたのは、「総合・環境・情報・人間」の前年比110%。「工」の通信・情報分野と同様に、情報分野に志望者が多く集まった。

 私立大全体の志願者数は、前年比100%と前年並み。入試方式別では、大学の個別試験を課す一般方式が前年比102%と増加したが、センター試験の成績を利用するセンター方式が前年比96%と減少している。

 大学グループ別では、「早慶上理」「MARCH」「日東駒専」「関関同立」「産近甲龍」のすべてのグループで志望者が減少。「関関同立」は前年比96%で、そのほかのグループはそれぞれ前年比94%だった。河合塾によると、2021年度に入試改革が控えていること、私立大の近年の難化傾向から、受験生の安定志向が鮮明になったと分析している。

 学部系統別の状況について、文系は「文・人文」が前年並み、そのほかの系統では減少がみられた。一方で、理系は「理」「工」をはじめ、志願者が増加した系統が多い。また、国公立大と同様、「工」の通信・情報分野、「総合・環境・情報・人間」の情報分野は人気傾向。そのほか、「医・歯・薬・保健」は全体では志望者増となったが、医分野と薬分野では志望者は減少し、医療技術・保健分野で志望者は大きく増加したという。

 「第3回全統マーク模試にみる2020年度入試の動向」では、国公大の志望動向の変化に注意が必要な大学、私立大の2020年度の注目大の動向、国公立20大学と私立13大学の動向分析も掲載。各資料は、誰でも閲覧できる。
《黄金崎綾乃》

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