<国語>講評(練成会 提供)
大問四題という出題構成および記述問題の字数は例年とほぼ同様で、設問の意図に沿った論理的な表現が記述問題では求められている。標準問題、裁量問題ともに昨年より平均点が高くなると予想される。以下が出題の特徴。
大問一は、漢字の読み書きや慣用句、動詞の活用、文の書き換えおよび説明的文章の読解という基本的な問題での構成。文の書き換えでは、「使える」が可能動詞であることを理解しているかどうかを確認する問題。正確な知識の定着と活用する力が必要。
大問二は、誤字訂正、和語・漢語・外来語の分類など語句事項の幅広い知識が問われている。問三(1)および(3)の作文は、アンケート内容を分析し、条件にしたがって表現するという問題。
大問三は、師匠の指導を受けながら成長する高校生を描いた作品。問一は、主人公の自問の理由を文中から書き抜く問題。また問四は人物の細かな動作につながる思いを十字程度で表現する良問。
大問四の和歌は、平成十三年以来の出題。問一の和歌の知識事項は基本問題。問二・問三の内容把握は得点差がつきやすい。
学校裁量問題(大問三)の記述問題での配点は、昨年の9点から10点となったが、文章内容を吟味して表現する問題であることに変わりはない。特に問四は、字数が八十字程度と多くなってはいるが、ポイントとなる部分を二つおさえ表現する問題。また問五の記号選択問題では配点が四点と高く、難度が高い問題。記号選択問題は選択肢のどの部分が違うのかを細部まで明確に考える必要がある。
記述問題の配点については、標準問題の読解で総配点60点中24点(文の書き換えを除く)、標準との共通問題部分も含めた裁量問題の読解で総配点60点中29点と、表現力が重視された傾向は続き、さらに問題も多様化している。豊かな語彙のもと、使用すべき表現の取捨選択や柔軟で論理的な思考が重視された出題といえる。
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このレポートは令和2年3月4日(水)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会