人気コミックエッセイ作家のアベナオミさんによる、3児の子育てに奮闘する日常のエピソードを、感情たっぷり、可愛いイラストでつづったマンガと、6000回以上も親子との面談を行ってきた中学受験指導のカリスマ講師にして子育ての専門家・小川大介先生の「叱ってもええねん」という優しさをこめたコラムで構成されている「叱りつける親は失格ですか?」(KADOKAWA)から、「あるある!」「そうそう!」と共感せずにはいられないマンガと、腑に落ちる考え方やアドバイスをご紹介する。
とにかく怒りの連鎖を断ちたい! 解決法は?
登場人物
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うそは絶対言わせたくない!!!!
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小川大介先生のアドバイス「裏にある“自分を責める心”」
ママの怒りの発火点は、子どもが幸せに育ってほしいという強い愛情。そこから「幸せになるためのマイ価値観・コンプレックス」に抵触して燃え上がっていく怒りと、「ママの不安」を燃料にして燃え上がっていく怒りのどちらかに分かれます。子どものうそは、前者の“コンプレックス”の典型的なパターンです。
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怒っているのは、うそをつく自分自身
自分のイヤな部分、直したいと思ってきた部分を相手(子ども)の言動に見てしまうと怒りに火がつくのは、その裏に“自分を責める心”があるから。あなたが「どうしてうそをつくの」と怒っているのは、子どもではなく“うそをついてしまう自分”なんですね。カッとなった自分の怒り声に、自分が怒られている状態になると、自分の中で折り合いがつけられず、ただ怒りだけがどんどん増していきます。また、大きな声や強い言葉は、自分が正しいことを言っている気になりやすいので、余計に止められなくなります。
反射的に怒ってしまったら、「私が怒っているのはこの子ではなく、私自身なんだ」と思い出してください。それだけでも鎮静化しやすくなりますよ。あとは、再現ドラマの脳内放送です。ブチ切れモード中の自分を主人公にした再現VTRを頭の中で放送します。
あとで主人公(自分)に「何が怖かった?」「何が嫌だった?」「何が許せなかった?」と聞いてあげてください。すると「…うそばかりつくと、友達のいない子になるかもと怖くなった」という“不安”や、「うそつきは泥棒の始まり」「うそをつく人間は幸せになれない」という“マイ価値観”も見えてくるはずです。“不安”は誰にも共有できていないと溜まる一方、“マイ価値観”は単なる思い込みです。
ご主人やママ友に聞いてもらったり、「ま、人それぞれだな」「うそをつけるほど知能が伸びたんだな」と、少しずつ不安とマイ価値観を手放していければしめたものです。
発行:KADOKAWA
<著者プロフィール:アベナオミ>
宮城県出身、宮城県在住。日本デザイナー芸術学院仙台校でイラストを学ぶ。08年よりイラストレーターの仕事を本格化。イラスト担当著書に「被災ママ812人が作った子連れ防災手帖」「ご当地グルメコミックエッセイ まんぷく仙台」「マンガでわかる!妊娠出産はじめてBOOK」(KADOKAWA)、「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」(学研プラス)など多数。東日本大震災を経験し、子育て世代の防災の大切さを伝える活動がライフワーク。2016年に防災士の資格を取得。2男1女の育児に毎日奮闘中。
<監修者プロフィール:小川 大介>
教育専門家、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。京大在学中より大手塾で活躍後、中学受験プロ個別指導塾を創設。6000回を超える面談を通して子どもが伸びる秘訣を見出す。受験学習はもとより児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評があり、幼児教育から企業での人材育成まで幅広く活躍中。「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」(KADOKAWA)、「ドラえもんの国語おもしろ攻略 国語力をきたえるカタカナ語」(小学館)、「親も子も幸せになれるはじめての中学受験」(CCCメディアハウス)など。