銀河鉄道999シネマ・コンサート、東京と大阪で開催

「銀河鉄道999 シネマ・コンサート」が、2021年2月に東京と大阪で開催される。このたびそれに先立ち、原作者の松本零士と星野鉄郎役の声優・野沢雅子から公開当時のエピソードが披露された。

趣味・娯楽 その他
左から野沢雅子、松本零士
  • 左から野沢雅子、松本零士
  • 松本零士
  • 野沢雅子
  • 『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション
  • 『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション
  • 『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション
  • 『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション
  • 『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション
『劇場版 銀河鉄道999』のセリフや効果音はそのままに、音楽パートをオーケストラが本編上映にあわせて生演奏する「銀河鉄道999 シネマ・コンサート」が、2021年2月に東京と大阪で開催される。
このたびそれに先立ち、原作者の松本零士と星野鉄郎役の声優・野沢雅子から公開当時のエピソードが披露された。

本作で音楽を担当したのは、1978年9月放送開始のTV版に続いて青木望だ。完成した映画は、全編にわたり叙情的なストリングスの美しい旋律が奏でられる作品となったが、クラシック音楽にも造詣が深い原作者の松本は、劇伴の制作にあたり自身が思い描くイメージを青木望に伝えている。

『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション

そんな松本の音楽との出会いは、少年の頃に聴いたベートーヴェンやチャイコフスキーだった。終戦直後、近所に捨てられていたクラシック音楽のレコードを持ち帰り、自宅の蓄音機で貪るように聴いたそうだ。
そして、中学生になると映画に夢中になった松本。『風と共に去りぬ』やディズニーの『白雪姫』など、小倉市内の映画館で見た数々の作品によって、映像における音楽の重要さに気付く。

なかでも、1956年に日本公開となった『わが青春のマリアンヌ』は、劇中の音楽の使い方に感銘を受けたそうで「(音楽が入ることによって)非常に綺麗に見えるんですよね、そのシーンの映像が。こういうものを自分でも作りたいと思いました」と振り返る。
そうした経験を経た『銀河鉄道999』の音楽は「ベートーヴェンの交響曲やチャイコフスキーの白鳥の湖と、現代音楽が混ざったようなイメージ!と、好き勝手なことをお願いしまして(笑)」。青木はこの想いを受け、「見事に私の伝えた雰囲気が出てました!」と松本を唸らせるスコアを描き上げた。

松本零士

また『銀河鉄道999』の音楽といえば、ゴダイゴが歌う主題歌も印象深い。今回のシネマコンサートでは、ゴダイゴのタケカワユキヒデがゲスト参加し、オーケストラをバックに生歌唱。主題歌は映画のエンディングに流れることになる。
松本は、ゴダイゴには「最後ですから、思い出として残るときに、悲しさだけではダメなんですね。少年の青春の夢から旅立つための曲をください」と依頼したそう。かくして、アニメ映画史上に燦然と輝くエンディングが出来上がったそうだ。

一方、星野鉄郎の声を演じた野沢雅子は「スタジオの中でメーテル(CV.池田昌子)が他の男性と話してるのみて、すごくヤキモチ焼いてたんですよ(笑)」と回想する。TV版、そして映画の収録期間中は自身が星野鉄郎になっていたそうで、それほど『銀河鉄道999』に対する想いが強かったことがうかがえるエピソードだ。

野沢雅子

声優のオーディションには松本も参加しており、野沢を推したのは「頭の中で思い描いていた通りの、見事な少年の声!」だったのが理由だそう。
野沢を信頼していた松本は収録にあたって注文はなく、声の演じ方を本人に一任。当初は不安に感じていた野沢も、収録を1話終えるたびに星野鉄郎に入り込んでいった。

この作品には不思議な磁場があるのか、メーテルを演じた池田昌子もメーテルになっていき、いつしかお互いを役名で呼び合うようになっていたとのこと。
野沢や池田を作品の中に入り込ませた要因のひとつには、青木望が書いた美しいスコアも少なからず影響しているようだ。

『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション

野沢の中には『銀河鉄道999』の音楽がいまだに耳に残っているそうで、これについては「最初に流れる音楽を聴いた瞬間、鳥肌が立ちます!」とコメント。
「鉄郎が旅立つメーテルを見送るところで、主題歌が流れてくるのを見るたびに今でも、泣けてきます。ずっと旅は続いてくんだなぁって。私の中では鉄郎は永遠に生きてるんです」とラストシーンを振り返り、涙ぐむ野沢の中では、『銀河鉄道999』は永遠に生き続けている作品のようだ。

「銀河鉄道999 シネマ・コンサート」は、2021年2月6日に東京公演(昼夜2回)、2月11日に大阪公演が開催される。
チケットは、東京公演分は12月4日10時より、大阪公演分は12月5日10時より取り扱いがスタート。詳細はコンサート公式サイトまで。

『劇場版 銀河鉄道999』(C)松本零士・東映アニメーション

<銀河鉄道999 シネマ・コンサート/公演概要>
・東京公演(昼夜2回公演)
日時:2021年2月6日(土)昼公演11:00開場 / 12:00開演・夜公演16:00開場 / 17:00開演
会場:東京国際フォーラム ホールA
・大阪公演
日時:2021年2月11日(祝・木)14:00開場 / 15:00開演
会場:フェニーチェ堺 大ホール(堺市民芸術文化ホール)
上映作品;
劇場版 銀河鉄道999(1979年8月4日公開)
上映時間:2時間30分(休憩20分込)
企画・原作・構成:松本零士
脚本:石森史郎/監修:市川 崑
監督:りんたろう/音楽:青木 望
声の出演;
星野鉄郎:野沢雅子/メーテル:池田昌子/クレア:麻上洋子/車掌:肝付兼太
キャプテン・ハーロック:井上真樹夫/クイーン・エメラルダス:田島令子
大山トチロー:富山 敬/プロメシューム:来宮良子
ナレーター:城 達也
主題歌:『THE GALAXY EXPRESS 999』『TAKING OFF』 /ゴダイゴ
出演
指揮:栗田博文
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演)/大阪交響楽団(大阪公演)
スペシャルゲスト:タケカワユキヒデ
チケット価格(税込/全席指定):
東京公演:S席 9,800円 / A席 7,800円
大阪公演:S席 8,800円 / A席 6,800円

(C)松本零士・東映アニメーション

「銀河鉄道999」松本零士&野沢雅子が当時を振り返る…「私の中では鉄郎は永遠に生きてるんです」シネマ・コンサート開催

《仲瀬 コウタロウ》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top