読書は知識と思考力を伸ばす…子どもの心の安定にも効果

 読書の量は、国語の「知識」と「思考力」のいずれの力にもプラスの効果をもたらすことが、ベネッセコーポレーションが2021年3月15日に発表した調査・研究結果より明らかになった。読書は、コロナ禍の子どもの心の安定にも効果があるという。

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 読書の量は、国語の「知識」と「思考力」のいずれの力にもプラスの効果をもたらすことが、ベネッセコーポレーションが2021年3月15日に発表した調査・研究結果より明らかになった。読書は、コロナ禍の子どもの心の安定にも効果があるという。

 ベネッセ教育総合研究所は、進研ゼミが提供する会員向け電子書籍サービス「電子図書館まなびライブラリー」の読書履歴データをもとに、読書が子どもの学習や生活におよぼす影響を調査・研究している。2020年度は、過年度までの研究を踏まえ、読書が国語の知識や思考力といった多様な資質・能力の形成にどのような効果があるのかを検証することが目的。小学5年生から6年生の1年間にわたる「読書履歴データ」と「実力テストの結果」「アンケート調査」を組み合わせた分析を実施した。

 読書をたくさんした子ども(月平均3冊より多く読んだ子ども)の偏差値変化をみると、「学力の低い子ども」「学力の高い子ども」いずれにおいても知識問題(漢字・文法など)・読解問題(物語文・説明文の読解)・挑戦問題(日常生活場面での問題解決)それぞれの偏差値が上がっていた。読書は知識の獲得に有効なだけでなく、思考力など多様な資質・能力を高めることが明らかになった。

 本を多く読んでいる子どもほど、「最初から最後まできちんと読む」「気になったところを読み返す」「登場人物の気持ちになりながら読む」など、読み方を工夫していた。そして、「長い文章を読めるようになった」「新しいことを知ることができた」「興味のあることが増えた」「知っている漢字や言葉が増えた」など、自分で読書の効果を実感していた。

 読書をたくさんした子どもは、読書をしなかった子ども(期間中に1冊も読んでいない子ども)と比べて「時間がたつのを忘れるくらい夢中になる」「心が落ち着く」と回答する割合が多かった。コロナ禍での心の健康について報じられる機会が増えているが、読書は楽しみを広げ、気持ちの面でも大切な存在になることがわかった。

 ベネッセ教育総合研究所は今後も、読書が子どもたちにどのような影響を与えるかについて研究していくとしている。
《外岡紘代》

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