広島電鉄は6月20日、3年ぶりに「被爆電車」の一般乗車体験を実施すると発表した。
被爆電車とは、1942年に木南車輌製造(大阪府堺市)で製造された広島電鉄オリジナル650形5両のうちの1両(653号)で、広島に原爆投下があった1945年8月6日、現在の広島市中区にある江波(えば)付近で被爆し大破した。
しかしその4か月後には復旧し、2006年に引退したが、広島電鉄と中国放送(RCC)が被爆70周年を記念して立ち上げた「被爆電車特別運行プロジェクト」を機に2015年6月に復活。被爆当時の塗色となり、毎年、特別運行による乗車体験を行なってきたが、2020~2021年はコロナ禍により一般参加による実施が見送られ、今回、感染防止対策を講じた上で、3年ぶりに再開されることになった。
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実施日は8月6~9日で、広島駅~比治山下(ひじやました)~皆実町(みなみまち)六丁目~広電本社前~原爆ドーム前~広電西広島~原爆ドーム前の経路で運行される。
時刻は各日とも、広島駅10時30分発~広電西広島11時26分頃~原爆ドーム前11時55分頃着、広島駅14時発~広電西広島14時57分頃~原爆ドーム前15時26分頃着(8月6日は広島駅14時発の便のみ運行)。
各便15人を募集し、申込みは「被爆電車特別運行プロジェクト」のウェブサイトで7月15日まで受け付けている(ハガキによる申込みも可)。参加費用は大人1500円・小学生~高校生500円。
なお、8月6日は653号の走行風景や広島市内の光景、車内のモニターで上映される資料映像を含むライブ配信が14時から15時30分まで「被爆電車特別運行プロジェクト」のウェブサイトで行なわれる(運行当日の様子を伝えるアーカイブ配信もあり)。