お茶の水女子大学は「みがかずば奨学金」、信州大学は「入学サポート奨学金」の2023年度募集要項をこのほど公開した。これらの奨学金は、入学前に予約できる大学独自の給付型奨学金。国公立大学で実施している大学をピックアップしてまとめた。
お茶の水女子大学「みがかずば奨学金」「お茶の水女子大学小澤美奈子奨学金」
お茶の水女子大学の「みがかずば奨学金」は、2011年度（平成23年度）に設立した入学前予約型の奨学金制度。経済的困窮度が相対的に高い者を優先的に採用し、毎年20人を限度として、1年次30万円、2年次30万円を支給する。申請資格は日本の高等学校または中等教育学校を2023年3月に卒業見込みの者（現役生対象）、調査書の学習成績概評が原則としてA以上等。内定後、一般選抜（前期・後期）、総合型選抜（新フンボルト入試）、学校推薦型選抜、高大連携特別選抜のいずれでも受験できる。提出書類は、高等学校または中等教育学校経由で郵送する。なお、日本学生支援機構奨学金、その他の併給可能な他機関の奨学金および入学料免除や授業料免除と併願・併用可能。また、今年度新たに設立した「お茶の水女子大学小澤美奈子奨学金」も返済不要の給付型奨学金。同大学の理工系分野の学部学科へ入学を志望する学生対象で、在籍中に100万円を限度（1年につき25万円）に給付し、「みがかずば奨学金」と併願可能。どちらも申請期間、選考結果の日程は同じ。
申請期間：2022年9月1日（木）～ 9月16日（金）
選考結果：10月中旬に審査（内定者決定）し、推薦した学校長と本人宛に通知
信州大学「入学サポート奨学金」
信州大学の「入学サポート奨学金」は、学業優秀な高校生等に対して、経済的理由により同大学への進学を諦めることのないよう、入学時に必要な学資の一部を奨学金として給付して支援するもの。申請対象者は、日本の高等学校または中等教育学校を2023年3月卒業見込みの者。総合型選抜、学校推薦型選抜および一般選抜（前期日程）に出願を予定し、合格した場合には、入学することを確約できる者等。奨学金は10～40万円とし、日本学生支援機構給付奨学金の採用状況により給付額が決定する。採用人数は20人程度。第一次選考は総合型選抜・学校推薦型選抜、第二次選考は一般選抜（前期）が対象。
申請期間：
第一次選考／8月29日（月）～9月9日（金）
第二次選考／11月28日（月）～12月9日（金）
選考結果：
第一次選考／10月14日（金）申請者全員に通知
第二次選考／2023年1月5日（木）申請者全員に通知
新潟大学「輝け未来!! 新潟大学入学応援奨学金」
新潟大学の「輝け未来!! 新潟大学入学応援奨学金」は、経済的理由により進学を断念せざるを得ない学業優秀な者に対して入学時に必要な費用と住居（寮）に関する支援をセットにした修学支援制度。申請資格は、高等学校（中等教育学校を含む）を2023年3月卒業見込みでかつ、2022年度１学期または前期までの評定平均値が3.5以上の者。総合型選抜、学校推薦型選抜、または一般選抜（前期）に出願し、合格した場合は入学を確約できる者等。採用者数は50人。奨学金は一時金として40万円を支給する。また、通常の経路および方法による通学時間が、家族の住所から片道90分以上の者で、学生寮への入寮希望者に対しては、同大学寮「五十嵐寮」を優先的に確保する。
申請期間：9月26日（月）～11月25日（金）
選考結果：12月23日（金）に申請者および所属学校の学校長宛て通知
福井大学「基金予約型奨学金」
福井大学の「基金予約型奨学金」は、入学後の修学に必要な経済的支援を行うことを目的としている。申請資格は、日本の高等学校または中等教育学校を2022年度に卒業見込みの者。2023年度総合型選抜I、総合型選抜II、学校推薦型選抜I、学校推薦型選抜II、一般選抜（前期・後期）の選抜試験に出願または出願予定の者で、同大学に強く入学を志望する者等。給付額は30万円、採用予定者数は10人程度。提出書類は、高等学校または中等教育学校経由（学校長推薦）で郵送する。同奨学金に採用された場合でも、他の奨学金に申請し重複受給することができる。ただし、他の奨学金では重複受給を認めていない場合もあるので注意が必要。
申請期間：11月1日（火）～18日（金）
選考結果：2023年1月中旬に推薦した学校長に通知
宇都宮大学3C基金「入学応援奨学金」
宇都宮大学の3C基金「入学応援奨学金」は、経済的理由により進学を断念せざるを得ない栃木県内の高校生に対して、入学時に必要となる学資の一部を奨学金として給付する。2023年度の募集要項は、9月に公開する。2022年度の募集要項では、申請資格は栃木県内の高等学校もしくは中等教育学校を卒業見込みの者、または高等専門学校の第3学年を修了見込みの者等。総合型選抜、推薦型選抜または一般入試（前期・後期）に出願し、合格した場合には入学することを確約できる者等。採用予定者数は20人程度で、30万円を一時金として給付している。
東京工業大学「大隅良典記念奨学金」
東京工業大学の「大隅良典記念奨学金」は、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授からの多額の寄附を原資として、将来の日本を支える優秀な人材を育成するため、経済的支援が必要な学生が本学で学ぶための修学支援等を目的とした奨学金。親が4年制の大学を卒業していない者を対象とした「ファーストジェネレーション枠」と、高等学校等の対象所在地域が埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県を除く地域で自宅からの通学が困難な者を対象とした「地方出身者枠」を募集。2023年度の募集要項は8月18日時点で公表されていないが、2022年度の奨学金は月額5万円で、採用予定人数は2つの枠を合わせて20人程度。給付期間は、原則として学士課程の標準修業年限以内としている。
東京大学「さつき会奨学生」「学部学生奨学金」
東京大学「さつき会奨学生」は、同大学に入学を志望する優れた女子生徒等で、入学後は自宅外通学、経済的な理由で修学困難な者が対象。出願前に採用予定がわかる予約型奨学金で、2023年度の募集要項は8月18日時点で公表されていないが、2022年度は入学支援金30万円の他、毎月5万円を4年間給付。採用人数は約15人となっている。その他、「学部学生奨学金」は、経済的困難のため同大学への進学を断念している生徒等が対象の予約型奨学金。2023年度の要項は未発表だが、前年の採用予定者数は2人、支給額は年額50万円で支給期間は入学後1年間となっている。
入学前予約型の給付奨学金は、保護者の収入等、申請資格が細かく設定されているため、募集要項の確認が必要。採用候補者は、各大学の入学試験に合格、入学することで正式採用となる。なお、各大学は奨学金の申請や選考は、一般選抜の合否に影響することはないとしている。
