英国で450年の伝統「ハロウ安比校」が8/29開校、アジアで10校目

 英国で450年の伝統をもつ名門パブリックスクール「ハロウ校」の日本第1校目となる「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」が2022年8月29日、岩手県八幡平市安比高原に開校した。アジアでは10校目となる。

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ハロウ安比校マイケル・ファーリー校長
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 英国で450年の伝統をもつ名門パブリックスクール「ハロウスクール」の日本第1校目となる「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(Harrow International School Appi Japan)、ハロウ安比校」が2022年8月29日、岩手県八幡平市安比高原に開校した。アジアでは10校目となる。

 国際教育へのニーズと関心が高まる中、安比高原の地の利を生かし、世界最高水準のアカデミックプログラムと世界トップクラスの教員により、全寮制(ボーディングスクール)で指導を行うとする同校の開校は、発表当初から注目されてきた。「勇気」「名誉」「謙虚」「友情」というハロウ校の4つの価値観が教育の中心に据えられ、それが「ハロウシステム」とよばれカリキュラムにも落とし込まれている。

 「ハロウ安比校」の教育対象はYear7~Year13(英国式の教育を採用、日本の小学6年~高校3年)で、初年度は12か国から7~10年生(小学6年~中学3年)の約180人が入学する見込みだ。

 開校直前の「ハロウ安比校」を訪問し、マイケル・ファーリー校長に話を聞いた。

--いよいよ開校となりますが、今の気持ちをお聞かせください。

 ハロウスクールがロンドンに開校して450年の節目に、日本で初めて開校することができて嬉しく思っています。世界各国から集まった経験豊かな先生方と、山や川などの自然豊かで美しい安比という土地を生かしたカリキュラムで教育を使おうと考えています。

--ハロウ安比校独自のプログラムとは、どのようなものですか。

 2つの重点項目を設定しています。1つは子供たちに個別化されたケアを行うことです。思春期真っ只中に全寮制という環境にいることになるので、授業、友人、SNSなど子供がどういう状態にいるのか、先生がひとりひとりをきっちりとモニターし、常に注意を払いながら最適なケアを行います。

 2つ目は子供のポテンシャルを最大限に発揮させる環境を提供することです。ハロウ安比校には世界各国から人材が集まっており、価値観はそれぞれ異なります。そういった互いを尊重した学習環境を提供し、さらに総合的で多面的な教育を行い今まで関心がなかった分野にも興味をもってもらいたいと考えています。それを我々は全人教育とよんでいます。生徒は幅広い課外授業を通じて視野を広げ、リーダシップスキルやチームワークの重要性を学んでもらいたいと考えています。

--安比との関係性はどのように考えていますか。

 相乗効果を生むような関係を築いていきたいと考えています。ボーディングスクールという環境ではホームシックになる子もいます。寮長が個別対応も行いますが、地元の企業や施設などにボランティア行くこともカリキュラムに取り入れるので、外部とのポジティブな機会もあります。そういった八幡平市とのつながりの他にも、先生や生徒が毎日利用する食堂では岩手県産の滝沢スイカがメニューにあるなど、地産地消も行っていきます。

--ありがとうございました。

 豊かな大自然と広大な敷地、最新鋭の設備と世界各国から集められた先生方が授業を行う環境は子供たちの好奇心を刺激し、大きな成長を促すのではないだろうか。

 国際教育へのニーズが高まりとともに、子供たちの学びの選択肢がますます多様化してきた。「ハロウ安比校」を含むインターナショナルスクール、ボーディングスクールの今後の展開に注目したい。


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《藤原一己》

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