文部科学省は2022年度(令和4年度)より、大学への飛び入学者について文部科学大臣が高等学校卒業者と同等以上の学力を有することを認定する制度「高等学校卒業程度認定審査」を創設、運用を開始する。2022年度は10月3日~11月4日に認定審査の出願を受付。11月~2023年1月ごろに審査を実施する。
文部科学省は、飛び入学制度の活用を促す観点から、大学への飛び入学者について、文部科学大臣が高校卒業者と同等以上の学力を有することを認定する制度「高等学校卒業程度認定審査」を創設、2022年度から開始する。今回、制度開始にあたり、制度の概要や出願手続き等についてWebサイトに公表した。
「飛び入学」とは、特定の分野について特に優れた資質を有する学生が高校を卒業しなくても大学に、大学を卒業しなくても大学院に、それぞれ入学することができる制度。大学への飛び入学であれば、高校に2年以上在学した者(またはこれに準ずる者)で、大学が定める分野で特に優れた資質を有する者が飛び入学できると定められているが、現行制度では、飛び入学者は高校等を中途退学して大学へ入学することとなっており、大学入学後に大学を中途退学する等して進路変更をしようとする時に高校等卒業の扱いとならず、就職や資格試験等の受験において困難が生じるとともに、飛び入学の活用が促進されない一因となっている。
大学への飛び入学者(累計)は、2021年5月時点で144名。グローバル化の進展にともない激化する国際競争の中で、新たなイノベーションを創出し、国際的に活躍できる人材を育成するため、飛び入学制度の活用を図っていくことが重要であるとして、今回、大学への飛び入学者について高校卒業と同等の法的地位や社会的評価が得られる仕組みを新たに構築する。
「高等学校卒業程度認定審査」は、大学への飛び入学者について、入学した大学で一定の単位を修得している状況をもとに、高校卒業者と「同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定する。審査は毎年6月と12月の時期に実施。認定基準は、高校で50単位以上を修得し、飛び入学した大学で16単位以上を修得していること。また、修得した単位の分野が著しく偏っていないこと。
出願書類の確認による審査を実施し、合格した者を「高等学校卒業程度認定審査合格者」とする。合格者に対しては合格証書を授与する他、高校卒業と同等の法的地位を与える。加えて、高校等卒業を受験等の要件として設定している採用試験や国家試験についても受験等が可能となるものがある。
2022年度高等学校卒業程度認定審査は、10月3日~11月4日の期間に郵送およびメールにて出願を受付。郵送の場合は当日消印有効。11月ごろ~2023年1月ごろに審査を実施し、1月末ごろに審査結果(合格者には合格証書)を送付する。実施要綱や出願書類等の詳細はWebサイトにて確認できる。
なお、文部科学省では、飛び入学制度を実施する大学については、飛び入学検討者やすでに飛び入学した学生に対する認定審査の周知を、各大学については、飛び入学制度の導入や積極的な活用を改めて検討してほしい旨、求めている。