【夏休み2023】千葉県立中央博物館、チバニアン期の古生物展9/18まで

 千葉県立中央博物館は2023年9月18日まで、特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」を開催する。展示をはじめ、化石クリーニングの見学や化石触れるコーナー、体験・ワークショップも多数。8月11日はトークショー、9月17日にはシンポジウムも開催する。

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特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」
  • 特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」
  • ナウマンゾウ全身骨格
  • メルクサイ全身骨格・復元模型
  • 化石に触れるコーナー
  • 地層をはぎとった標本
  • ナウマンゾウ全身骨格
  • シカ類の化石・復元画・模型
  • オオキトド化石・実物大復元画・模型

 千葉県立中央博物館は2023年9月18日まで、特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」を開催する。展示をはじめ、化石クリーニングの見学や化石触れるコーナー、体験・ワークショップも多数。8月11日はトークショー、9月17日にはシンポジウムも開催する。

 千葉県は2023年6月15日に誕生150周年を迎えた。千葉県誕生150周年記念事業の一環として、2023年度特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」を千葉県立中央博物館で開催する。

 「チバニアン期」とは、千葉県市原市田淵にある地層が時代を分ける境界がよくわかる地層として、2020年1月に世界的に認められた。このことにより、今まで名前がなかった約77万4千年前から12万9千年前までの時代がラテン語で「千葉の時代」を意味する「チバニアン」と呼ばれることになった。千葉県内に広がる「チバニアン期」の地層からは、ゾウやサイ、クジラ、トドといったさまざまな生き物の化石が見つかっている。

 「よみがえるチバニアン期の古生物」展では、「房総の巨獣たち」「チバニアン期の地層と房総半島」「チバニアン期の大地」「チバニアン期の海」「チバニアン期後の房総」の構成で展示している。

 「房総の巨獣たち」では、「チバニアン期」の房総に生息していたナウマンゾウやメルクサイ全身骨格などの大型哺乳類の復元骨格を展示する。案内所には本物の化石に触れるコーナーもある。「チバニアン期の地層と房総半島」では、房総半島に広がる「チバニアン期」の地層について、地層分布図や地層をはぎとった標本などで解説する。また、海底から陸地へと変化した房総半島の成り立ちも紹介する。

 「チバニアン期の大地」では、現在と大きく異なる当時の陸上生物と環境について紹介する。千葉県産のナウマンゾウ全身骨格レプリカをはじめとした3種のゾウ、シカ類の化石や復元画・模型等を展示する。「チバニアン期の海」では、当時の海洋生物について紹介する。体長約5メートルの世界最大級のトドである「オオキトド」の約10分の1復元模型や原寸大復元画、アシカ・セイウチ、クジラ類の化石や復元画・模型等を展示する。「オオキトド」の化石は千葉県立中央博物館の大木研究員が発見した。

 「チバニアン期後の房総」では、チバニアン期の後の房総に生息した生物を紹介する。国指定天然記念物「木下貝層」の貝化石や、縄文時代の温暖期のサンゴ化石などを展示する。また、千葉県内のチバニアン期の化石発掘風景や復元画の製作過程を映像で紹介するほか、房総の古生物学150年の重要なトピックや、世界のチバニアン期の出来事をピックアップして紹介するコーナーもある。

 さらに、毎週木曜日と日曜日は「化石のクリーニング」を実演で紹介する。また、陸(ナウマンゾウ、メルクサイ、カズサジカ)・海(オオキトド、ステラーカイギュウ、トウキョウホタテ)のそれぞれ3種類の古生物から「私のイチオシ古生物」を選んで投票する「『私のイチオシ古生物』の人気投票」も行う。結果はWebサイトやTwitterで知らせる。

 「体験イベント」は、8月6日「クイズ:ちばの古生物」が2回、各回定員50名で行う。8月20日「化石を拾ってみよう」定員なし。8月27日「博物館フィギュア×チバニアン期の古生物」を2回、定員50名材料費200円。9月3日「本物の化石をさわってみよう」定員なし。9月10日「古生物の絵本読み聞かせ」定員15名、県立図書館と連携して、古生物や展示に関する絵本の読み聞かせを行う。9月18日「古生物の缶バッヂづくり」が2回各回定員50名。すべて、料金は無料(入場料不要)。申込みは、当日受け付ける。

 また、毎週土曜日には「ミュージアム・トーク(展示解説)」を2回行う。定員なし、料金は入場料のみ。申込みは、当日受け付ける。さらに、アンケート回答者に、特別展オリジナルクリアファイルをプレゼントする。なくなり次第終了する。「化石の模型をつくろう」「古生物を復元してみよう」の講座も行うが、申込みはすでに終了している。

 8月11日には「トークショー」を開催する。「古生物サミットin房総:古生物に関わるおしごと」をテーマに、オフィスジオパレオント代表でサイエンスライターの土屋健氏、ActoW代表で古生物造形作家の徳川広和氏、京都大学大学院理学研究科 地質学鉱物学教室大学教員の松岡廣繁氏、国立科学博物館研究員・学芸員の木村由莉氏が、自身の仕事について話す。

 さらに、9月17日には「自然誌シンポジウム チバニアン期の哺乳類化石を探る」をテーマに、チバニアン期の房総の海と陸に生息していた哺乳類について、国立科学博物館・筑波大学大学院の甲能直樹氏、群馬県立自然史博物館の木村敏之氏・高桒祐司氏、埼玉県立自然の博物館の北川博道氏ら専門家によるシンポジウムを開催する。

 「トークショー・シンポジウム」の申込みは、当日午前9時より先着順に150名を、2Fホール特設カウンターにて受け付ける。名簿に参加者の氏名と参加人数を記入する。定員に達し次第、受付を締切る。料金は入場料のみ。オンラインで参加の申込みはすでに終了している。

◆特別展「よみがえるチバニアン期の古生物」
会期:2023年7月15日(土)~9月18日(月・祝)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
※8月7日、14日は開館
開館時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
会場:千葉県立中央博物館
入館料:一般800円、高校生・大学生400円
※中学生以下・65歳以上・障害者手帳等の持参者とその介護者1人無料

<体験イベント>
申込方法:当日申し込む
※ミュージアム・トーク以外は料金無料(入場料不要)
【クイズ:ちばの古生物​】
日時:2023年8月6日(日)10:30~11:00、13:30~14:00
定員:各回50名
【化石を拾ってみよう】
日時:2023年8月20日(日)11:00~15:00
定員:なし
【博物館フィギュア×チバニアン期の古生物​】
日時:2023年8月27日(日)10:00~12:00、13:00~15:00
定員:各回50名
材料費:200円
【本物の化石にさわってみよう​】
日時:2023年9月3日(日)11:00~15:00
定員:なし
【古生物の絵本読み聞かせ​​】
日時:2023年9月10日(日)13:30~14:00
定員:15名
【古生物の缶バッヂづくり】
日時:2023年9月18日(月・祝)10:30~12:00、13:30~15:00
定員:各回50名
材料費:100円
【ミュージアム・トーク】
日程:2023年7月15日(土)~9月16日(土)の毎週土曜日
時間:11:00~11:30、14:30~15:00
定員:なし
料金:入場料必要

<トークショー・シンポジウム>
定員:各150名
料金:入場料のみ
締切:定員に達し次第
申込方法:当日9:00より先着順に受付、2Fホール特設カウンターの名簿に参加者の氏名と参加人数を記入する
【古生物サミット in 房総:古生物に関わるおしごと】
日時:2023年8月11日(金・祝)13:00~16:00
開催方法:対面
※オンライン参加の申込みはすでに終了
【自然誌シンポジウム チバニアン期の哺乳類化石を探る】
日時:2023年9月17日(日)13:00~16:00

《大田芳恵》

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