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夏休み前必見・東大生が教える「読書感想文のやっつけ方」

 東大生が、読書感想文が簡単に書ける「読書感想文のやっつけ方」を、ステップごとに解説。お勧めの書籍や、流行りのChatGPTを使用した「推敲方法」も伝授。

教育・受験 小学生
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 保護者世代のみなさんは、毎年課される「読書感想文」の宿題に頭を悩ませた経験はないだろうか。ある書物について感じたことを400字~1,000字程度でまとめるのは、大人ですらも難しい。子供たちが苦戦するのも無理はない。夏休み最終盤まで残してしまうご家庭も多いのではないだろうか。

 そこで、今回は読書感想文が簡単に書ける「読書感想文のやっつけ方」を、ステップごとに解説していく。どうか強大な宿題の前に諦めるのではなく、効果的な武器をもって立ち向かってほしい。

STEP1 「本を決める」

 まずは題材となる本を決めよう。課題図書が指定されている場合はそれを読めば良いのだが、そうでない場合には、自分で本を選ぶ必要が出てくる。どうしても思いつかない場合は、インターネットで「小学(中学)●年生 読書感想文 本」と調べると候補が見つかるだろう。また、以下に年代ごとの課題図書候補をいくつか挙げてみたので、参考にしてみてほしい。

小学校3年、4年生むけ

『はれときどきぶた』

 主人公の「十円やす」は、小学校2年生のころから日記をつけていた。先生の「誰にも見られないのだから本当のことを書きなさい」という教えを守り、毎日起きた出来事をしたため続けた。しかしある日、お母さんに日記を見られてしまい、彼は恥ずかしさと悔しさのあまり「お母さんがみたらびっくりするようなことを書こう」と考える。「そうだ。明日起きることを日記に書こう」と。すると、なんと日記に書いた内容が現実に起こるようになってしまった。


はれときどきぶた (あたらしい創作童話 13)
¥1,210
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

『みさき食堂へようこそ』

 さきっぽ岬のさきっちょにたたずむ「みさき食堂」。古くて小さいけれど、よく磨きこまれた温かみのある食堂。食堂を運営するハルさんと、お手伝いをする孫のたまみちゃんが、迎え入れてくれる。みさき食堂には、ときどき食べたいものがあるのに事情があって食べられないお客さんが、風とともにやってくる。それぞれのお客さんに対するハルさんとみさきちゃんのおもてなしに、心が温まるようなお話。


みさき食堂へようこそ (わくわくライブラリー)
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小学校5年、6年生むけ

『モモ』

 廃墟となった円形劇場に住み着いた、粗末な身なりの少女モモ。街の人々は協力して彼女の面倒を見ることにする。モモのもつ不思議な力は、人々の心の固さを取り除いたり、傷を癒したりした。彼女の存在は、街の人にとってかけがえのないものになっていく。ところが、ある日街に現れた「灰色の男たち」によって、街の人々から「時間」が盗まれてしまう。盗まれた「時間」を取り戻すため、モモはひとり立ちあがる。


モモ (岩波少年文庫)
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『二分間の冒険』

 不思議な黒猫に誘われて、学校の校庭から、子供たちだけが住む世界に迷い込んでしまった悟。そこは竜が支配する国で、子供たちは竜の館のいけにえとして集められていた。やがて、悟は仲間とともに世界を支配する竜と戦うことになる。冒険の途上でさまざまな出来事がある中で、子供たちは「一番確かなもの」を探していく。


二分間の冒険(文庫)
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STEP2 「本を読む」

 次に本を読んでいく。このとき、あらかじめ「執筆」を念頭に入れながら読み進めると良い。印象に残ったシーンがあったら、そこに付せんをはさんでおくのだ。

 付せんには、そのとき感じた思いをなるべく具体的に書いておく。そうすれば、読み終わった後に「こんなシーンがあったな、こう感じたな」と鮮明に思い出すことができる。

 付せんの数だが、多くて困ることはないだろう。逆に、少ないと書くときの内容出しに困ってしまうので、少なくとも4~5か所は付せんを貼っておくようにする。

STEP3 「パソコンで下書きする」

 次は実際に文字を書いていく。直接原稿用紙に書くのではなく、パソコンでWordやメモ帳を立ちあげて、そこに下書きをすることをお勧めする。

 パソコンで書き出すのは難しい作業かもしれないが、幼少期からパソコンのキーボードに慣れておくことは、高校や大学での学び、それ以降の人生で有利に働く。Wordならば文字カウント機能があるので、自分が何文字書いたのかすぐに確認できるのも利点だ。

 タイトルは最後に決めるのが良いだろう。なので、最初は空欄か、「『□□』を読んで」程度の仮称で良い。書き出しは「私は『□□』を読んで、△△な物語だと感じました」と結論を述べる。そのあとは、「物語の中で、☆☆というシーンがあるのですが、私はここを読んで△△だと感じたのです」と続ければ良い。

 その後は文章の展開の方向によるが、たとえば思い出から具体例を出すのも面白いだろう。「私は、このシーンに見覚えがありました。以前、○○に遊びに行ったときのことですが~」と、自分の思い出語りを挿入するのだ。一度自分の話にもち込めさえすれば、後は何を書いても自由になるので、かなり書けることの幅が広がる。

STEP4 「ChatGPTに推敲してもらう」

 ひととおり文章が書けたら、全文をコピーして、ChatGPTのチャット欄にペーストする。AIに日本語文法を添削してもらえれば、作文に不安がある子でもまとまった文章を書くことができるはずだ。

 このときのChatGPTへの命令文は、

 以下は小学(中学)●年生による読書感想文です。あなたは国語の教師として、この感想文について日本語文法が正しいか添削してください。その際は、何が悪くて、どのように直せば良いかポイントごとにまとめて明記してください。


として、1~2行空けてから作成した読書感想文の文章を張り付ける。

 場合によっては、推敲後に字数が足りなくなってしまうこともあるだろう。そんなときは、再度内容を練り直す。そして、練り上げた原稿ができたら、再度提出して添削してもらう。これを「規定字数を突破した添削済みの文章」が出力されるまで繰り返すのだ。

STEP5 「清書する」

 推敲が終わったら、いよいよこれを原稿用紙に書き写す。

 文章自体には問題はないと思われるが、書き写しミスや字の間違いなどには気を付けよう。また、あまりにも字が下手だと採点対象外になる可能性があるので、ある程度、無理なく読める範囲のきれいな字を意識して書こう。


 いかがだろうか。ステップによっては、特に学年が下のお子さんやPCを使い慣れていないお子さんにとっては、ハードルが高いと感じられるかもしれない。そうした際は保護者の方がそばにつき、操作の手助けしても良いだろう。これらの方法をもって、無理なく読書感想文の宿題を終わらせてほしい。

《布施川天馬》

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