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東大生が答えるお悩み相談室「小学生のころにやっておいた方が良いと思うことは?」

この「東大生が答えるお悩み相談室」シリーズは、読者から寄せられた質問やお悩みについて、東京大学に在学する現役東大生たちが答える動画企画だ。インタビュー形式で、読者・視聴者から届いた勉強や受験、大学生活などに関するさまざまな質問に答えていく。

教育・受験 小学生
写真はイメージです
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 この「東大生が答えるお悩み相談室」シリーズは、読者から寄せられた質問やお悩みについて、東京大学に在学する現役東大生たちが答える動画企画だ。インタビュー形式で、読者・視聴者から届いた勉強や受験、大学生活などに関するさまざまな質問に答えていく。

 前回に引き続き、偏差値35から2浪して東京大学に合格し、現在はカルペ・ディエムの代表取締役社長を務める東京大学経済学部4年生の西岡壱誠氏と、東京大学教育学部4年生の橋本匠氏が対談だ。東京大学進学に関心のある中高生だけでなく、受験、勉強、大学生活などに漠然と不安を感じている人にも、ぜひご覧いただきたい。

小学生のころにやっておいた方が良いと思うこと

西岡:何かある?

橋本:僕の場合は、「友達と関わって何かをやった」ということが、やっぱりすごく良い経験だったなと思っています。友達と一緒にゲームしたり、サッカーしたり、なんでも良いんですけど。自分の周りでも、そういう経験で非認知能力が鍛えられた、楽しかったという記憶だけではなく学びにもなった、と言っている人は多いです。

西岡:なるほどね。集団で何かを作るという経験は良いんだろうなと、僕も思ってる。たとえばなんだけど、昔、砂場で川とか作らなかった?

橋本:やりましたね。

西岡:あれってさ、ひとりだとうまくできないから、友達と分担するんだけど、結構コミュニケーションが難しいんだよね。「俺はこれを作るから、君はこれを作ってくれ」みたいな指示役が必要なんだよ。

 エンジニアリングプロセスのように、こういうものを作りたいからと計画を立てながら、この部分をこうやってほしいという指示も出して、それを監督する思考をもつのは、実はすごく必要だと思うんだよね。だから、みんなで何かを作りあげるという経験は、すごく得難い良い経験だよね。

 俺の中でもうひとつ、「これだけはやっておいた方がいい」と思うものがあるんだよね。みんなからは変だと思われるかもしれないけど、それは「失敗」。

 うまくいかなかったという経験を、小学生時代にいかに重ねられるかってすごく大事なことだと思います。逆に、何事もうまくいってたら、親御さんは心配してあげた方が良いと思います。

 僕は悪さをして怒られることもあったし、友達との関係の中でうまくいかなくて手が出てしまって怒られたこともありました。でも、全部含めて、良い経験だったなと思う。あれが、中学校や高校に上がって初めて先生から怒られる、なんてことになっていたら、多分耐えられなかったんじゃないかと思うんだよね。

 でも今の親御さんたちを見ていると、子供が危ないことをしそうと思ったら、ブロックしちゃうんだよね。「これは危ないからやっちゃだめよ」って防いでしまうと、確かに子供は失敗しないんだけど、それはイコール、子供は痛い目をみる経験ができないということで、本当に痛いことなのかわからない状態になっちゃうんだよね。

 火で遊んだことがない子供は、火がどれくらい熱いのかがわからない。それを知らないまま育ったら、もしかしたら大人になってから怪我をするかもしれない。あらかじめ、危険なことや、失敗っていうのは経験しておいた方が良いこともあるかもしれないと思う。

 だから、そういう思考が重要なんじゃないかなって、僕は思いますね。たとえばね、Googleが実践してる、「Fail First(フェイル・ファースト)」。

橋本:どういう意味ですか?

西岡:「まずは失敗しろ」という意味。先に失敗をして、そして何度も挑戦して挑戦する。失敗をしたうえで成功することって、あると思うんだよね。

 「打席理論」といわれているのがあって、それは、ホームランを打てるのはやはり打席に何回も立ってる人間だ、と。打率は、3割でも素晴らしいといわれている。つまり、10回中3回バットに当たって塁に出れたら良いよね、と。ということは、何度も何度も打席に立っているからこそ、ホームランの出るチャンスにもなるということ。

 だから、挑戦は何度もしておいた方が良い。そしてその挑戦っていうのは、早ければ早いほど良い。早いとその失敗から立直るということも、人間として学ぶことができるから。

印象に残っている今までの人生での失敗エピソード

西岡:俺は二浪だから、“失敗だらけの人生”ですよ。英語3点とかとっていましたからね。

橋本:僕は中学受験したときは大失敗でしたね。もともと全然勉強してない状態で、急に中学受験期に入ったので。頑張って勉強はしましたけど、最後の模試は、受験しようと思っていた学校の合格判定はどこも可能性が低くて。頑張ってきたし、受けようと思って受験しましたけど、不合格を連発したんですよね。

 そのとき、自分では失敗したと感じたんですけど、同時に、合格をもらったところに進学して、すごく楽しい中高生活を送れたんです。失敗しても、そこからまた次につなげることができて、良い経験にもなったなと思います。

西岡:俺も中学受験したんだけど、成功も失敗もなかったというか、ほとんど記念受験に近かったんだよね。確か、2月1日の午後に受けて、そのまま午後に受かった学校に行ったんだけど、それ以外って受験しなかったんじゃないかな。受けたら不合格だったと思うんだけど、不合格をもらっておくべきだったなって思う。2月2日でも3日でも4日でも、あるいはその前でも。いっぱい受けて「落ちた」っていう感覚をもっておいたら、もっと強くなれた気もする。もしかしたら(大学受験で)二浪しなかったかもしれない、ってのはすごく思う。

 今って、不合格になっちゃうと可哀そうだから受けさせないとかある。でも(可哀そうだとしても)、不合格を手に入れるべき。「あのとき受けてたらどうなってたのかな」ってなるんじゃなくて、ちゃんと受けて、不合格になる。失敗するっていう経験を得ることが大切なんじゃないかなって思う。

橋本:そうですね。僕も第一志望を受けて不合格になったことが、今思うとすごく貴重な経験だったなと思います。中高の部活もそうですし、大学受験も、多分これからの人生においても、挑戦して失敗したけど頑張ったっていう経験は、自分の中に大きく残るものがあると思います。

《カルペ・ディエム》

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