【大学受験】究極の個別最適学習を実現、多様な生徒の学びを支える駿台の教育DX

 駿台現役フロンティア/駿台予備学校が「イード・アワード塾2024」高校生/大学受験生 集団指導 オンライン授業の部において最優秀賞を獲得した。同校の受験指導における特徴とこだわり、今後の展望について、同校の教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏に話を聞いた。

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駿台予備学校 教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏
  • 駿台予備学校 教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏
  • 駿台予備学校 教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏
  • 15種類のアプリが総合ICTシステム内で連携しているため「究極の個別最適学習」が可能になる
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 駿台現役フロンティア/駿台予備学校が「イード・アワード塾2024」高校生/大学受験生 集団指導 オンライン授業の部において最優秀賞を獲得した。同賞の受賞は4年連続。駿台予備学校は、コロナ以前から塾・予備校の中で先陣を切って教育DXを進めており、そうした取組みの成果が、今回の受賞の背景にある。

 駿台予備学校の受験指導における特徴とこだわり、今後の展望について、同校の教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏に話を聞いた。

オンラインでも質を担保、充実の体制でサポート

--高校生・大学受験生 集団指導 オンライン授業の部における最優秀賞のご受賞、おめでとうございます。御社内での反響をお聞かせください。

 当校は教育業界の先陣を切ってDX化に取り組んできたという自負があります。保守的な傾向が強い教育業界にあって、どのように評価されるのか見通せない側面もあり、手探りで進めてきましたが、今回の連続受賞によって、私たちの取組みと成果を認めていただいたことに、「これまでの取組みは正しかったのだ」と安堵と喜びを感じております。オンライン化や指導スタイルについては、今後もさらなる進化に向けて注力してまいりますが、今回の受賞が大きな励みとなり、社内でもより前向きに取り組む意欲が高まっています。

--駿台のオンライン授業とはどのようなものなのか、概要をお聞かせください。

 高校生クラスでは、学校の授業を補完する形で科目別講義をオンラインでも提供してきました。校舎がない地域の高校生でも駿台の講義を受けられる点が好評で、今後もこの形を継続する予定です。

 浪人生(高卒)のオンライン授業は、2025年度からリニューアルされます。これまでは、駿台校舎での対面授業をライブ配信し、校舎に通えない生徒が同時にオンライン受講できる仕組みを採用していました。通学生と同じ授業をリアルタイムで受講できるため、教室の臨場感を味わえる点が大きなメリットでした。その一方で、講師の視線がどうしても教室内の生徒に向きがちであるため、オンライン受講生にもより視線が向く形をとの課題もありました。

 この課題を改善するため、2025年度からは、内容は対面授業と同じものを、オンライン受講生向けに別途収録し配信することに決定しました。講師の負担は増えますが、「生徒の学力を伸ばし、合格に導く」という私たちの使命を最優先に検討を重ねた結果、導き出した改善策です。今後は、オンライン受講生も講師の視線をダイレクトに感じながら、より主体的な学びに取り組んでいただけると期待しています。

 オンライン授業でも対面授業と同様に、クラス担任による入試情報の提供や激励メッセージからスタートします。また、ICT教材の活用に加え、クラス担任との定期的なZoom面談や電話対応を通じて学習フォローを行い、通学する生徒と同等の総合的なサポート体制で生徒の学びを支えています。

駿台予備学校 教育DX本部 教学マネジメント部統括の磯川勝氏

総合ICTシステムを駆使し、究極の個別最適学習を実現

--御社ではコロナ以前からDXの取組みを進めていらっしゃったそうですね。どのような経緯でオンライン授業への取組みがスタートしたのでしょうか。

 ご認識の通り、駿台ではコロナ以前から、「全国に首都圏と同じ水準の教育を提供したい」という理念のもと、ICT活用を視野に入れて準備を進めていました。ちょうど2020年3月の既卒生募集が終わったころに新型コロナウィルス感染防止のための教育機関の一斉休校が始まり、通学が困難な生徒のために、教室で行っている授業をライブ配信する準備を開始しました。

 その後、春以降しばらく対面授業が中止となり、駿台に期待して入学してくれた生徒にどのようにサービスを提供するかが大きな課題となりました。最初こそ世間に混乱はありましたが、我々がオンライン映像の配信やICT教材「atama+」を活用した学習、チャットやZoom、電話によるサポートを組み合わせた指導へと切り替えた結果、生徒や保護者の皆さまにもご満足いただけるサービスを提供することができています。

 当初は個人所有のデバイスを使用してもらっていましたが、その後、高卒クラスには1人1台iPadを支給し、学習環境を整えました。コロナ禍に起因する半導体不足の影響で、同業他社がタブレット端末の確保に苦労する中、私たちは早期から準備を進めていたことが功を奏し、スムーズな導入を実現できました。これが駿台における本格的なDX推進の第一歩です。この経験と蓄積したノウハウを活かし、翌年にはICT教材とラーニングマネジメントシステム(LMS)を導入し、本格的な指導体制が稼働しました。

--御社のDX化の強みとはどういったところにあるとお考えでしょうか。

 駿台のDX化の最大の強みは、オールインワンの総合ICTシステムが確立している点にあります。駿台では独自開発を含む15種類のアプリを活用しています。これらのアプリの多くは単独ではなく、総合ICTシステム内で連携されており、生徒ひとりひとりに適したコンテンツを横断的に提供することができるため、「究極の個別最適学習」が可能です。

 DX化は、「対面ではなかなか質問や相談ができない」「口頭ではなく、テキストでのコミュニケーションの方が得意」など、さまざまなタイプの生徒との距離を縮めることにも寄与しています。たとえば、質問アプリ「manabo」では、担当者が待機し、生徒がチャットや音声でリアルタイムに質問できる環境を整えています。

 さらに、家庭学習の進捗や効果測定が可視化されたデータをクラス担任・講師・生徒がリアルタイムで共有できるため、継続的なフォローを通じて「教材の与えっぱなし」や「やらせっぱなし」を防ぐことができるようになった点も大きな強みです。もちろん、生徒自身が自分の学習データを確認できることも、自ら主体的に学びを進めるうえで大きなメリットとなっています。

15種類のアプリが総合ICTシステム内で連携しているため「究極の個別最適学習」が可能になる

DX化で実現できた「予備校の真の価値」

--このDX化が受講生や保護者、教鞭をとられる先生方にもたらしたメリットについてお聞かせください。

 受講生や保護者の皆さまにもっとも喜んでいただけている点は、学力や志望校、性格に関わらず、それぞれに最適化された学習環境が整ったことです。かつて駿台は「難関校を目指す人のための予備校」というイメージが強く、大教室でカリスマ講師が質の高い授業を提供するスタイルが主流でした。そのため、授業の理解度や実力の伸びは、生徒自身の努力に委ねられる側面が少なくありませんでした。

 しかし、今日の予備校に求められる役割は変わりつつあります。単に質の高い授業を提供するだけでなく、生徒ひとりひとりの学力を確実に伸ばし、志望校合格という成果を実現することこそが、予備校の真の価値です。

 こうした変化を支えるために、講師にも従来の「一方通行型の授業スタイル」から脱却する柔軟な対応が求められていますが、DX化によって、個別最適化を意識した授業展開が可能となり、生徒ひとりひとりに合わせた指導を行うことができるようになりました。

 さらに、ICTの活用は職員の事務作業の効率化にも寄与し、これまで以上に生徒と向き合う時間を確保できるようになった点も大きなメリットです。DX化を通じて個々のニーズに応じた手厚いサポートを提供できる体制を構築し、多様な生徒に対応する予備校へと進化しました。

進化を続ける駿台の新サービス

--今後予定されている新しいサービスがあれば教えてください。

 近年、駿台は「地方の生徒にも都市部と同等の教育を提供すること」、「多様な生徒に対応可能な個別最適学習を実現すること」を理念に掲げ、さまざまな改革を進めてきました。その結果、これまで蒔いてきた種が芽を出し、育成のフェーズへと移行しつつあり、さらなる教育の質向上に向けた新たな挑戦に取り組んでいます。今後のおもな取組みをご紹介します。

志望別コース内「MyFitプラン」の増設

 ここ数年で力を入れてきた改革の1つが「プレミアムサポートコース」の展開です。講師による授業に加え、個別最適化された学習プログラムを提供する「徹底サポートコース」を2020年4月から開始し、好評を博しました。この取組みをもとに、ICTシステムをさらに活用して進化させたのが2021年開始の「プレミアムサポートコース」です。2024年度に町田校をプレミアムサポート専門校舎としてリニューアルしたことは、代表的な事例です。ひとりひとりに適した授業選択とICT教材を組み合わせることで、学習習慣が定着していない生徒、基礎学力に課題を抱える生徒にも手厚いサポートが可能になっています。おもに地方国公立大学やMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)レベルを目指す生徒が多く在籍し、開設初年度から成果をあげ、生徒・保護者からも高い評価を得ています。

 この成果を受け、「プレミアムサポートコース」のノウハウを応用して、2024年度からは東大や京大、一橋大、阪大、東京科学大などの難関大学を目指す生徒向けにも、「志望別コース」内で「MyFitプラン」を開始しました。初年度は柏校、浜松校、上本町校、広島校の4校舎で展開し、順調に学力向上を実現し、良好な結果を出すことができています。2025年度には札幌校、津田沼校、立川校、池袋校、京都校の5校舎を加え、計9校舎に拡大する予定です。

学習コーチ・講師との「二人三脚サポート体制」を強化

 出願戦略や進路指導、生活面のサポートを中心に担っていたクラス担任ですが、2025年度からの新体制では名称を「学習コーチ」に変更し、ICTを活用した教科学習にも積極的に関与する体制へ移行します。この新たな体制では、講師と学習コーチが密に連携し、生徒の学びを全面的に支えるサポート体制を強化。すべての職員にコーチング検定(駿台運営の検定試験)の取得を義務付けることで、全国で均質かつ高水準の支援を提供できる仕組みを整えます。さらに、独自資格である「ICTマイスター制度」を導入し、職員のスキル向上を図ることで、より高度な支援を実現します。

「朝学タイム」の導入

 2024年度より一部校舎で開始した「朝学タイム」は、生徒から好評を得ています。このプログラムでは、朝の1コマを活用し、英会話アプリ「ELSA」を用いたスピーキング練習によって脳を活性化し、その後、学習コーチの指導のもと予習復習ほか各自の必要な学習に取り組む流れを作っています。朝から予備校に通うことを習慣化することで、保護者からも高い支持を得ています。2025年度からは学校法人全校舎に「朝学タイム」を導入し、さらなる学力向上を図ります。

 今後も、これまで蒔いてきた改革の種をさらに成長させるとともに、社会の変化や多様なニーズに対応した新しい種を蒔き続けることで、生徒ひとりひとりを合格へと導き、予備学校としての存在価値を高めるための挑戦を続けてまいります。

--ありがとうございました。


 コロナ禍以前からDX構想を進め、業界におけるDXの先駆者として確固たる地位を築いた駿台予備学校。それでも、社会やニーズの変化を捉え、年単位で改革を重ね続ける姿勢には、「全国の多様な生徒を合格へ導く」という目標に愚直に取り組む信念がうかがえる。進化を続ける駿台の今後の取組みにも引き続き注目していきたい。

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《なまず美紀》

なまず美紀

兵庫県芦屋市出身。関西経済連合会・国際部に5年間勤務。その後、東京、ワシントンD.C.、北京、ニューヨークを転居しながら、インタビュア&ライターとして活動。経営者を中心に600名以上をインタビューし、企業サイトや各種メディアでメッセージを伝えてきた。キャッチコピーは「人は言葉に恋♡をする」。

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