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子供に望む学歴「大卒」6割…8割が自分と同等かそれ以上

 塾選びサービス「塾選」を運営するDeltaXは、小中学生の保護者500人を対象に実施した「子供に望む学歴」に関する調査結果を公表した。最終学歴に「4年制大学卒」を望む声は62.2%にのぼり、背景には将来の選択肢を広げたいという思いがあることがわかった。令和の保護者の最新教育観をレポートする。

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「学歴は関係ない」は本当?6割が大学進学を希望する理由【保護者500名調査】
  • 「学歴は関係ない」は本当?6割が大学進学を希望する理由【保護者500名調査】
  • 子どもに望む最終学歴を教えてください
  • 子どもに望む最終学歴は、ご自身の最終学歴と比べると、どの程度ですか
  • 子どもに 4 年制大学卒を望む理由を教えてください
  • 今後「学歴の価値」は、どのようになると思いますか
  • 学歴以外で、子どもの教育で重視しているものは何ですか

 塾選びサービス「塾選」を運営するDeltaXは、小中学生の保護者500人を対象に実施した「子供に望む学歴」に関する調査結果を公表した。最終学歴に「4年制大学卒」を望む声は62.2%にのぼり、背景には将来の選択肢を広げたいという思いがあることがわかった。令和の保護者の最新教育観をレポートする。

 同調査は、AIの進化や働き方の多様化が進むなかで変化する学歴の価値を探るため、2026年1月に小学生または中学生の子供を持つ保護者500人を対象に、インターネットを使用した任意回答で実施された。

 「子供に望む最終学歴」を尋ねたところ、もっとも多かったのは「4年制大学卒」で62.2%だった。ついで「特にこだわりはない」が21.0%、「専門学校卒」「高校卒業」などが続いた。一方で、「特にこだわりはない」と回答した保護者が2割を超えていることも見逃せない。学歴そのものよりも、子供の適性や将来の目標を重視したいという考え方が、一定数根付いているようすがうかがえる。

 子供に望む学歴は保護者自身の最終学歴と比べてどの程度かを聞いた。その結果、もっとも多かったのは「自分より高い学歴」で45.1%だった。ついで「自分と同程度でよい」が35.2%で、多くの保護者が「自分と同等か、それ以上」の学歴を子供に望んでいることがわかった。

 保護者のコメントにも、その思いは率直に表れている。  「自分は高校卒業までなので、子供には大学には行ってほしいと思うから」(大阪府 43歳女性 小1保護者)  「自分が短大卒で、就職等に困っているので、子供には大学に行ってほしい」(奈良県 47歳女性 小2保護者)  就職活動での選択肢、収入の差といった具体的な経験が、子供への進学期待に影響していると考えられる。

 最終学歴として「4年制大学卒」を望む保護者が最多となった背景には、どのような理由があるのかを深掘りした。もっとも多かったのは「就職に有利になる」で52.1%、ついで「将来の選択肢が広がる」が42.1%だった。続いて「専門性を身につけられる」が39.2%、「収入につながると思う」が34.4%となっている。

 就職に有利だと思う理由については、「大学を卒業していると選択肢も広がり初任給が高いイメージだから。本人の強い意思で高卒を選ばない限りは、大学で勉学、経験を積んでほしいため」(福岡県 41歳女性 中2保護者)といった声が挙がった。また、選択肢が広がるという点については、「最終的に自分がやりたいことが見つけられた時に、大学を卒業していることで可能になることも多いと思う」(埼玉県 37歳女性 小5保護者)という意見が印象的だ。進路を早期に狭めたくないという親心がうかがえる。

 今後、学歴の価値はどう変わると思うかを尋ねたところ、「今より高まる」「変わらない」とみる層が6割強だった。一方で、「今より低くなる」と考える層は2割弱にとどまった。

 学歴の価値は今後も維持される、あるいは高まると考える保護者の理由には、就職する際の採用条件など、社会に出た際に起こり得る現実からの意見が目立つ。個人的には人間性や人生経験が大切だと思いつつも、有名大学を出ていないと面接さえ受けられない社会の考えが変わるには時間がかかるとの声があった。結局のところ、就職時には大学名のブランドが影響し、OB、OGがいることで就職もしやすくなると考えているようだ。

 これらの声に共通するのは、「学歴は万能ではないが、入口では見られる」という認識だ。特に就職活動の初期段階では、応募条件や書類選考の基準として学歴が機能する場面があるという実感が背景にある。また、AIの発展により単純作業が自動化されるなかで、よりスペック重視になり、高度な知識を身に付ける必要性が高まるとの見方もあった。学歴そのものではなく、大学で体系的に学ぶことの価値はむしろ上がるのではないかという意見もみられた。

 一方、価値が低くなると考える層からは、少子化で大学が余るような状態になるなか、大学を卒業したことよりも何を学び、何を得たのかを表せる人が求められるという意見が挙がった。学力だけではわからない能力も重視される時代が来ているという指摘もある。

 どちらの意見からも、学歴の「役割の変化」がうかがえる。学歴は成功を保証するものではないが、進学や就職の入口で機能する可能性がある以上、持っていて損はないという受け止めが多数を占めた。一方で、「何を学び、何ができるのか」という中身こそがより重要になるという認識も広がっている。

 「学歴以外で教育において重視していること」を尋ねた設問では、「人間性」(61.4%)、「コミュニケーション力」(56.8%)、「幸福度・メンタルの安定」(46.2%)が上位を占めた。学歴があっても社会で生き抜けなければ意味がない、という考えが表れているといえる。

 今回の調査では、子供に望む最終学歴として「4年制大学卒」が6割を超えた。背景にあるのは、将来の選択肢を確保したいという現実的な認識だ。その一方で、「何を学び、何ができるか」という中身をより重視する姿勢も広がっている。学歴で幅広い選択肢を確保しつつ、社会を生き抜く土台として人間性を育てる。令和の保護者の教育観は、その両立を志向しているといえそうである。

出典「塾選ジャーナル調べ:『学歴』に関する意識調査」

《風巻塔子》

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