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【小学校受験2026】まさに「波乱の年」志願倍率トップ10から見えた最新の動向

 2026年度の私立小学校入試は、人気校の日程変更や選考方法の転換など、かつてないほど動きが大きい「波乱の年」となった。2,000人以上の親子の小学校受験を指導してきた大原英子氏に、志願者倍率ランキングから見える最新動向と併願戦略の考え方を解説してもらった。

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【小学校受験2026】まさに「波乱の年」志願倍率トップ10から見えた最新の動向
  • 【小学校受験2026】まさに「波乱の年」志願倍率トップ10から見えた最新の動向

 2026年度の私立小学校入試は、かつてないほど日程が動き、まさに「波乱の年」となった。今回は、「2026年度 志願者倍率ランキング」から見えてくる最新の動向と、小学校受験ならではの難しさについて解説する。

2026年度 小学校受験志願倍率トップ10は?

 少子化とはいえ、年々加速する受験戦争。大学受験では総合型推薦入試の割合が年々増え、親世代の大学受験とは大きく変化している。「大学受験という不確実性を避け、充実した環境で伸び伸びと学ばせたい。」そう願う家庭の想いを反映し、大学までの一貫教育を前提とした早慶の附属・系属校の人気は依然として高い。慶應、早稲田、学習院、農大稲花など中学入試、大学入試でも人気の学校が並び、一貫校としての人気の高さを証明している。

2026年度 小学校受験志願倍率

 

 

志願者数

合格者数

志願者倍率

1

慶應義塾横浜初等部(横浜市)

1364

108

12.6

2

東洋英和女学院小学部(港区)

561

50

11.2

3

慶應義塾幼稚舎(渋谷区)

1438

144

10.0

4

早稲田実業学校初等部(国分寺市)

1205

123

9.8

5

東京農業大学稲花小学校(世田谷区)

1006

103

9.8

6

桐朋学園小学校(国立市)

654

68

9.6

7

学習院初等科(新宿区)

720

80

9.0

8

東京女学館小学校(渋谷区)

544

72

7.6

9

桐朋小学校(調布市)

530

72

7.4

10

成城学園初等学校(世田谷区)

387

68

5.7

出典:お受験じょうほう 2026年度入試結果速報 ※稲花・早実の合格者数は学校公表値

「出口」を見据えた早慶の強さと、データには表れない2026年度「最大の波乱」

 今年の入試では、このランキング表からは見えない「大きな出来事」があった。それは、慶應義塾幼稚舎の日程変更だ。例年、女子は11月1日から3日、男子は11月5日から8日という日程が定着していたが、今年度は「11月1日」の考査がなくなり、女子が2日から4日、男子が6日から8日へと大きく変更された。

 これがなぜ大きな出来事なのか。

 小学校受験には「複数日程校」というものがあり、試験日時は複数日程のなかのどこかで行う、という学校だ。しかも、日時の決定方法は「月齢順」や「五十音順」、あるいは「出願順」など、学校によってさまざまである。家庭は過去のデータをもとにパズルを組み立てるように予測を立てて出願していくことになる。

 ただ、毎年受験者数は変わるし、試験時間なども変わる。どれだけ入念に予測をたてても当然分析が外れてしまったり、学校側で例年のルールが急に変更されたりすることもあり、いざ日程が開示されたら、3校の試験日時が見事に重なってしまった、ということも決して珍しい話ではない。人気の慶應義塾幼稚舎の日程が変更になると、影響が大きく、戸惑い、慌てた家庭も本当に多かったことだろう。

 だからこそ、手書きの願書作成にかかる労力や金銭的な負担は決して軽くはないが、私は「日程の重複を前提に、少し多めに出願しておくこと」を勧めている。不測の事態においても選択肢を残しておくことが、本番を穏やかな気持ちで迎えるための大切な準備となるからだ。

 今年は、この日程変更のおかげで、例年ならダブル受験が難しい高月齢の男子の早稲田実業の面接と、幼稚舎の考査を同日に「はしご」できるという想定外のチャンスも生まれた。コノユメSCHOOLの会員からは、「先生の言葉を信じて多めに出願しておいて本当に救われた」という安堵の声を例年以上に多く受けている。先の読めない入試において、柔軟な併願戦略と、そこから生まれる「親の心の余裕」がいかに重要であるかを、改めて痛感する年となった。

日曜日の重なりで浮き彫りになった「東洋英和」と「立教女学院」

 2026年度の入試カレンダーにおいて、もう1つ外せないのは「11月2日が日曜日と重なったこと」である。これによりプロテスタント校の入試日程が大きく動いた。例年11月2日に入試が行われていた東洋英和女学院小学部は11月3日に日程変更となり、11月3日に入試が行われる立教女学院小学校と受験日が重なるという事態が生じた。

 両校ともに、キリスト教の教えに基づく豊かな情操教育と、自由な雰囲気で長年愛され続けている屈指の人気校だ。しかし、この日程の重複により、選択を家庭が迫られたことで、近年における家庭の「志向の違い」がより鮮明に浮かびあがった。それは、古き良き伝統を重んじる立教女学院と、改革を積極的に推し進める東洋英和、好みの明確な分かれ方である。

 結果として、この日程の重複により、両校とも例年に比べて受験者数が減少することとなったが、どちらも第一志望者が集まり、学校側としては良かったのではないだろうか。東洋英和は志願者数561名立教女学院小学校は志願者数480名と、どちらも依然として高い倍率を誇る超人気校であることに変わりはない。

毎年人気の高い「東京農業大学稲花小学校」 行動観察重視の傾向がより強固に

 「2026年度 志願者倍率ランキング」において、去年に引き続き高い人気を集めた東京農業大学稲花小学校。東京農業大学の充実した施設を活かした体験学習や、探求を重んじる特色ある教育が多くの支持を集めている。しかし、高い倍率の理由はそれだけではない。受験日を4日間から選択できる柔軟性や、オンライン面接など、「受験しやすさ」が志願者増の大きな要因となっている。

 一方で、1,000人を超える受験生や家庭をしっかりと見るために、学校側もさまざまな工夫をしている。ペーパー試験のボリュームが多いことで知られる同校だが、2026年度入試(2025年11月実施)では、行動観察がより重視された。多様なプログラムが実施され、子供の協調性や思考力、工夫力、想像力などを多角的に評価されるようになった。

 また次回、2027年度入試(2026年11月実施)からは、面接時期の変更が発表されている。面接が、子供の考査の「事前」から「事後」へと変更になる。考査を通じて子供のようすをしっかりと見極めたうえで、その後の面接で親子の関わりや学校教育への理解などをより深く確認するという、入念な選考プロセスへの転換を意味している。

 学校側は「教育方針を深く理解し、共感している家庭」を強く求めている。そのため、「受けやすいから」という理由だけで志願する家庭は注意が必要だ。加えて、日常生活における親子の関わり方や、面接の場での保護者の学校理解が、これまで以上に厳しく問われることになるだろう。本質的な「考える力」と「伝える力」を育む、日々の丁寧な積み重ねが鍵となる。

グローバル時代の新しい選択肢!「昭和女子大学附属昭和小学校」

 今回のランキングでは、志願者数と合格者数を公開している学校でランキングを作っているため、女子の人気校、雙葉小学校白百合学園小学校、また青山学院初等部などはランキングに掲載されていない。

 そのような学校の中で、ここ最近、人気が急上昇しているのが昭和女子大学附属昭和小学校だ。近年のグローバル志向の高まりにより、「インターナショナルスクールか、小学校受験か」と悩む家庭が増えているが、まさに「両方どり」ができる魅力的な選択肢として支持された。

 2024年より国際コースと探究コースが新設され、日本の小学校(一条校)でありながらケンブリッジ国際認定校となり、グローバルな教育を受けられる点が、現代の親のニーズにピタリと合致している。

 国際コースでは、3時間目以降はオールイングリッシュで過ごす一方で、第一言語である「国語」をはじめ、「道徳」や「社会」はしっかりと日本語で学ぶ。単に英語という言語を習得することだけを目的としない、母語の基盤を大切にした教育が行われている。

 コース制が導入されて脚光を浴びているが、それ以前から探究学習に力をいれており、コース制導入前の6年生がVEXロボットコンペティションの世界大会に日本代表として出場するなど、同校には長年引き継がれてきた「探究」と「国際」の軸がある。決して流行に乗っただけの表面的なものではない、この「教育の深さ」こそが家庭の心を掴む最大のポイントだ。

親の心の余白を大切に

 倍率の高さや急な日程変更を目の当たりにすると、やみくもに志望校を広げ「あれもこれも完璧に対策しなきゃ!」と親の心に余裕がなくなってしまう。しかし、不安から詰め込み教育に走り、子供をロボットのようにしてしまっては本末転倒だ。

 わが子にあった学校はどこなのか、子供がそこでどのように成長していくのか。学校のブランド力ではなく、わが子の個性に向きあう学校選び、そして受験対策をしてほしい。親の前向きなマインドセットを忘れずに、焦らず各家庭らしいペースで、子供の豊かな思考力と表現力を育んでいってほしい。

【執筆者】株式会社コノユメ 代表取締役 大原英子
東京大学卒業後、大手通信会社に勤務。その後、自身の母親が30年以上にわたり主宰する受験絵画教室のメソッドをもとに、2011年に小学校受験専門の幼児教室を設立。
2022年には、教育の新しいかたちを提案すべく株式会社コノユメを設立。同年、オンラインと対面のハイブリッド型幼児教室「コノユメSCHOOL」を開校し、幼児教育業界で他社に先駆けてオンライン教材を導入。日本全国さらに海外在住の家庭からも高い支持を集め、多くの家庭に選ばれ続けている。

これまでに、慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部・早稲田実業学校初等部・雙葉小学校・白百合学園小学校・聖心女子学院初等科、暁星小学校、東京農業大学稲花小学校など、難関名門校への合格者を多数輩出。

《編集部》

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