日本女子大学は2026年9月30日、2029年4月に開設を構想している「理工学部(仮称)」の特設Webサイトを公開した。「たしかな理で、未踏の工へ。」をキーメッセージに掲げ、新設される4つの専攻の詳細や学びの魅力、卒業生インタビューなどを通じて学部の未来像を発信している。キービジュアルでは、「たしかな理」を広々とした大地に、「未踏の工」は宇宙を背景に高くそびえる山に重ねて表現している。
特設Webサイトで初公開された4つの専攻(いずれも仮称)は、数学・物理学専攻、情報理工学専攻、化学生命専攻、医薬工学専攻となっている。数学・物理学専攻は、宇宙の法則から最先端技術の数理基盤までをカバーし、1年次から「数学」と「物理学」の2コースに分かれて学ぶ。情報理工学専攻は、コンピュータの原理やソフトウェアからAI、データサイエンス、IoT、サイバーセキュリティ、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)までを幅広く体系化する。化学生命専攻は、「化学」と「生物学」を融合し、3年次から「応用化学」「生命科学」「環境科学」の3コースに分かれる。医薬工学専攻は、化学・生物学・工学・医学・薬学の知識を融合し、創薬や生体模倣システム、香粧品化学などを通じて次世代の医療・ヘルスケア・美容産業をリードする人材を育成する。
同学部では、理論と実践を横断する学び、女性の視点で切り拓く研究環境、新たな工学領域への挑戦、世界を視野に社会とつながる力の醸成という4つの魅力を打ち出している。日本女子大学は、1948年に前身となる家政学部家政理学科を開設して以来、約80年にわたり私立女子大学唯一の理学部として歩んできた。その歴史を礎に、工学領域を含めた新たな理工学部へと発展させる構想だ。
学部長就任予定の永田典子教授は「『なぜ』を問い、自然や数理の本質に迫る理学。その知をもとに、未来に求められる技術や価値を生み出す工学。新たな理工学部では、この2つの視点を大切にしながら、それぞれの専門性をしっかりと深めていきます。気候変動やエネルギー問題、感染症への対応、AI・情報社会をめぐる問題など、現代社会が抱える課題は複雑さを増しています。私たちには、それらに正面から向き合い、解決への道筋をつくる使命があります。そのためにも、基礎を積み上げ、手を動かし、考え抜くという理工学の正攻法を大切にし、その上に日本女子大学ならではの教育を重ねます。『たしかな理で、未踏の工へ。』という言葉に込めた思いのもと、これからの社会に必要とされる理工学部を築いていきます。」とコメントしている。
永田氏は1992年に日本女子大学家政学部家政理学科II部(生物・農芸専攻)を卒業後、1998年に東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。理化学研究所研究員を経て、2003年に日本女子大学理学部講師・准教授に就任し、2014年に教授となった。電子顕微鏡技術の開発・高度化による植物オルガネラの構造解析と形成・分化機構の解明を研究テーマとしている。なお、掲載内容は構想段階のものであり、今後文部科学省への相談結果により名称も含め変更することがある。

