【中学受験・進学塾の悩み解決:SAPIX】成績は目標にほど遠い状態ですが、志望校はいつまでに

 志望校はいつまでに決めるべきでしょうか。新小6の娘は、以前からずっと桜蔭に行きたいと言っています。

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 「志望校はいつまでに決めるべきでしょうか。新小6の娘は、以前からずっと桜蔭に行きたいと言っています。しかし成績は目標にほど遠い状態で、届かない目標をいつまでも掲げているのは本人のためにならないのではないかと、心配しています。しかし他の学校に全く興味を示さないので、親が無理に他の学校を勧めるとやる気をなくしてしまいそうでそれも心配です。学校見学とかに積極的に連れて行った方がいいのでしょうか。」に回答します。

 結論から申し上げますと、今の時点で無理に志望校の変更を行う必要はありません。現実的な目標を設定することのメリットよりも、親御さんが心配なさっている通り、ご本人のモチベーションを下げてしまうリスクの方がはるかに大きいでしょう。

 塾の先生方は説明会などで、受験に対して真剣に取り組むには、まず志望校をはっきり決めなくてはいけないということを良くおっしゃいます。たしかに何事をなしとげるにも、目標をしっかりと見定めてわき目も振らず取り組めることが一番望ましいのは事実です。

 ですが、志望校を決めてその志望校に向けて真剣にがんばれる子というのは、その学校に「行きたい」という気持ちと「行けそう」という気持ちとの両方を持った子なのです。お子さん自身がまだ、その学校に「行けそう」という気持ちを持てていない段階では、志望校を決める=やる気がアップする、という図式にはなりません。

 ご相談者のお子さんについて想像してみるに、現在のところテストでの得点力やこれまでの学習成果について、自信を持っているとは言いがたいのではないかと思います。

 そうした段階で志望校の変更を周囲が勧めることは、本人にとって「ダメ出し」をされたとしか受け取れず、投げやりになってしまう、気持ちが切れてしまうという恐れが非常に高いと言えます。

 こういうリスクなしに志望校の変更を行うには、本人自身の希望を反映していくことが大切です。

・「桜蔭はちょっと無理かも・・・」という不安を抱いている時に、「こういういい学校もあるよ」と紹介してあげる。
・サピックスオープンなどの志望校判定模試で、判定対象校を書く際に、「どの学校を書けばいいの?」とお子さんが聞いてくるタイミングで、候補校を紹介してあげる。

などの工夫ができるといいですね。

 中でも、本人のやる気をそがずに、むしろ志望校を変更しても一層前向きにがんばれる方法として、模試の結果で80%合格、50%合格が出るように導いてあげることをお勧めします。

 子どもはチャレンジしたいという気持ちと同時に、失敗したくないという気持ちも持っています。合格判定表の中で合格可能性80%、50%といった数字が出ている学校のことは、「押さえ」として意識に置いているものです。

 ですから模試を受ける際は、判定対象校について作戦を上手く立ててください。

(1)理想の目標校、(2)今はまだ届かないけれどなんとかたどり着いて欲しい希望校、(3)あともう少しがんばれば届きそうな学校、(4)それほど苦労なく合格できそうな学校

この4段階の学校を配置しておくと良いでしょう。(4)の学校で少し安心を得て、(3)の学校で、近い目標として「行けそう」と思う気持ちをかきたて、(2)の学校に向けてがんばろうという気持ちを高める。その先に(1)の学校を見据えたらいいよとアドバイスしてあげることで、お子さんはやる気を高めてくれると思います。

 また以上のようなことは、プロの先生にご相談なさるのも有効な方法です。お子さんの胸にすとんと落ちるような話をしてくださる先生を早めに見つけておき、大切なお話しはその先生を交えてなさるといいでしょう。
《中学受験 個別指導のSS-1 講師》

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