物語は、母犬マリと子犬たち、家族の被災当時の実話を元にしている。主人公マリは、棚田が美しい新潟県山古志村(現・長岡市山古志地区)に暮らす犬。家族が見守る中、3匹の赤ちゃんを出産し、幸せのただ中にいた。
ところが出産日の夕方、M6.8の大地震が村を襲い、穏やかだったマリの日常は一変する。窮地に立たされた母犬の姿に、読者は動物の守る本能、生きる本能、そして様々な絆の存在を改めて認識させられる。東日本大震災が記憶に新しい今、よりリアリティをもって読む人も多いことだろう。
本アプリではストーリーに加え、読み手を作品世界に引き込むための機能が充実。画面にタッチして絵柄の動きを楽しむほか、挿入歌つきのアニメが差し挟まれるなど、工夫が盛りだくさんだ。巻末には、実際のマリと子犬たちの姿を収めたフォトアルバムもある。
全66ページ。小学校低学年ごろの、長めの読み物に興味が出始めた子どもと読むには、もってこいだ。秋の夜長に絵本アプリで、親子の会話を楽しんでみてはいかがだろうか。
◆山古志村のマリと三匹の子犬/文藝春秋
価格:1,000円
条件: iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.0 以降が必要
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