NVIDIAは26日、筑波大学が、密結合並列演算加速機構実証システム「HA-PACS」に1072台のNVIDIA GPUを搭載し、さまざまな分野における研究を高速化することになったと発表した。 筑波大学計算科学研究センターに設置されているHA-PACSシステムは、今回、1,072台のNVIDIA Tesla M2090 GPUでアップグレードされ、理論上、約802テラフロップスのピーク時性能を発揮できるようになった。これは、日本のスーパーコンピュータとしてトップ3に入る高性能だという。 これにより、従来不可能であった大型で複雑な、長時間を要するシミュレーションが可能になるとのこと。 今後、例えば宇宙物理学において、GPUで高速化したシミュレーションにより、恒星や銀河の生成に関する理解を深めたり、宇宙の進化を解明したりといった研究、また、生物物理学においては、分子動力学と量子力学の手法を組み合わせ、酵素の反応メカニズムやDNAタンパク質複合体の機能特性を分析するなどが期待されている。 筑波大学大学院システム情報工学研究科、計算科学研究センターの朴泰祐教授は、同スーパーコンピュータについて「素粒子物理学、宇宙物理学、材料、気象、生命科学など、さまざまな分野の学術研究を加速するに足る計算処理能力を有しています。今後はこのすばらしいツールを活用し、多くの研究者が研究能力を深められるでしょう。」とコメントしている。 Tesla GPUは、NVIDIA CUDAR並列コンピューティング・アーキテクチャーをベースとした超並列アクセラレーター。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、計算科学、スーパーコンピューティングがおこなえるように基礎から設計した製品で、幅広い科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいて従来比で10倍ものパフォーマンスを発揮することができるとしている。