「小さいクルマって、デザインの余地が少ないんですよねえ」「空力とか歩行者保護の要素とかいろいろあって」。そんなセリフがデザイナーの言い訳であることがよくわかる。この迫力の顔立ち。クルマにうとい人が見ても、一瞬にして覚えられるいかつい雰囲気。好きかどうかは好みの問題だが、ここまで大胆に思い切ったアメリカを表現してくれれば文句はない。車内も広く、このあたりもアメリカを感じさせる。同じブランドのチェーン店でもハンバーガーの大きさがぜんぜん違う。それで育ったアメリカ人サイズを余裕で受け入れるこの広さは、日本人には十分すぎるだろう。インテリアを見渡すと、これまたデザインに大陸らしさを発見。ウィンカーの位置はハンドルの右側と、輸入車らしからぬ日本への気配りを見せるが、走らせるとこれがもう、ふふふと笑ってしまうくらいアメリカらしい。ボディ剛性の甘さというか、ゆるさというか、いや、フルサイズのアメリカ車に比べればしっかりがっちりしているのだが、それでもやっぱり、ふふふ、なのだ。いいなあ、この感じ。人間もクルマも、余白がないのはつまらないあらためて感じさせられます。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★オススメ度:★★★岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。