日本の女性研究者の割合、世界主要国に比べ低水準

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学部卒業者と大学院修了者の女性比率の推移
  • 学部卒業者と大学院修了者の女性比率の推移
  • 女性博士課程修了者の学生種別構成
  • 新卒採用者と博士課程修了者の女性比率
  • 新卒教員の男女別・国籍別構成
  • 日本で就職した女性博士課程修了者の進路
  • 大学教員に占める女性比率の推移
  • 過去の世代における学生と教員に占める女性比率
  • 大学教員の離職率
 国の科学技術政策の立案のための研究を行う文部科学省直轄の機関である科学技術政策研究所は5月24日、「日本の大学教員の女性比率に関する分析」について発表した。

 これは、日本の研究者に占める女性比率が国際的に低いと指摘されている問題について、その要因を把握することを目的に、研究者の約6割が所属する大学の教員に占める女性比率や、大学・大学院の学生に占める女性比率について、各種の統計法を用いて分析したもの。

 それによると、1975年から2010年までの35年間に、日本の大学の学部卒業者および修士・博士課程修了者に占める女性比率は、すべての学問分野で増加しているという。全分野の合計では、学部卒業者(学士)は1975年の21.6%から、2010年では43.3%と約2倍に。修士では8.2%から29.9%と3倍強、博士では5.8%から28.4%と約5倍にまで増加しているという。

 また、多くの分野では大学から大学院に上がるほど女性比率が低くなる傾向があるが、工学と社会科学分野に限ると、学部と修士・博士課程での女性比率がほぼ等しくなっているという。これは、工学分野においては、日本人女性学生は修士・博士と段階が上がるにつれて減少しているものの、大学院では女性留学生が増加するため、結果として女性の比率が保たれる結果だという。

 なお、2002年度から2006年度にかけ、博士課程を終了した女性のうち、23.9%は留学生が占め、特に工学分野では45.9%が留学生だったという。

 また大学での教員採用に関して、2005年度の博士課程修了者と、2006年度に新卒採用者それぞれの女性比率を比較すると、全分野合計においては、新卒教員の女性比率(31.9%)のほうが博士課程修了者(26.7%)よりも5.2ポイント高い。分野別に見ると、新卒教員の女性比率のほうが高いのは、農学、保健、社会科学、その他の4分野。一方、理学、工学、人文科学では、新卒教員の女性比率が、博士課程修了者の女性比率を下回っている。

 また、新卒で採用された大学教員に占める外国籍の教員の比率は、博士課程修了者に占める留学生比率よりも男女ともに低いという。また女子留学生は、一般の学生に比べ、教員よりも不安定な職である「ポストドクター(博士研究員)」になる比率が高いという。

 1983年から2007年において、大学教員に占める女性の割合の推移を見ると、分野により多少の変動はあるものの、すべての分野で増加している。全体の平均は1983年の8.4%から2007年では18.2%となっている。しかし、もともと女性比率の低かった工学、農学、理学分野では、最近でも低水準に留まっており、それぞれ3.8%、7.2%、7.6%と平均を大きく下回っている。

 過去の3世代を比較し学部卒業から教授に至るまでの女性比率の推移を見たところ、大学の職階が上がるほど女性比率が低くなるが、若い世代ほど、助教から教授に至るまでの女性比率の減少は改善されているという。

 また、2007年度において、日本人の女性教員の離職率(定年退職を除く)は 6.6%であり、日本人男性よりも2.2ポイント高かった。

 世界の主要国では、博士学生に占める女性比率が高ければ、研究者に占める女性比率も高いという関係がみられるという。日本では、博士学生の女性比率が、近年大きく増加してはいるものの、依然として3割以下であり、研究者に占める女性比率とともに、世界の主要国より低い水準であるという。
《田崎 恭子》

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