駿台予備校は、5月27日に実施した第1回駿台全国模試をもとに2013年度入試の序盤の動向を分析した。文低理高がより顕著になっており、文型を志願する学生は減少し、医学系・薬学系といった資格直結型であるメディカル系への人気が高いことが明らかになった。 同模試は、東大、京大をはじめとする旧帝大や医学部医学科といた難関大を志望する高校3年生と高卒生を対象にしたハイレベル模試で、2012年度は全国で48,091人が参加した。 2005年度から2012年度までの模試受験者の動向を比較すると、2009年度まではほぼ一定の構成比率だったが、2010年度以降は文系の減少、理系の増加が目立っている。文系の構成比において、2012年度(31.4%)は、2009年度(37.4%)と比較すると6%ダウンしている。2008年秋のリーマンショック以降の景気停滞が文系大学生の就職状況を悪化させたこともあり、難関大を志望する受験生の志向が大きく理系に傾いているという。 国立大と私立大の前年度対比の志望者指数をみると、国立大と私立大のいずれも文系学部はすべて減少している。景気低迷による経済・経営・商学部系に対する不人気は継続しており、法学系は司法試験合格率の低迷に加え、法科大学院の募集停止などにより、今後も人気回復の兆しが見えない。 一方、国公立大では医学系・歯学系・薬学系、私立大でも医学系・薬学系といった資格直結型であるメディカル系への人気が高い。医学系は意思確保対策による入学定員が増加している影響も大きい。ヒッグス粒子や日本人宇宙飛行士の話題によるものか、理学系への人気も継続している。私立大の工学系、農水産系の増加も目立ち、就職を考えての技術志向が高い傾向にあるという。