草加市「子ども教育の連携に関するアンケート」…学年が上がるにつれ学習意欲が低下

 草加市は2012年7月に市内の幼稚園、保育園、小学校、中学校に通う子どもの保護者や、各園・各校の教職員を対象に行った、「子ども教育の連携に関するアンケート」調査結果を発表した。

教育・受験 その他
「生活習慣の習得状況」
  • 「生活習慣の習得状況」
  • 「入学後の生活において不安なこと心配なこと」「1日の平均学習時間」
  • 「中学校卒業までに身につけてほしい能力や考え方」
 草加市は2012年7月に市内の幼稚園、保育園、小学校、中学校に通う子どもの保護者や、各園・各校の教職員を対象に行った、「子ども教育の連携に関するアンケート」調査結果を発表した。

 この調査は幼稚園、保育園、小学校、中学校における、子ども教育の連携についての実態を把握し、連携推進に役立てるのが目的。調査対象者11,029人のうち、8,542人から回答を受けた。

 調査の結果、規則正しい生活習慣、あいさつや返事など身に付いていないものも多くみられ、学ぶ意欲や文字や数への関心については、学年が上がるににつれて意欲や関心が低下している状況が分かった。また「小1プロブレム」と言われる、入学したばかりの1年生の教室において、集団行動がとれない、授業中に座っていられない、先生の話を聞かないなど、学校生活にうまく適応できない状態が続き、学級として機能しないという状況がみられる、と回答した教員の割合は、19.0%。さらに「中1ギャップ」と言われる、授業内容の高度化や、先輩・後輩といった上下関係など、小学校にはなかった新しい環境になじめず、不登校などになってしまう状況がみられると回答した教員の割合は、15.2%だった。

 小学校、中学校入学前後に感じる不安・心配としては、「勉強」「友達との関係」の回答の割合が高いが、入学後には減少する傾向にある。また、勉強に関しては学校以外の塾などを含む1日の平均学習時間は、学年が上がるにつれて増えている。一方、「学校以外ではほとんど勉強しない」の回答の割合も学年が上がるにつれて増えており、中学校3年生では 5.4%となっている。

 また、中学校1年生および中学校3年生の平均学習時間が実質上30分以内の回答の割合は、それぞれ 24.3%、15.4%であり、特に受験を控える中学校3年生では、十分な学習時間が確保されているとは言い難い状況にあると考えられる。学習の習慣化を図り、学年に応じた必要な学習時間を確保する必要があるだろう。

 交流、連携の現状としは2011年度に交流・連携を行ったと回答したのは、幼稚園71.1%、保育園66.7%、小学校85.0%、中学校79.6%となった。交流・連携の内容としては、幼稚園・保育園・小学校では、「活動を中心とした交流」「子どもたちによる学校見学」、中学校では「教職員どうしによる子どもに関する情報提供や意見交換」「教職員による授業参観」などの割合が高い。交流、連携の実施にあたって課題となる点としては、「日程調整の難しさ」の回答の割合がもっとも高かった。

 中学校卒業までに身に付けてほしい能力や考え方として保護者の回答では、「常識、礼儀作法」「思いやりの心」「たくましい心」「自立心」の割合が高く、教員・保育士の回答では、「常識、礼儀作法」「思いやりの心」「自立心」に加え、「規範意識」の割合が高い結果となった。

 この調査結果にもあるように、幼稚園、保育園からの発達の段階に応じた一貫した指導が必要なのかもしれない。
《田邊良恵》

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