約400年の歴史、徳島夏の風物詩「阿波踊り」…おこりや特徴を調べよう【夏休み自由研究】

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徳島県の有名連「ほんま連」
  • 徳島県の有名連「ほんま連」
  • うちわをさばきながら陽気に踊る男踊り
  • 徳島県の有名連「葵連」
  • 元気に舞う法被踊り
  • ライトアップされた藍場浜演舞場 写真は桟敷に囲まれた演舞場を練り歩く「第一生命連」
  • 高円寺を拠点とする連の合同演舞
  • 川沿いのステージで演舞を披露する「寶船」
  • 鮮やかな赤色の扇子と上品なピンク色の浴衣の組み合わせが美しい
 徳島県徳島市では8月12日から15日の期間、「徳島市阿波おどり」が開催された。阿波踊りは徳島県発祥の伝統芸能で、「日本三大盆踊り」のひとつに数えられるお祭りだ。

 2017年も、お祭りのために日々練習を重ねた踊り子たちが徳島市に集い、楽器の生演奏とともに力強く艶やかに舞った。踊り子は約10万人が出場し、徳島市の街全体が熱気に包まれた。本番期間は8月12日から15日までの4日間。

 本番前日の8月11日に行われた「選抜阿波おどり大会前夜祭」に続き、期間中は連日、昼と夜に分けて阿波踊りを開催。昼には「選抜阿波おどり大会」が行われ、屋内のステージで有名連の熟練した踊りが披露された。夜の阿波踊りは「徳島市阿波おどり」のメインイベントにあたり、演舞場を中心に徳島市のいたるところで阿波踊りが披露された。

 夏休みも後半であることから、お祭りを題材とした研究に利用できるよう、阿波踊りの歴史や目的、お祭りとしての見どころなどを紹介する。

◆阿波踊りの歴史
◆阿波踊りの起源となる3つの流派「阿波踊り三大主流」
◆豪快な「男踊り」と艶やかな「女踊り」
◆阿波踊りに欠かせない楽器「鳴り物」
◆「徳島市阿波おどり」の見どころ
◆全国に広がる阿波踊り


◆阿波踊りの歴史
 阿波踊りの始まりは約400年前に遡り、その起源はおもに3つの説が有力とされている。

 ひとつめは、徳島藩の武将が徳島城の城主となった際に、城下の町民が踊ったことを始まりとする「徳島城築城起源説」。ふたつめは盆踊りを起源とする「盆踊り起源説」、そして最後は能楽の元とされる「風流踊り」を起源とする「風流踊り起源説」だ。

 そのほかにも、悪霊を払うために念仏を唱える際に踊る「念仏踊り」と、先祖の霊を供養するために踊る「精霊踊り」も影響を与えたとされている。

 いずれの説の場合も、民衆とともに阿波踊りは生まれ、民衆の生活や文化とともに発展していった点が共通している。大正時代末期から昭和時代まで、ラジオやポスターなどを通して徳島県外へ紹介され、全国へ認知されるようになった。第二次世界大戦により一時期活動が自粛されるが、戦後は復興の象徴として阿波踊りを踊る人が急増し、全国へと阿波踊りの文化が広がっていった。

◆阿波踊りの起源となる3つの流派「阿波踊り三大主流」
 阿波踊りは、手をあげてお囃子にあわせて踊れば成立をする、比較的自由度の高い踊りだが、踊り方は大きく3つに分類できる。これを「阿波踊り三大主流」と呼び、3つはそれぞれ「のんき調」「娯茶平調(ごぢゃへいちょう)」「阿呆調」に分けられる。各連の踊りは三大主流のいずれかにあてはまるとされており、ここでは各流派の違いについて紹介しよう。

のんき調
 1925年(大正14年)に創設された老舗連「のんき連」から生まれた「のんき調」の男踊りは、背筋を伸ばして腰を落とし、つま先を立てて足を運ぶ動きが特徴。三大主流の中では、もっとも明るく親しみやすい雰囲気の踊りとなっている。

娯茶平調
 有名連「娯茶平」から生まれた「娯茶平調」は、ゆったりとした正調のお囃子に合わせた動きが特徴。男踊りは地を這うように腰を低く落とし、うちわをさばきながら、すり足で歩みを進めていく。

阿呆調
 有名連「阿呆連」から生まれた「阿呆調」は、三大主流の中でも特に豪快に激しく踊ることが特徴。男踊りは前傾姿勢でリズミカルに動く。手には提灯を持つことが多く、その見事な手さばきには圧倒される。

 これらの三大主流のほかに、徳島の連「苔作」から生まれた「苔作調」がある。鳴り物が大太鼓や締太鼓(しめだいこ)、鉦(かね)などの打楽器のみで編成されていることが特徴で、踊りや衣装はロック調、ストリート系などの独特なテイストで、若者を中心に支持を集めている。

◆豪快な「男踊り」と艶やかな「女踊り」
 阿波踊りを踊る団体・グループのことを「」という。連には、地域住民などで構成された一般連や阿波踊り振興協会などの団体に加盟する有名連、学生で構成される学生連、企業で結成した企業連など、大小さまざまな連がある。阿波踊りの醍醐味のひとつは、各連の演舞や衣装、演奏を楽しめることだ。

 連のメンバーは大きく「男踊り」と「女踊り」の2種類に分かれて踊る。踊りには以下の違いがある。

うちわをさばきながら陽気に踊る男踊り
うちわをさばきながら陽気に踊る男踊り

男踊り
 浴衣か法被(はっぴ)を着て、足袋を履いて踊る。自由に大きく踊るダイナミックな動きが特徴で、基本的には素手で踊るが、時には団扇や提灯を持って踊ることもある。

女踊り
 浴衣を着て編み笠を被り、下駄を履いて踊る。上品にしなやかな動きが特徴で、すり足で前進をしていく。

 この2つの踊りのほかに、連に子どもが所属している場合は、法被を着て元気よく踊る子ども踊りを踊る場合もある。

◆阿波踊りに欠かせない楽器「鳴り物」
 阿波踊り特有の二拍子リズムを奏でるのが、鳴り物と呼ばれる楽器隊だ。お祭りでは、この鳴り物の生演奏を聴くことができることが阿波踊りの魅力のひとつとなっている。鳴り物として使用される楽器には、おもに以下のものがある。

・鉦(かね)
 「チリンチリン」というよく響く高い音が特徴。演舞の踊り始めの時や、テンポアップする際の合図などを行い、演舞をリードする楽器となっている。連の中では、連長など阿波踊り熟練者が担当することが多い。

・笛(ふえ)
 日本の伝統的な横笛の「篠笛」が多く用いられる。情緒を感じる旋律を奏で、澄んだ音が特徴の楽器。

・三味線(しゃみせん)
 笛と同じメロディ楽器で、歯切れの良い音を奏でる。

・大太鼓(おおだいこ)
 「ドンドン」と響く大きな豪快な音が特徴で、阿波踊りの躍動感やダイナミックさを演出する役割を担っている。

・締太鼓(しめだいこ)
 大太鼓と比べて小ぶりな太鼓で、軽快な音を奏でる。大太鼓と揃って演奏されることが多い。

・鼓(つづみ)
 お囃子のアクセントとなる音色を奏でる楽器。鼓で「合いの手」を入れることで、演奏を引き締める効果がある。

 このように、踊り子だけではなく鳴り物も阿波踊りを構成する重要な要素となっている。阿波踊りを観る際には、鳴り物の演奏にもぜひ注目したい。

◆「徳島市阿波おどり」の見どころ
 徳島県内各地で阿呆踊りが披露される中、「徳島市阿波おどり」の観光入込客は120万人を超えており(徳島県平成27・28年度発表)、国内最大規模にあたる。阿波踊りを観る場所はおもに、演舞場と「おどりロード・おどり広場」の2つ。いずれの場所も、開催期間中は多くの観客が集まる。それぞれの特徴を紹介しよう。

ライトアップされた藍場浜演舞場 写真は桟敷に囲まれた演舞場を練り歩く「第一生命連」

演舞場
 踊り子が踊り歩く道の両端に、ひな壇状の観覧席が設けられている会場。市内には4つの有料演舞場と、2つの無料演舞場がある。いずれの演舞場も18時から開演し、22時半に終了となる。有料演舞場は特別席と指定席、自由席に分けてチケットが販売されている。演舞場には有名連が多く出場するため、特に見晴らしのいい席が人気だ。

おどりロード・おどり広場
 おどりロードはおもに演舞場と演舞場を結ぶ道にあり、踊り子が踊りながら移動する。おどり広場では、踊り子と観客が作った円の中で、踊り子が入れ替わり立ち替わり踊りを披露する。踊り子と観客の距離が近く、間近で踊りを見物できることができるため、演舞場とは一味違う楽しさを味わうことができる。

 このほか、希望すれば飛び入りで参加できる「にわか連」があり、有名連の踊り子によるレッスンとリハーサルのあと、演舞場で実際に踊ることができる。より阿波踊りの気分を味わうために、有料で法被の貸し出しも行っている。おもな観覧場所だけでなく、徳島市の商店街や公園などいたるところでも踊りが披露され、徳島市中が阿波踊りの舞台となっている。

◆全国に広がる阿波踊り
 現在は全国各地で阿波踊り祭りが行われていて、首都圏で開催される「東京高円寺阿波おどり」と「南越谷阿波踊り」は、「徳島市阿波おどり」とともに「日本三大阿波踊り」に数えられる。

 「東京高円寺阿波おどり」は、毎年8月下旬にに開催され、JR高円寺駅、東京メトロ・丸ノ内線新高円寺駅周辺の商店街や通りが会場となる。観客は約88万人が来場し、首都圏最大規模のお祭りとなっている。2017年の開催日程は8月26日・27日。

 8月下旬以降に行われる首都圏のお祭りには、「東京大塚阿波おどり」や9月下旬に行われる「初台阿波踊り」などがある。

 民衆の踊りとして始まり、さまざまな文化や形を取り入れながら全国へ広がった阿波踊り。今後も市民生活を反映して、どのように発展していくのか楽しみだ。
《佐田優佳》

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